辻先輩と大橋君の

「Oracle Database 進撃のアップグレード」談義

これは、日々お客様のオラクルデータベース環境のアップグレード推進に奔走する二人のエンジニアの物語である。

駆け出しエンジニア・大橋君は、アップグレードの「達人」辻先輩から、「アップグレードのなんたるか」に始まり、アップグレードを無事にやりとげるための準備やチェックポイント、便利なツールなどのベスト・プラクティスを叩き込まれる。大橋君が辻先輩の教えをうけて成長する物語で「達人」を目指そう！

日本オラクル株式会社

テクノロジー製品事業統括本部 製造ソリューション部

辻研一郎 ／大橋洸輔

※本記事は、OTNセミナー・オンデマンドに公開されている下記資料の解説記事です。お手元にダウンロードしてお読み頂くと、より理解を深めるこ とができます。 「Oracle Database 12c へのアップグレード/移行とデータベース統合」

（Part1(PDF) / Part2 (PDF) / Part3 (PDF))

第１回　すごい資料公開！「Oracle Database 12cへのアップグレード」の読み方を知る

辻：辻先輩　大：大橋君

大：昨日、お客様にOracle Database 12cの説明をしてきたんですよ。機能は魅力的だって言っていただけたのですけど既存のOracle Databaseをアップグレードすることには消極的だったんですよね。

辻：お客様は具体的に何と仰っていたのかな？

大：アップグレードの際の動作変更や手順について、まとまっているサイトや資料が少ないんですって。

辻：大橋君、この資料を知らないのかい？オラクルの開発チームにはアップグレードを専門に担当している、Database Upgrade Development Group というチームが存在していて、彼らが作った資料を僕らが翻訳したんだ。そのチームのエンジニアが実際のお客様プロジェクトに関わった際のノウハウをまとめてくれているんだよ。

【資料】Oracle Database 12c への アップグレード/ 移行とデータベース統合

Part1: はじめに＆概要／一般的な準備手順 (PDF)

Part2: アップグレード＆移行事例 (PDF)

Part3: フォールバックストラテジー／Oracle Database 12c新機能／パフォーマンス管理／ラップアップ (PDF)

ちなみにDatabase Upgrade Development Groupのメンバーがやってるブログもあるよ。

【ブログ】Upgrade Your Database

https://blogs.oracle.com/UPGRADE/

大：えぇ！？そんなチームや資料があったんですね！

・・・資料に目を通す

大：辻さん、この資料500ページもあって、どこから目を通せばいいか分からないですよ！

これじゃお客様もどこに注目して読んだらいいか分からないと思います！

辻：そうか大橋君。それでは、アップグレードにおいてよくお客様が抱えている課題との関連付けをしながら資料の説明をしよう。 お客様がアップグレードの障壁と感じることは主に次の3つなんだ。

1.アップグレードの動作変更や手順書がまとまっていない

2.アップグレードに見合うだけのメリットが分からない

3.アプリ改修やテストに工数・コストがかかり、パフォーマンスやアプリへの影響が心配

今回の大橋君のお客様の懸念点は1つ目に該当するね。

動作変更については、この資料のPart1 (PDF)のP.53あたりを参考にして、アプリケーションに与える影響をチェックできるよ。 一口にアップグレードと言っても、お客様のシステムによって、許容されるダウンタイムやデータ量など様々なシチュエーションがあるんだ。 そういった点を事例ベースで解説しているのがこの資料のPart2 (PDF)になる。

実際のプロジェクトで経験したノウハウが盛り込まれているので、参考になると思うよ。 12c の新機能 Pluggable Database や GoldenGate、フルトランスポータブル Exp/Imp を利用したアップグレードの例も記載されているよ。

事例は8つもあるから、その中にはお客様にとって有益なものがきっとあると思うよ。

　■Pluggable Database

まずコンテナデータベースという核になる部分を作成し、 そこにまるでUSBメモリを抜き差しするようにプラガブルデータベースを追加/削除する。 マルチテナント環境に向けた新しいデータベースのアーキテクチャ。 従来の仮想化やインスタンス統合に比べ、集約率が高まる。 プラガブルデータベース同士は分離性が高いのでDB単体の独立性を担保することはもちろん、 基盤としての管理一元化も可能。

　■GoldenGate

バージョンが異なるDB間でも機能するリアルタイムデータレプリケーションツール。 常に同期状態にあるもうひとつのDBを作成し、それを使ってアップグレードを実施する。 データ移行時間が極小となり、アップグレード後は同期の方向を切り替えることで切り戻しに活用可能。

　■フルトランスポータブル Exp/Imp

異バージョン、異プラットフォーム間でデータベース全体のExp/Impを実施する機能。

大：なるほど。実際に他のお客様で実績のある事例だと、かなり安心感もわきますし、お客様の障壁も格段に下がるかもしれないですね！

辻：そう、そこがこの資料の最大のポイントなんだ！

次回は本資料の12c新機能に着目し、新機能がもたらすお客様メリットについて

二人の会話が繰り広げられます。

乞うご期待。