データ侵害が日々増え続け、データ保護やプライバシーに関する一連の規制が進化し続けている中で、ビジネスの機密データと規制対象データを保護することは不可欠です。しかしながら、データベースはセキュアに構成されているのか、どのようなユーザーがそのデータベースにアクセスできるのか、また機密の個人データはどこに保存されているのかを、ほとんどの組織が把握しきれずにいます。オラクルの多層防御機能の一部であるOracle Database Security Assessment Tool(DBSAT)は、データベースの構成、運用、実装の領域でリスクを招く恐れがある部分を特定し、リスクを緩和するために必要な変更内容と制御方法を提案します。
Oracle Database Security Assessment Tool は、スタンドアロン・コマンドライン・ツールであり、適切な種類の構成情報をデータベースから収集し、現在のセキュリティ状態を評価することで、評価プロセスと規制遵守プロセスを迅速化させるとともに、特定されたリスクを緩和する方法を提案します。
DBSATは追加費用なしで提供されており、次の情報をすばやく検出します。
以下の図は、サンプル・データベースのセキュリティ状態をまとめたものであり、評価結果をリスク・レベルで分類しています。

DBSATはデータベースとリスナーの構成に関する情報を分析し、不必要にリスクを招く可能性がある構成設定を特定します。また、簡単な構成チェックが行われるだけでなく、ユーザー・アカウント、付与されている権限およびロール、認可制御、職務分掌、ファイングレイン・アクセス制御、データ暗号化、鍵の管理、監査ポリシー、OSファイルのパーミッションも調査されます。DBSATではルールを応用してデータベースの現在のセキュリティ・ステータスを迅速に評価し、上記の全領域で検出されたリスク箇所を出力します。そして、それぞれのリスク箇所について、リスクを削減または緩和するために必要な修正措置を、ベスト・プラクティスに沿った形で提案します。
以下の評価結果は、どのユーザーが強力なDBAロールを有しているか、およびそのロールはどのように取得されたか(直接付与、他のロール経由の付与)を示しています。

また、DBSATは、カスタマイズ可能な正規表現パターンを使用して機密データのデータベース・メタデータをスキャンし、発見された機密データの量と種類を報告します。これにより、どの程度の量の機密データがあり、どこにそれらのデータが保存されているかについての奥深い洞察が提供されるため、組織は適切なアクセス制御、監査、マスキング、暗号化を通じてデータベースを保護できます。以下の図は、データベース・メタデータのスキャンを基に作成されたサマリー・レポートです。


DBSATは現在のセキュリティ体勢の評価を支援するツールで、機密データがどこに保存されているかを特定し、さまざまなユーザー向けに複数の形式でレポートを生成します。DBSATは使い方が簡単で、出力されるレポートには要約情報と詳細情報が記載され、併せて掲載される推奨事項には優先順位が付けられているため、すぐに対策を打つことができます。

セキュリティ構成を調査し機密データがどこに保存されているか把握することは規制遵守の重要な要素であり、EU一般データ保護規則(EU GDPR)、クレジットカード業界のデータ・セキュリティ基準(PCI DSS)、米国サーベンス・オクスリー法(SOX)、HIPAA/HITECH、多数のデータ・プライバシー法に不可欠です。DBSATが提示する推奨事項は、リスクの最小化、セキュリティ体勢全体の強化、コンプライアンスの早期確立に役立ちます。
Oracle Database内の機密データおよび個人データの検出
評価結果のGDPR記事/記述およびOracle Database CISベンチマークの推奨事項へのマッピング
リスクにさらされる可能性を評価することによる早期のデータ保護の影響評価

データベースがオンプレミスで実行されているか、お客様が管理するDatabase Cloud Servicesで実行されているか、もしくはIaaSにデプロイされたデータベースであるかにかかわらず、DBSATを使用すれば、ハイブリッド型デプロイメント全体で一貫した方法で、Oracle Databaseのセキュリティ体勢を簡単に評価することができます。
DBSATはOracle DatabaseのバージョンOracle 10.2からOracle 18cまでをサポートしています。
