Oracle GRID Center女子会座談会 
後編「気配り上手なプロマネになりたい!」

 オラクルとGrid戦略パートナーが2006年に設立したOracle GRID Centerは、世界最大級のグリッド環境を備えた共同検証の場です。次世代のソリューションを生み出すために、オラクルとパートナーが共同で検証作業の 効率化を図るとともに、グリッド技術の実践とそのノウハウの共有に取り組んでいます。
そのOracle GRID Centerの中で結成された女子会のみなさんに、東京青山で人気のカフェにお集まりいただき、Oracle GRID Centerの取り組みや彼女たちの現場での活躍ぶりをうかがいました。
後編では、彼女たちが現場でどのような検証活動を行い、その結果がどのような形で生かされているのか。また将来はどんなエンジニアを目指そうとしているのかという、彼女たち自身の将来像についても、お話をうかがいました。

tech_110304-02_00.jpg
座 席左側から、女子会メンバーの羽田久美子さん(NTTデータ先端技術)、米田早織さん(富士通北陸システムズ)、上田裕子さん(富士通北陸システムズ)、 宮本佐和さん(新日鉄ソリューションズ)、塚原百合子さん(日本オラクル)、王小芬さん(日本オラクル)。そしてフリーライターの加山恵美。

■Oracle GRID Centerの検証結果をお客様へのソリューションへ

加山様
加山恵美(フリーライター)
――Oracle GRID Centerの概要や魅力などをおうかがいします。パートナーの皆さんはこれまでOracle GRID Centerではどんな検証をしてきましたか?

宮本さん:つい最近もOracle GRID Centerで検証をしていましたが、2010年7月から2ヶ月間ほどはOracle GoldenGate の検証をしていました。

王さん:昨年の夏だとオラクルがGoldenGate社を買収してまだ1年ほどの時期ですね。GoldenGateは2011年1月にオラクル製品としての新バージョン11gが出たというところです。

宮本さん:Oracle GRID Centerで行ったGoldenGate検証結果をお客様への提案に役立てたりしました。GoldenGateは北米では実績のある製品ですが、日本で の実績はまだ多くありません。マルチバイトの処理は問題ないか、性能はどうかなど検証しました。

王小芬さん
王小芬さん
日本オラクル株式会社
テクノロジー製品事業統括本部 アライアンス技術本部 アライアンス技術部 エンジニア


――確かに文字コードは検証で重要なポイントですね。宮本さんのところはベータプログラムにも参加なさっていましたよね

宮本さん:2009年3月からOracle Database 11g Release 2ベータプログラムに参加しフィードバックを行いました。またSQLの高速化を実現するIn-Memory Parallel Executionなどの注目機能に関するホワイトペーパーを公開しています。......書いたのは私ではないですけど(苦笑)。

塚原さん:富士通さんは(昨秋サンフランシスコで開催された)Oracle OpenWorldで講演をしてくださいましたね!

上田さん:はい。Oracle OpenWorldで富士通は基調講演(キーノート)でお話させていただきました。加えてExecutive Solution Sessionでは、SPARC Enterpriseの講演もさせていただきました。SPARC Enterpriseは、オラクル社と富士通の強力なパートナーシップで開発を進めています。講演では、Oracle Database 11g Release 2のSPARC Enterprise上での性能などを発表しました。また、富士通北陸システムズは技術セッションでDBアップグレード時間の短縮化手法と検証結果につい て発表しています。Open Worldで富士通の人間が講演しました。実はこれ、Oracle GRID Centerでの検証結果も含まれているんです。

塚原百合子さん
塚原百合子さん
日本オラクル株式会社
テクノロジー製品事業統括本部 アライアンス技術本部 アライアンス技術部 エンジニア
米田さん:ほかにもOracle GRID Centerでは富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST(プライムクエスト)」の検証や、富士通のストレージシステム「ETERNUS(エターナス)」との検証を行い、データベースの高速化ソリューションに役立てたりしています。

――羽田さんのところはどうですか? 差し支えない範囲で教えてください。

羽田さん:弊社ではDB統合やDBセキュリティに関する検証に力をいれており、直近ではIBM様と共同で最新プロセッサであるPOWER 7でのデータベース性能検証やリソース制御機能の検証を行いました。Oracle Database 11g R2の最新パッチPSR11.2.0.2を使ったRACとRAC OneNodeの検証です。

――細かいバージョン毎に新しい機能が追加されていますから、そこまで検証されるというのは大事ですね。


羽田さん:GoldenGateについても、お客様向けの実証検証を実施して、その結果をもとにお客様に導入支援させていただいています。 検証結果が実案件で役立つととてもやりがいを感じますね。またDBセキュリティについては、Database VaultやOracle Advanced Securityを検証し、その結果を日経SYSTEMSに寄稿したりもしています。



■勘が良くて気配りのできるプロマネはカッコイイ!


宮本佐和さん
宮本佐和さん
新日鉄ソリューションズ株式会社
ITインフラソリューション事業本部 ITエンジニアリング事業部 ITアーキテクティンググループ
――Oracle GRID Centerでの検証結果をそれぞれのビジネスに役立てているのですね。ところでみなさん、将来はどんなエンジニアになりたいですか? 新人さんには気が早いかもしれませんが、王さんからお願いします。

王さん:未経験ですが、今はフィールド(現場)に目が向いています。エンジニアに必要なのは技術だけではないと思いますが、まずは技術の足固めをして、何か得意分野を持てるようになりたいです。

塚原さん:同じくいつかはフィールドに出て、技術を磨いていきたいです。まずは3年ほど技術を磨き、フィールドで提案できるようになりたいです。スペシャリストを目指したいです。

――お二人はいつかフィールドへと飛び立つ日のために、今はOracle GRID Centerで基礎技術を固めているという段階かもしれませんね。エンジニアとしてちょっと先輩の宮本さんは?

宮本さん:私の会社はSIerなので、ゆくゆくはプロマネの道を進むのだと思っています。そのうちに現場で手を動かすことが少なくなっても現場に気を配れる存在になりたいです。現場が苦労しているときにプロマネが「大丈夫?」と声をかけると部下には心の支えになりますから。

上田裕子さん
上田裕子さん
株式会社富士通北陸システムズ
データベースソリューション事業本部 ソリューション企画部
上田さん:できるプロマネは勘がいいんですよね。かっこいい!

一同:そうそう!(強く頷く)

米田さん:いつもは現場にいないのに「ここのあたり、調べてみたら?」ってツボを押さえていて。なぜ分かるのか不思議でなりません。きっと経験なんでしょうね。

羽田さん:そういう人って調べるのも早いんですよね。手早く情報を入手してトラブルの原因を即座に突き止めてしまう。

――現場がトラブルのときはきついですよね。でもオラクルのデータベースを使っているお客様なら突然ダウンという状況はあまり遭遇しなくてすむのでは?

羽田さん:確かに突然ダウンということはないですが、お客様によっては稼働状況が少しでも普段と違うと「どういうこと?!」と問い合わせが来ることもあります。これはこれで緊張します。


米田早織さん
米田早織さん
株式会社富士通北陸システムズ
データベースソリューション事業本部 ソリューション企画部
――Oracle GRID Centerでどんなに検証しても、本番環境は時として予想外のことが起きたりしますからね。性能が上がってもお客様はシビアなんですね。上田さんは将来に向けてどうですか?

上田さん:今の業務はExadataが中心ですが、やはりエンジニアの基本は技術だと思いますので、技術力を今後も高めていきたいと思います。宮本さん同様にプロマネの道に行くのかもしれませんが、いいソリューションを提案できるようになりたいです。

米田さん:私も技術力はもっと高めていきたいです。単に知識を増やすだけではなく、お客様の要望に応えるために的確なソリューションを提案 できるようになりたいです。例えば「高速化」がキーワードならCoherenceとTimesTen、どちらが必要なのか、お客様にきちんと伝えられるよ うになりたいです。

――御社だとPlatinum保有者が多いですよね。尊敬する先輩とかいますか?

羽田久美子さん
羽田久美子さん
NTTデータ先端技術株式会社
オラクル事業部 技術担当 基盤技術グループ コンサルタント
米田さん・上田さん:池田(高志)さん(編集部注)です!

米田さん:日本で最初の9i Platinumを取得したすごい人です。

上田さん:池田さんがお休みの日は「池田フェイル」状態です(笑)

――いつでもアクセスできる池田クラウドとかほしいですね(笑)。いやいや、お二人とも将来は池田さんに続くエンジニアにならないと。羽田さんはいかがですか?

羽田さん:私は現場が好きなので、自分だけではなくチーム全体で技術力を高め、いいチームを築いていけたらなと思っています。さっきも出ま したが、面倒見のいいリーダーはあこがれます。やはり現場にいるのは人間ですから。このOracle GRID Centerのつながりも大切にしたいです。技術以外のノウハウも共有していけるといいなと思います。

王さん:Oracle GRID Centerで技術だけではなく、幅広くノウハウ共有をということですね。素敵です。ぜひやりましょう!


編集部注:Platinum of the Yearの池田高志氏。日本初となる「ORACLE MASTER Platinum Oracle9i Database」につづき、「ORACLE MASTER Platinum Oracle10g Database」をも取得するOracleデータベースのプロ。
関連記事【Oracle Database UPGRADE Central データベースのあるべき姿を目指してアップグレードによる新しい世界】

Oracle GRID Centerでは、彼女らのように優秀で明朗なエンジニアが生き生きと活躍し、それぞれの企業からの情報発信やソリューションに役立てていることがよく分 かりました。Oracle GRID Centerが各社の業務だけではなく、企業の枠を超えた交流も支えていることはとても有意義であり、喜ばしいことですね。

エンジニアにとって社外の仲間は見聞を広める上で貴重な存在であり、女性なら同性の仲間はなおさら貴重です。この親交は今後彼女らのエンジニアライフの心の支えとなるのではないかと期待しています。
 


Oracle GRID Centerの検証資料はこちらからダウンロードできます。
「Oracle GRID Centerホームページ」

前の記事 <<  最初の記事へ  >> 次の記事

《Oracle GRID Center女子会座談会》シリーズをお見逃しなく!