Assure1:リアルタイム・ネットワーク・フェデレーションがユニバーサル・トポロジとNOC変革を実現

プロダクト・マネジメント・ディレクター、Drew Golden

ソフトウェアによって実現されるネットワーク(SDN/NFV)は、クラウドネイティブ並みの自動化と運用コストの未来を約束しています。しかし、現実のネットワークは依然として以下のような要素が混在しています。

  • 物理/仮想/ハイブリッドのネットワーク
  • 分断されたフルフィルメントと保証プロセス
  • 複雑で重複する技術ドメイン
  • 高頻度の手作業による介入

さらに、レガシーから次世代への「ビッグ・バン」型のIT運用変革は、過去にたびたび失敗しています。では、問題のある変革を一夜にして強行することなく、企業はますます複雑化する環境にどう適応すべきなのでしょうか?この課題について考えてみましょう。

フェデレーション—フェールセーフな変革への道

フェデレーション(既存のデータとシステムの集約)は、ネットワークの変革と自動化を段階的に進めるアプローチの実現要因であり、その取り組みを成功に導く鍵となります。これにより組織は全体を俯瞰できる統一ビューを得ることができ、AI/MLがそこから真に学習し、有用なインサイトを提供できるようになります。

ネットワークの状態、サービス保証に関するデータ、およびそのプロセス状況をフェデレーションすることで、AI/MLの本格的な活用が可能となり、最終的にはネットワークとサービスの完全自動化されたクローズドループ制御を実現します。

Federosは、SNMPトラップやストリーミング・テレメトリなど、デバイスから取得したデータと既存の管理システムのデータをリアルタイムでフェデレーションするためのプラットフォームを提供します。これはAI/MLによる保証インテリジェンスの基盤となり、ネットワーク保証と分析の変革を促進するものです。

ネットワーク可視性のギャップを解消する鍵

Federosは、変化する技術市場の状況に注目し、世界有数のネットワーク運用センターと密接に連携しています。情報を迅速に統合・処理する必要性は、すべてのネットワーク運用チームの成功にとって不可欠ですが、買収などによって統合されたネットワーク・インフラは、単一のネットワーク運用センターにまとめられることで次のような課題を生み出します。

  • ネットワーク可視性の大きなギャップを引き起こす
  • スイベルチェア運用(複数システム間を行き来する複雑な運用)で事業者の負担を増大させる
  • 生産性の低下を招く
  • コストの増加を引き起こす

ネットワーク・フェデレーションの主要なユースケースは、可視性とユニバーサル・トポロジです。

常時稼働・常時接続が当たり前の世界では、ダウンタイムは許されません。したがって、障害が発生すれば、事業に大きな打撃を与えます。ネットワーク運用チームが広範なトポロジの不確実性に直面し、トラブル・シューティングに苦慮することで、顧客のダウンタイムはさらに悪化します。

あるTier1通信事業者では、1人の顧客の問題を特定するだけでも、技術者が複数のドメインのインベントリシステムをまたいで手作業でトポロジを結び付けるのに数時間を要していました。しかし、それはAssure1導入前の話です。

Assure1のユニバーサル・トポロジ・エンジンは、共通オブジェクト・モデルと連携することで、複数の独立したネットワークを統合的にフェデレーションし、一貫性のある拡充されたデータ・オブジェクト・モデルを維持します。

Assure1のGraph Stitcherによる動的取り込みは、変化するトポロジ全体をリアルタイムで把握し、ドメインをまたぐレイヤーを自動的につなぎ合わせることで、NOC技術者が顧客のネットワーク・スライスをエンドツーエンドでシームレスに可視化できるようにします。

たとえば、同一キャリア・ネットワークの異なる部分をカバーする4つのデータソース(上部)をシームレスに結び付けることで、統合されたフェデレーション・ビュー(下部)を実現できます。

Assure1のUniversal TopologyTMは、拡張可能なデータ・モデルと表示モデルの間に論理的な分離を設けているため、Federosはカスタム・トポロジ表示において独自の機能を提供します。

その鍵となるのが、デバイスや経路に追加属性を付加することです。追加属性の例:

  • Customer ID(顧客ID)
  • Weighted Path(重み付き経路)
  • Costed Path(コスト付き経路)
  • Region(リージョン)
  • Circuit ID(回線ID)
  • Point of Presence(PoP)
  • CLLI Code(CLLIコード)
  • OSI Layer(OSIレイヤー)

Assure1のGraph Stitcherがこれらの追加属性をトポロジ・データ・モデルに取り込むことで、顧客は高度にカスタマイズされた表示モデルを構築できるようになります。

標準グラフ表示モデル → 属性付きのカスタム・グラフ表示モデル

拡充されたトポロジ・データにより、Assure1ユニバーサル・トポロジは以下のような表示が可能になります。

  • 最小重みの経路
  • 最小コストの経路
  • すべての経路

さらに、Assure1は障害管理、パフォーマンス管理、ルーティング情報も収集しているため、BGPルートに基づいたトラフィックのライブフローを示す「究極の」表示が可能になります。これらの表示では、ネットワーク上のどの経路にパフォーマンスの問題があるかを黄色または赤で可視化できます。

以下は、通信事業者ネットワークを通る顧客回線経路の一例です。顧客からパフォーマンスの問題が電話で報告されました。論理的な顧客回線を完全に可視化でき、かつAssure1がこのネットワークを完全に管理しているため、BGPルーティングの問題箇所を以下のように特定できます。復路が冗長経路にフェールオーバーしていますが、その冗長経路にパフォーマンスの問題が発生しており、黄色で強調表示されています。