Oracle ACE 矢木の部屋 第3回
次世代のデータベースエンジニアを目指すために

企業システムにおいて、データベースは最も重要な役割を担っている。「データ」という企業においてもっとも重要な資産を担っており、その用途はトランザクション処理による基幹ビジネスの担保から、データ活用による戦略策定の支援まで、幅広い用途で用いられているのである。
したがって、データベースを扱うエンジニア、いわゆるデータベースエンジニアが、システム構築プロジェクトやシステムの運用において担う役割は非常に大きいものである。
いっぽうで、データベースそのものが大きな進化を遂げている。例えばOracle Database 11g R2では、従来のシステム設計のコンセプトを大きく変える新技術が用いられているのである。データベースが進化するということは、それを扱うデータベースエンジニアの役割も変わってくるということだ。
■忘れてはいけない、運用管理の視点
本連載の第1回に紹介したシステム開発の流れの中で、運用フェーズのコストや、障害時の対応が長期的に見たときの課題となることが多々ある。
したがって、データベースを扱うエンジニア、いわゆるデータベースエンジニアが、システム構築プロジェクトやシステムの運用において担う役割は非常に大きいものである。
いっぽうで、データベースそのものが大きな進化を遂げている。例えばOracle Database 11g R2では、従来のシステム設計のコンセプトを大きく変える新技術が用いられているのである。データベースが進化するということは、それを扱うデータベースエンジニアの役割も変わってくるということだ。
■忘れてはいけない、運用管理の視点
本連載の第1回に紹介したシステム開発の流れの中で、運用フェーズのコストや、障害時の対応が長期的に見たときの課題となることが多々ある。

かつては、データベースエンジニアが自前のシェルスクリプトを書き、データベース運用管理を行ったり、性能管理をするためにOS統計情報などを生計するExcelのマクロを組んでいるケースが多くあった。
もちろん、そういった経験から得られるシステム・アーキテクチャへの理解は、システム管理において大きな力となる。
いっぽうで、複雑化するシステムに対して、よりスマートに、運用負荷を軽減した形で管理することを、システムのアーキテクチャとして検討することは後々のフェーズでの運用コストに影響を与えるのだ。
もちろん、そういった経験から得られるシステム・アーキテクチャへの理解は、システム管理において大きな力となる。
いっぽうで、複雑化するシステムに対して、よりスマートに、運用負荷を軽減した形で管理することを、システムのアーキテクチャとして検討することは後々のフェーズでの運用コストに影響を与えるのだ。
基本設計の一貫として、運用する際に、データベース管理(DBA定常業務・構成管理・パフォーマンス管理など)をEnterprise Managerで行うことを運用設計として想定しておくことにより過去のバージョンでは大掛かりな作りこみが必要だったことや、エンジニアの職人技が必要だったことが、グラフィカルな画面で管理可能となる。これは、DBAの管理負荷削減だけでなく、システムのライフサイクルを考える上でも重要だ。
[Database 現場テクニック DB運用編]
- 【ここまでできる!Oracle Databaseの管理ツール】
(http://blogs.oracle.com/oracle4engineer/entry/oracle_database) - 【実践!Enterprise Manager:簡単データベース運用管理術】
(http://blogs.oracle.com/oracle4engineer/entry/enterprise_manager_1) - 【実践!Enterprise Manager:簡単データベースチューニング】
(http://blogs.oracle.com/oracle4engineer/entry/enterprise_manager_2) - 【データベースの構成変更管理、実はこんなにラクになります】
(http://blogs.oracle.com/oracle4engineer/entry/post_77)
さらに注目の機能は、Oracle Database 11gから提供されているリアルタイムSQL監視機能だ。この機能を用いることにより、今、まさに、どういったSQLが、どういった状況で性能遅延しているかについて、直感的に確認することができる。
さて、Enterprise Managerで運用・保守を行うことが重要だと述べてきたが、システム管理者の方には既にITインフラの標準ツールとして使用している監視ツールや、ジョブ管理システム、および運用の機構をお持ちだろう。重要な点は、それらのITインフラの機構とEnterprise Managerを連携させ、システム管理者とデータベース管理者の役割を明確化し、必要に応じてツールを使いわけることなのである。図示すると以下のようになる。
OTNセミナー オンデマンドでは、Enterprise Managerと統合管理ツールを連携させる手法についても紹介されている、是非、システム設計の参考にして頂きたい。
[Database 現場テクニック DB運用編]
- 【パフォーマンスの問題発見から解決までをつなぐ! JP1連携ソリューション】
(http://blogs.oracle.com/oracle4engineer/entry/material_em_jp1) - 【JP1ユーザーに捧ぐ!DBのパフォーマンス・チューニング!】
(http://blogs.oracle.com/oracle4engineer/entry/jp1db)
こういった、データベースの運用管理機能を基本設計時点でシステム構成に含んでおくことで、詳細設計・テスト・運用のフェーズにおける効率に大きな影響を与えることになる。そのため、これからのデータベースエンジニアは、よりシステム・インテグレーションにおけるより上流工程で活躍することによって、プロジェクト全体の生産性向上、テストフェーズでの問題分析、そして障害の削減に貢献することができるだろう。
さて、今回はシステム運用をテーマにしましたが、いかがだったでしょうか?次回はデータベースエンジニアからアーキテクトとして活躍の幅を広げていくことについて、紹介していきたいと思います。
さて、今回はシステム運用をテーマにしましたが、いかがだったでしょうか?次回はデータベースエンジニアからアーキテクトとして活躍の幅を広げていくことについて、紹介していきたいと思います。

イラスト:岡戸妃里
■矢木 覚(a member of Oracle ACEs)
SIerでOracle Databaseの最新技術を用いた、企業システムの基幹システム設計/構築 に携わる。大規模RACやOracle Exadataによるシステム設計・Consolidationを行ってきた。その経験を基に、現在ではオラクルの技術を広めるエヴァンジェリストとして活動中
SIerでOracle Databaseの最新技術を用いた、企業システムの基幹システム設計/構築 に携わる。大規模RACやOracle Exadataによるシステム設計・Consolidationを行ってきた。その経験を基に、現在ではオラクルの技術を広めるエヴァンジェリストとして活動中
《Oracle ACE 矢木の部屋》シリーズをお見逃しなく!
- 第1回 これからの データベースエンジニアのスキルパスとは?
- 第2回 これからの データベースエンジニアのスキルパスとは?
- 第3回 次世代のデータベースエンジニアを目指すために
- 第4回 次世代のデータベースエンジニアを目指すために

