5Gの到来: サービスプロバイダーがオラクルに注目する理由

Oracle Communications、エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャー、Andrew Morawski

テレビをつけても、Webページを開いても、SNSを眺めても、明確なメッセージが伝わってきます—私たちは正式に5G時代に突入しました。どこを見ても、ついに待望のテクノロジーが手のひらに収まる時代が来たことを実感させられます。そしてそれは事実です。5Gは今後も広がり続け、2025年までに全世界で17億件の5G接続が利用されると予測されています。しかしその舞台裏では、通信サービスプロバイダーが長く広範なロードマップを進んでいるのです。

5Gは、私たちの働き方、学び方、コミュニケーションのあり方、そして社会との関わり方を大きく変えていきます。通信サービスプロバイダーは、もはや価格やカバレッジだけでは競争できない新しい市場に備える必要があります。これからは、企業や業界ごとのニーズに応じた高度なサービスとパーソナライズされた体験が求められるのです。密で広範な5Gネットワークは、何十億台ものIoT接続デバイスを高いセキュリティと信頼性のもとで支える必要があります。そのためには、スケーラブルで柔軟なクラウドネイティブのネットワーク・ソリューションとアプリケーションが不可欠です—その多くはまだ存在していないユースケースに備えるためです。

通信サービスプロバイダーは、5Gへの期待に応えることができるでしょうか?

通信業界でキャリアを築いてきた私は、通信事業者側とソフトウェア側の両方の立場から、5Gが単なる構想から世界的な変革をもたらす存在へと進化する過程を見てきました。当初、5Gはまだ製品ではなく、あくまで目標にすぎませんでした。年内に投資回収を迫られるようなプレッシャーもありませんでした。むしろプレッシャーは、「5Gが実現したとき、市場が抱く高い期待に応えられるのか?」という点にありました。

何年もの間、5Gは「投資対象」でした。設計・展開・市場投入にかかる初期コストは高く、即座にROIが得られるものではありませんでした。5Gは「スマートフォンを速くする」だけの話ではありません—それだけでは不十分なのです。通信サービスプロバイダーが最も高いリターンを得られるのは、「新たなサービス開発というイノベーションの可能性」に他なりません。

まさに今、私たちはその分岐点に立っています。通信サービスプロバイダーは次世代モバイルへの投資を強化しています。今問われているのは、こうした新サービスを既存の販売チャネルを通じてどう市場投入していくかということです。さらに、より複雑で高度なネットワークが求められるこれらの新サービスをどうやって提供していくのでしょうか?

既存のビジネスのあり方を見直し、新たな産業の構築を可能にするテクノロジー、そしてそうしたビジネス・チャンスを市場に送り出すクラウドベースのネットワークが持つ柔軟性、さらにそれによって生まれるビジネス価値こそが、今後の通信市場における最大の成長源となるのです。

オラクルの通信業界向けの取り組み

オラクルは、重要な通信ソリューションにおける世界で最も信頼されるパートナーを目指し、新たなつながり方を求める世界中のニーズに応えています。私たちは、Communicationsチームおよび「Oracle Cloud for Telcos」という全社横断イニシアチブを通じて、通信業界における深い専門知識、幅広いアプリケーション群、そしてIT、ネットワーク、および企業のワークロードを支える高性能なクラウド・ソフトウェアおよびインフラを提供しています。オラクルを活用することで、通信業界の企業はクラウド向けに構築されたセキュアなネットワークとアプリケーションを通じて、市場をリードし続けることができます。私たちは、世界中の通信サービスプロバイダーがネットワークを自動化し、データ主導のパーソナライズされたカスタマー・エクスペリエンスを提供し、IoTやエコシステムに基づく新たなビジネス・モデルで収益を拡大できるよう支援しています。

オラクルの業界固有の専門知識と長年のクラウド実績により、事業者は5Gサービスへのスケーリング・適応のみならず、新たなサービスの迅速な収益化と提供、そしてクラウドへの移行を実現できます。私たちは、ネットワークのスケーリング、サプライチェーン業務の効率化、人材採用を支えるプラットフォームの整備など、あらゆるビジネス課題への対応を支援しています。2021年だけを見ても、オラクルのクラウドネイティブ・コアが、DISH Wirelessによる米国初の5Gネットワーク展開を支援し、新たな産業・企業向けユースケースの迅速な展開を可能にしました。Vodafone Businessでは、卸業者、企業、パートナー向けの多様なIoTサービスを収益化するために、オラクルの課金・収益管理ソリューションが活用されています。Oracle Cloud Infrastructure上で稼働することで、Vodafoneは顧客ニーズに合わせたスケーリングと、ITの俊敏性向上を実現しています。またオランダの通信事業者KPNでは、財務、サプライチェーン・マネジメント、人事管理の業務を効率化するために、Oracle Fusion Applicationsが活用されています。

オラクルの製品とサービスの全ポートフォリオを通じて、私たちは世界中の大規模かつ高度な通信サービスプロバイダーがサービスをより迅速に市場投入できるよう支援しています。5Gとクラウド技術を通じて通信事業者に「接続のその先」をもたらし、ビジネスに長期的なインパクトを与える—その次世代モバイル技術の転換点において、オラクルが重要な役割を果たすことに関われることを誇りに思います。