Oracle Cloud 顧客事例

メールのクリック率を7倍、
PDCAサイクルを2分の1に向上
NECが導入した
マーケティング・オートメーション

 

2000年代初頭からデジタル・マーケティングに注力してきたNECは、社会ソリューション事業におけるB2Bビジネスの拡大を後押しすべく、その実践レベルを一段上に進化させる変革に乗り出した。これまで手作業に依存してきたデジタル・マーケティングの基本的なオペレーションの自動化に向けた取り組みである。見込み顧客へのメール配信のCTR(クリック率)を7倍以上に高め、PDCAサイクルを2分の1に速めたほか、デジタル・マーケティングに対する考え方そのものも洗練化させる効果をもたらした。

ブランディングから新たなデマンドの創出まで一気通貫で担う

フィールドマーケティンググループがあるNEC本社ビル

 NECは現在、「Orchestrating a brighter world」をブランドステートメントとする社会ソリューション事業に注力している。「地球との共生」「安全・安心な都市・行政基盤」「安全・高効率なライフライン」「豊かな社会を支える情報通信」「産業とICTの新結合」「枠を超えた多様な働き方」「個々人が躍動する豊かで公平な社会」の七つのテーマのもと、ICTの力で新たな社会価値を創造するというものだ。

 NECのコア技術であるネットワークとコンピューティングを活かしたビッグデータ分析、ワークスタイル変革、デジタル・マーケティング、サイバーセキュリティ対策など、多岐にわたるソリューションを、この新たな基軸から展開していく。

 そうした中でNECが自らの変革として2015年度から進めているのが、主力のB2Bビジネスの拡大を後押しするデジタル・マーケティングの実践だ。顧客との接点を統括するCRM本部の中で、デジタル専門のフィールドマーケティンググループを強化した。「Web、メール、SNSなどの多様なチャネルを駆使してお客様とダイレクトにコミュニケーションを重ね、ブランディングから新たなデマンドの創出まで一気通貫で担っていきます」と話すのは、同グループのシニアマネージャーを務める東海林直子氏である。

 もちろんNECにとって今回が、デジタル・マーケティングに向けた初めての取り組みではない。2001年より独自システムで顧客データ管理を開始。2009年からは、テレマーケティング機能を強化し、リード(見込み顧客)獲得やナーチャリング(育成)を目的とした顧客のプロファイリングとスコアリング、さらにその評価に基づいたキャンペーンなどを積極的に展開してきた。

 ただ、これまでの一連の取り組みの中でNECは、ある種の“限界”を感じていた。NECでは、以前はデジタル・マーケティングの基盤としてSFA(営業支援システム)をベースとしたクラウド型アプリケーションを利用していた。しかしながら、肝心な顧客データのマッチングや集計、スコアリングといった基本操作のほとんどは手作業に依存していたのだ。

見込み顧客を多様な視点で評価するスコアリング機能を活用

 手間がかかれば、必然的に施策を展開するまでにも時間がかかる。データの見落としなどのヒューマンエラーも避けられない。フィールドマーケティンググループの主任である寺尾晃一氏は、次のように振り返る。「お客様がせっかく“ホット”な状態になっていたにもかかわらず、変化に気づかないまま放置しているうちに購買意欲がすっかり冷めてしまい、みすみすチャンスを逃してしまったケースは少なくなかったと思われます」。鉄は熱いうちに打ってこそのマーケティングだ。

 そこでNECでは、マーケティング・オートメーションに着目し、従来のやり方を抜本的に見直すことになった。候補となったいくつかのソリューションの中からNECが最終的に選んだのは、オラクルのマーケティング活動支援クラウド「Oracle Marketing Cloud」である。

 「搭載機能を○×で評価した一覧表を作って見比べても、各ツールにほとんど差はありませんでした」と東海林氏は語る。では、NECはOracle Marketing Cloudのどこに魅力を感じたのだろうか。寺尾氏によるとそれは、「一人の見込み顧客に対して、視点が異なる複数のスコアリング(確度の設定)をクロスで行うことができる仕組み」である。

 1人の顧客に対して、特定の商材のみを単発でリコメンドするのであれば、当然のことながらスコアリングは一つで十分だ。ところがNECが新たな社会価値創造に向けて提供しているソリューションは複数の商材から構成されており、商材ごとに異なる組織が関わっている。誰かが設定したスコアに全員の意見をすり合わせるなど不可能に近い。これに対してマルチのスコアリングを行えるOracle Marketing Cloudでは、例えば複数のキャンペーンを横並びにし、多角的な視点から優先すべき施策や商材を見極めるといった、トータルな評価を行うことが可能となる。

 加えてOracle Marketing Cloudの入力フォーマットは、IT部門に頼ることなくユーザー自身がスコアを変更することも可能だ。「キャンペーンの最中でも動的にスコアを見直しながらPDCAを回すことでできるのは、ほかのツールにはないOracle Marketing Cloudのアドバンテージです」と寺尾氏は強調する。

PDCAのリードタイムは1/2でCTRは約7倍

 これまで手作業で行っていたデジタル・マーケティングの基本的なオペレーションを自動化したことで、キャンペーンなどの企画から施策の展開までに要するリードタイムは1/2以下に削減された。また、より確度の高い見込み顧客に対してタイミングを逃さないメール配信が可能となった。「Oracle Marketing Cloudの利用前と比較し、CTRは約7倍に向上しました」と東海林氏は語る。

Oracle Marketing Cloud の「Campaign Canvas」機能の画面例
キャンペーンのフロー管理も簡単に設定できる

 こうした定量的な効果もさることながら、より重要なOracle Marketing Cloudの導入効果として捉えられるのは、NECにおけるデジタル・マーケティングに対する考え方そのものが大きく変わり、より洗練化されたことだ。

 「以前はキャンペーン単位のナーチャリング成果にこだわりすぎて、加点方式のスコアリングを行っていました。しかし、実際にはお客様は何もキャンペーンだけに反応しているわけではなく、様々なルートで私たちのコンテンツにアクセスしています。そうしたお客様の行動をトータルに評価して関心や興味の変化を読み取らなければ意味がないことが、試行錯誤を繰り返す中から見えてきました。そして現在は、Oracle Marketing Cloudに実装されたグローバル標準のベスト・プラクティスにもっと学んでいこうという流れになっています」と東海林氏は話す。

 もっとも、解決しなければならない課題も数多く残っている。例えばデジタル・マーケティングで獲得したリードから具体的なアクションを起こし、商談化や受注に結びつけていくためには営業部門との連携が欠かせない。現時点では、お互いの意識にまだまだギャップがあるのが実情だ。「営業部門にもっと耳を傾けてもらうためには、『最近の行動パターンからも、このお客様は確実に高い興味を持っています』と力強くお勧めすることが重要です。より多くのデータを蓄積し、ノウハウを磨き、自信を持って言い切れる実力を身につけたいと思います」と寺尾氏は語る。

 そして、その先に見据えているのが、標準化されたデジタル・マーケティングのグローバル展開だ。「リード獲得やナーチャリングだけでなく、その後の商談のトラッキングなども含め、あらゆるデジタル・マーケティングの機能やプロセスをグローバルで標準化することを目指し、まずはアジアを中心とした地域から展開を始めていく計画です」と東海林氏は構想を示す。

 NECの海外における社会ソリューション事業のさらなる拡大に向けて、デジタル・マーケティングのパワーが大きく貢献していくに違いない。

【関連情報】
>> オラクルのマーケティング活動支援クラウド(Oracle Marketing Cloud)
>> デジタル・マーケティングの複雑性を解消

※本記事は、nikkei BPnet特番サイト「Digital Transformation」に掲載された記事です。

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