ユーザー会インタビュー1
「データベース技術者が集まる場を作りたかった」
「データベース友の会」主宰者 Quatrex氏
首都圏でも秋の深まりが身近に感じられた今年10月23日、3つのユーザー会が日本オラクル本社で勉強会を開催した。編集部では、データベースの技術者が集う「データベース友の会」の主宰者、Quatrex氏(ハンドルネーム)に、ユーザー会の活動内容や勉強会の意義などについて話を聞いた。(編集部)
――ユーザー会を始めたきっかけを教えてください。
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Quatrex氏:
データベース友の会の発足は1年ほど前の2009年8月です。データベース系の仕事をしたいと考える人、あるいは、データベース系の仕事をし
ているけどもっとスキルアップしたいと考える人は少なからずいます。そんな人たちが集まる場を作りたいというのが、発足のきっかけでした。
私たちが具体的な目的として掲げていることの一つは、データベーススペシャリストの資格取得です。一人で勉強していると行き詰まってしまい、
投げ出してしまうこともありますが、みんなで勉強することは励みにもなりますし、他人の勉強方法を知ることもできます。私自身、2010年春に合格するま
で試験に2回落ちていたのですが、ユーザー会のおかげで、あきらめずに勉強を続けることができました。勉強の場を設けてみんなで頑張っていくことは、その
まま個人のスキルアップにつながると思います。
――活動内容や会員について教えてください。 Quatrex氏:
現在、会員は97名(インタビュー時、以下同様)で、関東地方在住の会員が中心となっています。また、mixiのコミュニティには105名が登録していま
すが、間口を広く、敷居を低くすることを意識して活動しています。アクティブに活動しているのは20名前後だと思います。特徴的なのは、下は大学生、上は
50代と年齢層が広いことですが、それだけデータベースは歴史のある技術なんですね。
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![]() 「データベース友の会」を主宰するQuatrex氏(ペンネーム)。自身もスペシャリスト資格試験に2度落ちたが、ユーザー会のおかげで勉強を続けることができたと語る |
オンラインの活動としては、mixiのコミュニティやメルマガの配信(月一回程度、読者は77名)などです。メルマガの内容は、勉強会のお知
らせや資料の公開、運営チームの自己紹介などですね。mixiやTwitterでも情報を発信しており、「IT勉強会カレンダー」で(ユーザー会の存在
を)知ったという会員も多いです。私個人が「@IT」で勉強会の記事を書いたことがあり、このとき一気にメンバーが増えました。
――今回の勉強会はどのような内容でしょうか?
Quatrex氏:
今回の参加者は14名で、データベースに限らずSEなどいろいろなかたちでITにかかわっている人がほとんどです。
勉強会は基本的に自己紹介から始まります。ここでは、お名前やお仕事、参加回数、データベーススペシャリストを受験するのかどうかなどを話し
てもらいます。勉強会そのものは、午前は肩慣らし問題として「午前2」(選択問題)、午後は「午後1」の記述問題をグループワークで解くという流れです。
具体的には、実際の出題問題を取り上げ、データベースとしてどういうモデルを組むかなどを話し合いながら進めていきます。
途中でブレイクタイムとして、合格者の体験談や、どんな勉強法だったか、どんな参考書を使ったかなどの意見を交わしています。知識だけでなく、初歩的な悩みなども話し合います。技術者が集まっているので、その場で解決できることが多いのも勉強会ならではと言えます。
最後にオラクル社さまからのお知らせやアンケートを実施し、近場の居酒屋さんなどで懇親会を開催して終わりです。
――勉強会の今後の展望がございましたら教えてください。
Quatrex氏:
ここ数年、不況が続いていて、会社が教育にコストをかけにくくなっています。このような状況下で、IT技術者にとって重要なことは、技術の高
みを目指すだけでなくコミュニケーションを広げていくことだと思います。みんなで頑張ることから得られるプラスアルファが、技術者の価値を高めていくこと
につながるのではないでしょうか。技術者として仕事を続けていくためにも、勉強会の場は必要だと切に感じます。

ユーザー会の今後については、まずは継続して運営していくことが重要だと考えています。直近では11月20日にはレクリエーションを兼ねて高
尾山登山を実施し、12月上旬には応用情報(旧情報処理技術者試験一種)についての勉強会を開催する予定です。また、企業さまとタイアップした形での勉強
会も企画中です。2011年の年明けからは、4月の情報処理技術者試験を視野に入れて内容を充実させていきたいです。今後の予定については、Webや
mixi上で告知していきます。
これからは、試験に向けて勉強会を月一回、できれば月二回実施したいですね。さらに、資格に対してだけでなく、製品に対する勉強会も実施していきたい。それに関連して、オラクルのユーザー企業さまやいろいろなメディアとのお付き合いも行っていきたいです。
スキルアップのために、ぜひ集まって勉強しましょう。私も、ほかの人が頑張っているのを目の当たりにしたことで触発され、挫折せずにやってこ
れました。把握している範囲ではありますが、勉強会の参加者のうち、これまで9名がスペシャリスト資格を取得しています。チャレンジしたのが15名なので
60%の割合です。会員数については、もし1000名に達したら、何かが楽しくなってくるのではないかと思っています。
(完)
- 「Oracleライフ」を満喫した秋の一日 ユーザー会主催「勉強会」レポート
- ユーザー会インタビュー1 「データベース技術者が集まる場を作りたかった」「データベース友の会」主宰者 Quatrex氏
- ユーザー会インタビュー2 「ドレスコードがなく、コスプレありの勉強会です」「わんくま同盟」主宰者 中 博俊氏
- ユーザー会インタビュー3 「『技術で世の中を良くしたい』と思う人が集まれば、何かが変わる」 「Oracle LOVERS」主催者 吉田 基崇氏
- ユーザーコミュニティ座談会(前編)「データベーススペシャリスト資格不合格が勉強会のきっかけでした」
- ユーザーコミュニティ座談会(後編)「会社の外に出ていろいろな世界が広がっていることを知ることも大事」

