分析、レポート、
モデル化向けの
SQL

Oracle Database 18cには、SQLを使用してアクセスできる一連の強力な分析機能と分析関数、およびディメンション・モデルを使用してデータを高速かつ効率的に編成するための新しい手法が導入されています。

Oracle Database 18cの新機能

18cには、オラクルの柔軟で包括的な分析フレームワークを拡張するSQLの新機能と機能強化が多数導入されています。
  • 金融系の追加要件をサポートする、ROUND関数の機能強化 
  • 自己記述的で完全に動的なPolymorphic Table Function - ANSI SQL 2016の一部
  • 上位N個の結果に対する近似問合せ処理
  • その他の近似問合せ処理:strong>APPROX_COUNT、APPROX_SUM、APPROX_RANK
  • 分析ビューでのMDX(多次元式)問合せ言語のサポート
Oracle Database 18cのSQL分析関数および分析機能によって、運用プロジェクト、データウェアハウス・プロジェクト、ビジネス・インテリジェンス・プロジェクトに分析結果を直接提供するための極めて効果的なプラットフォームが確立されます。詳しくは、以下の情報を参照してください。


プレゼンテーション:SQL For Data Warehousing and Analysis:What's New In Oracle Database 18c

Presentation OpenWorld 2017、Building Agile, Self-Describing In-Database Analytical Algorithms for Big Data


また、18cの新機能には、ディメンション・モデルを使用してデータを編成する分析ビューもあります。分析ビューは、既存のデータベースの表やビューに保存されているデータに対する分析問合せを作成するための、高速かつ効率的な手法です。分析ビューによって、データセットに対して集計および計算を簡単に追加でき、比較的単純なSQLでの問合せが可能なデータをビューに表示できます。Database 18cの新機能として、MDX(多次元式)問合せ言語を使用できるようになっています。


Presentation OpenWorld 2016、Using Analytic Views to Enhance BI Applications and Simplify Development


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Database 18cの無償試用版

無償の新サービスであるLiveSQLを利用して、これらの魅力的な新機能のすべてをお試しいただけます。Oracle Database 18cのもっとも重要なSQL機能を扱った、コミュニティのスクリプトと体系的なチュートリアルの幅広いコレクションにすばやくアクセスできます。



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分析、レポート、モデル化向けのSQLの概要

Oracle Databaseに組み込まれたデータベース内の分析関数および分析機能を利用すれば、ビジネス上のさまざまな問題に対応できます。開発者もビジネス・ユーザーも幅広い分析機能を利用でき、その結果を他のSQL問合せや分析パイプラインと組み合わせることができるため、さらに深い洞察を得ることができます。

Oracle Databaseには、次の機能が含まれます。

  • ランキング
  • 分析ウィンドウ
  • 集計レポート
  • LAG/LEAD
  • FIRST/LAST
  • 統計ライブラリ
  • 仮説ランクと分布
  • 近似問合せ処理
  • パターン・マッチング
  • モデル化
  • 高度な集計
  • ユーザー定義関数

標準ベースのSQL
1986年にSQLは米国規格協会(ANSI)の標準になり、それ以来最新の反復であるANSI 2011まで進んでいます。この標準化には次のような2つの利点があります。
- 標準化により、大規模なコード変更をすることなく異なるデータベース・システムへ高いレベルでアプリケーションを移植できます。データウェアハウスの分野では、BIツールを使用して、単純な方法で複数タイプのSQLデータベースを効率的にサポートできます。

- SQL標準によってアプリケーション開発における継続性が保証されます。30年前に記述されたSQL文は、SQLコードに変更を加えなくても現在でも実行し続けています。

継続的な進化
オラクルには、Oracle Databaseに高度なSQLベースの分析を組み込んできた長い歴史があります。

ビッグ・データの分析でいまや主要な分析機能となっているウィンドウ関数は1999年にOracle 8iに始めて導入され、多くの開発者がこの機能を使用して、複雑なビッグ・データ要件を管理しています。

2003年にはOracle 10gで、ビジネス・ユーザー向けにスプレッドシート・タイプのwhat-ifモデリング・フレームワークを備えたSQLモデル句が導入され、12cでは、SQLパターン・マッチングとHyperLogLogベースの概算カウントを実行するdistinct関数が導入されました。Database 18cではさらに、自己記述的で再利用可能な、完全に動的なテーブル・ファンクションを記述でき、近似問合せ処理も拡張されています。

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分析、レポート、モデル化向けの
SQLのおもな利点

オラクルのデータベース内の分析機能と分析関数のおもな利点は、次のとおりです。

開発者の生産性の向上 - SQLコードが明晰かつ簡潔になるため、複雑な分析を実行できます。複雑なタスクも簡単なSQL文で表すことができるようになり、SQLの作成と管理が迅速化し、生産性の向上につながります。

問合せ速度の向上 - データベース内分析によって処理の最適化がサポートされるため、問合せのパフォーマンスが大幅に向上します。以前であれば自己結合や複雑なプロシージャ処理が必要だった処理も、ネイティブSQLで実行できるようになりました。

管理性の向上 - アプリケーションで共通のリレーショナル環境を共有し、あらゆるデータ型とソースを統合したビューに容易にアクセスできます。互換性のないデータ構造を含む計算エンジンが混在することはありません。

学習労力の最小化 - これまで十分に理解されてきたキーワードを構文に利用しているため、SQL分析関数で覚えなければならない新しいキーワードは最小限です。

業界標準ベースの構文 - オラクルの機能はANSI SQL規格に準拠しており、多数の独立系ソフトウェア・ベンダーによってサポートされています。

分析ビューの概要

分析ビューは、ディメンション・モデルを使用してデータを編成するものです。分析ビューによって、データセットに対して集計および計算を簡単に追加したり、比較的単純なSQLでの問合せが可能なデータをビューに表示したりすることができます。

標準的なリレーショナル・ビューと同様に、分析ビューはSQLを使用した問合せが可能なメタデータ・オブジェクトです(つまり、分析ビューはデータを保存しません)。分析ビューは、表、ビュー、外部表などの他のデータベース・オブジェクトのデータにアクセスします。また、複数の表を1つのビューに結合することができます。

分析ビューでは次のような操作も可能です。

  • ディメンションと階層の概念を持つリッチ・ビジネス・モデルを使用したデータの編成
  • 階層データを使用したシステム生成列の追加
  • データの自動集計
  • ビジネス・モデルに基づいた構文を使用して簡単に定義可能な、埋め込み型メジャー計算の追加
  • プレゼンテーション・メタデータの追加
  • 計算式の階層的認識

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分析ビューの
おもな利点

オラクルの新しい分析ビューのおもな利点は、次のとおりです。

アプリケーション開発の簡素化と迅速化 - 分析ビュー内での計算の定義は、複雑なSELECT文の記述や生成よりもずっと簡単です。

計算ルールの保存は一度のみ - ルールがデータベースに保存されるため、エンドユーザーにとってレポート・ツール使用時の選択の幅が広がります。

計算の一貫性 - 計算ルールは一度定義されればデータベース内に保存されることから、任意の数のアプリケーションから再利用できます。