Oracle Cloud Infrastructure Storage Gatewayは、オンプレミスのデータ・センターとOracle Cloud Infrastructure Object Storageの橋渡しを支援するサービスです。Storage Gatewayを使用すると、NFSターゲットにデータを保存できる任意のアプリケーションで、事前にアプリケーションを変更してREST APIを取り込まなくても、Object Storageに簡単かつシームレスにデータを移動できます。Storage Gatewayは、NFSv4クライアントをサポートする任意のホストにマウントできるNFSマウント・ポイントを公開します。お客様に代わって、Storage GatewayがNFSからREST APIへの変換を実行します。ローカルで構成可能なキャッシュにより、クラウドへの非同期で最適化されたデータ移動が可能になり、帯域幅の制約や接続の問題を回避できます。アクセス頻度の高いデータはローカルにキャッシュされるため、キャッシュにより、クラウドからデータを読み取る際のレイテンシも改善します。Storage Gatewayの各NFSマウント・ポイントは、Object Storageバケットにマッピングされます。NFSインターフェイスを使用すると、従来のファイル・システム・コマンドを使用してクラウド・ストレージを操作できます。
Oracle Cloud Infrastructure Storage Gatewayは、ファイルからオブジェクトへの透過性をサポートしています。つまり、Storage Gatewayがデータをクラウドにアップロードするときに、元のデータ形式が保持されます。クラウド内のデータは、API、SDK、CLIやコンソール、その他のサード・パーティ・ツールなど、サポートされているObject Storageクライアントを使用して、読み取ったり管理したりできます。
Storage Gatewayを使用すると、NFSなどの一般的なファイル・システム・プロトコルをサポートする従来のアプリケーションによって生成されたデータを、REST APIと統合するためにアプリケーションを変更することなく、Object Storageに簡単に移動できます。Storage Gatewayは、Object Storageのシームレスなスケーラビリティ、耐久性、コスト効率を活用できなかった従来のオンプレミス・アプリケーションに対して、実質無制限のクラウド・ストレージを提供します。
いいえ、Storage Gatewayを汎用Network Attached Storageとして使用することはできません。Storage Gatewayは多くの点で仮想共有ファイル・システムと言えますが、その主要機能はクラウドへのデータの移動です。Storage Gatewayは、すべての機能を備えた共有ファイル・システムが処理できるようなトランザクション・ワークロードを扱えるようには設計されていません。
Storage Gatewayは、オンプレミスのデータ・センターからクラウドにデータを移動するための効率的なツールです。このサービスは、バックアップ/アーカイブ、災害復旧、データ移行、ハイブリッド(オンプレミスおよびクラウド)・ワークロードなどの使用事例に使用できます。Storage Gatewayを使用すると、オンプレミスのNASサーバーからOracle Cloud Infrastructure Object Storageへのコールド・データの移動を簡単にスクリプト化できます。
汎用ネットワーク・ストレージ:Storage Gatewayは汎用ストレージ・ファイラーではないため、従来のネットワーク・ストレージ・アプライアンスの代わりに使用しないでください。
ファイルの同期と共有:Storage Gatewayは効果的なデータ・ムーバーですが、ファイルの同期および共有サービスに代わるものではありません。ファイルの同期と共有が必要な場合は、Oracle Documents Cloud ServiceなどのOracle Serviceをご検討ください。
コンテンツ・コラボレーション:Storage Gatewayは、単一のObject Storageバケットとの間で同時に読み取りおよび書き込みを行う複数のインスタンスをサポートしていません。Storage Gatewayは、分散チームが協力してコンテンツの作成と管理を行えるようにするツールとして使用するためのものではありません。
頻繁に変更されるファイル:既存のファイルが変更されると、そのコンテンツがキャッシュに存在しない場合は、Object Storageから読み取られます。変更されたファイルは、ファイルの新しいバージョン/インスタンスとして、後でアップロードされます。したがって、アップロード/ダウンロード帯域幅の消費、容量の使用率という両方の点から、頻繁に変更されるファイルは理想的ではありません。
Storage Gatewayは、Oracle Cloud Infrastructureのすべてのお客様向けに無償で提供されるサービスです。
Storage Gatewayは、NFSv4プロトコルをサポートしています。
いいえ、現在、Storage GatewayはWindowsオペレーティング環境をサポートしていません。
はい。データのコピーを実行しているNFSクライアントが複製を支援できるか、またはStorage Gateway Cloud Sync機能を使用できれば、Storage Gatewayを使用して任意のストレージからデータを複製できます。
はい、移行可能です。Storage Gatewayのクラウド移行ユーティリティの使用については、オラクルまでお問い合わせください。
いいえ、Storage Gatewayを使用するためにObject Storage APIを使用する必要はありません。お客様に代わって、Storage GatewayがNFSからREST APIへの変換を実行します。
Storage Gatewayでファイル・システムを作成すると、同じ名前のObject Storageバケットが、選択したOracle Cloud Infrastructureリージョンに作成されます。Object Storageバケット内のデータは、お客様に代わってStorage Gatewayが完全に管理します。お客様は、通常のファイル・システム・コマンドを使用して、ローカル・ファイル・システムを操作するだけで済みます。
いいえ、Storage Gatewayは圧縮や重複排除をサポートしていません。
Storage Gatewayのサポートを受けるには、https://support.oracle.com でOracle Supportに連絡してください。
はい、1つのStorage Gatewayインスタンスに複数のファイル・システムを作成できます。ホストが実行されているハードウェアに応じて、1つのStorage Gatewayインスタンスがサポートできるファイル・システムの最大数が決まります。Storage Gatewayインスタンスごとに、作成するアクティブなファイル・システムを5つ以下にすることをお勧めします。最高のパフォーマンスを得るには、各ファイル・システムを専用のStorage Gatewayでホストします。
Storage Gatewayは、ファイル・システムごとに最大1億個のファイルを管理できます。データセットに1億個を超えるオブジェクトが含まれる場合、オブジェクトが複数のファイル・システムに分散されていることを確認してください。
サポートされているファイル・サイズの最大値は、Storage Gatewayで構成されているキャッシュ領域の75%です。ただし、10 TBを超えることはできません。たとえば、Storage Gatewayが1 TBのキャッシュ領域を持つように構成されている場合、サポートされるファイル・サイズの最大値は750 GBです。
Oracle Cloud Infrastructureテナンシ内で使用するためにインストールできるStorage Gatewayインスタンスの数に上限はありません。
ローカル・キャッシュのサイズを的確に設定していれば、無制限の量のデータをObject Storageにアップロードできます。Storage Gatewayファイル・システムのファイル数は1億個を超えることができないことに注意してください。
サポートされている最長のファイル名は255文字です。パスの合計の長さは最大1024文字です。これは、Object Storageのオブジェクト名でサポートされている最大長です。たとえば、/directory1/directory2/directory3/directory4/filename.txtの長さは57文字です。Object Storageのパスでサポートされている最大長は、Linuxファイル・システムでサポートされている最大文字数の4096文字よりも短いことに注意してください。パスが1024文字を超えるファイルまたはディレクトリを作成しようとすると、NFSエラーが発生します。
各ディレクトリのパスの長さが1024文字以下であれば、ディレクトリの数に制限はありません。
1つのディレクトリでサポートされているファイルの数に制限はありません。
はい。Storage Gatewayをオンプレミスにインストールする場合と同じ一般的なインストール手順を使用して、Oracle Cloud Infrastructure ComputeインスタンスでStorage Gatewayを実行できます。
はい、Storage Gatewayはプロキシ・サーバーの背後にインストールできます。プロキシ・サーバーを設定するには、次のコマンドを使用します:
sudo ocisg configure proxy <http_proxy_server> <https_proxy server>
sudo ocisg down
sudo ocisg up
いいえ、複数のStorage Gatewayインスタンスを同じObject Storageバケットに対して実行することはできません。Storage Gatewayは、異なるStorage Gatewayインスタンス間でオブジェクトのロックや一貫性を強制しません。
はい。Storage Gatewayを使用してクラウドにアップロードされたデータは、API、SDK、CLIやコンソールなどのサポートされているOracleツール、またはCyberduckやCloudBerryなどのサード・パーティ・ツールを使用して管理できます。
Storage Gatewayファイル・システムに加えられた変更は、最終的にはObject Storageと一致します。アップロードは非同期で行われ、パフォーマンスを確保するためにバッファリングされるため、Storage Gatewayでのファイルの変更はすぐにObject Storageに反映されない場合があります。
Object Storageバケットに直接加えられた変更は、リアルタイムでStorage Gatewayのローカル・ファイル・システムに反映されません。Object Storageで直接追加または変更したデータを取り込むには、Storage Gateway管理コンソールで「更新」をクリックします。
はい、空でないバケットに対してStorage Gatewayファイル・システムを作成できます。この場合、Storage Gatewayは、バケット内のすべてのオブジェクトのメタデータを、デフォルトのアクセス権と属性で作成します。また、Storage Gatewayは、バケット内のオブジェクトのローカル・インベントリも作成します。ターゲット・バケット内のオブジェクトの数によっては、このプロセスが完了するまでに時間がかかる場合があります。Storage Gateway管理コンソールに、現在の状態を示す進行状況バーが表示されます。
いいえ、Storage Gatewayはハード・リンクやシンボリック・リンクをサポートしていません。リンクを作成しようとすると、NFSエラーが発生します。
はい、Storage Gatewayはスパース・ファイルの作成をサポートしています。ただし、対応するObject Storageオブジェクトは非スパースになり、0x00で埋められます。
いいえ、ファイル・システムを削除しても、クラウドに保存されているデータはそのまま残ります。同じバケットに対応する別のファイル・システムを作成することにより、削除されたデータを再利用できます。
はい、Storage Gatewayからデータを削除すると、Object Storageからデータが完全に削除されます。
Storage Gatewayは、新しいファイルまたは変更されたファイルが閉じる前にそのファイルをアップロードすることはありません。ファイルが閉じられた後、Storage Gatewayは1分間の調整期間を確保してから、アップロードのためにファイルをキューに入れます。
アップロードを保留しているファイルの数によっては、ファイルがObject Storageバケットにアップロードされるまでに時間がかかる場合があります。ファイルのアップロード・ステータスは、Storage Gateway管理コンソールから確認できます。
Storage Gateway 1.2は、統合されたクラウドの同期およびレプリケーション機能を提供し、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageバケットとの間でNASファイルをバックアップおよび複製できます。この新しい機能は、以前のバージョンのStorage Gatewayで使用可能であった、独立したダウンロード可能なクラウド同期化ユーティリティに代わるものです。
Storage Gateway管理コンソールまたはCLIを使用すると、他のエンタープライズNASバックアップ/レプリケーション製品と同様に、同期ジョブを簡単に作成、監視、管理できます。Cloud Syncは、ホスト上のDockerインスタンス内で、Storage Gatewayソフトウェアの一部として実行されます。
詳細については、Storage Gateway Cloud Syncの使用に関するドキュメントを参照してください。
多くのオンプレミス・ファイルをクラウドに移行するお客様は、Oracle Cloud Infrastructure Storage Gatewayを使用してデータを移行できます。Cloud Syncは、ローカル・ストレージからStorage Gatewayにファイルをコピーする方法を提供します。ファイルは、非同期かつ効率的にObject Storageバケットに移動されます。データベースまたはデータのバックアップをローカルNASに保存していて領域を解放したい場合、または古いバックアップをより安価なクラウド・ストレージに移動したい場合、Cloud Syncを使用してこのようなデータ移動を簡単に自動化できます。
はい。ファイル・システムを作成するときに、対応するObject Storageバケットを作成するストレージ階層(標準層(デフォルト)またはアーカイブ層)を指定します。Object Storageの標準層は、高速、即時、頻繁なアクセスが必要なデータの保存に使用されます。Archive Storage層は、頻繁にアクセスされず、長い保存期間が必要なデータを保存するために使用されます。Archive Storageは、コールド・データの保持に関してObject Storageよりもコスト効率が高くなりますが、アクセスする前にオブジェクトを復元する必要があります。
Cloud Syncコピー操作が行われるごとに、選択されたファイルのリスト、ファイルがいつStorage Gatewayにコピーされたか、およびファイルがいつObject Storageに正常にアップロードされたかを知らせる包括的なステータスが提供されます。コピー操作の進行中は、Cloud Syncから、開始時間のタイムスタンプ、経過時間、推定完了時間、同期するファイルの総数/サイズ、および既に同期されているファイルの総数/サイズが通知されます。
ファイル転送が完了すると、Cloud Syncユーティリティがソースとターゲットの場所にあるファイルのチェックサムを比較します。
10 Gb/秒のリンク速度で行ったパフォーマンス・ベンチマーク・テストでは、次の結果が確認されています。
アップロード速度
Storage Gateway 1.2では、お客様の環境内の帯域幅をテストし、想定どおりのアップロード速度とダウンロード速度を実現するために使用できる診断コマンドが提供されています。
詳細については、ネットワーク帯域幅のテストに関するドキュメントを参照してください。
Storage Gatewayでパフォーマンス上のメリットを最大限に得るためのベスト・プラクティスがドキュメント化されていますので、それに従ってください。
Storage Gateway 1.2は、デフォルトでアップロードおよびダウンロードのパフォーマンスが最大になるように調整されています。追加の調整は必要ありません。
十分なメモリとファイル・システムのキャッシュ領域があることに加えて、Storage Gateway環境ではSSDを使用することをお勧めします。Storage Gatewayは、データをOracle Cloud Infrastructureにアップロードするためにキャッシュからデータを読み取る必要があります。バックエンドのメディアが低速な場合、NFSの取り込み速度とそれに伴う全体的なアップロード・パフォーマンスが悪影響を受けます。
FastConnectをStorage Gatewayと組み合わせて使用すると、リンク速度全体を最適に利用できます。10Gb/秒のリンク速度でFastConnectを使用しているお客様の場合、各ゲートウェイでOracle Cloud Infrastructureへのアップロード速度が400〜450 MB/秒であることが確認されています。
詳細については、FastConnectに関するドキュメントを参照してください。