Joseph Tsidulko | コンテンツ・ストラテジスト | 2024年1月30日
組織内の異なる部門や部署がデータ・システムを個別に調達および管理する場合、データ・サイロが作られることがよくあります。データ・サイロは、それを作成した事業部門の役に立つ情報のリポジトリですが、そこに保持されているデータからメリットを得られる可能性がある他のチームはアクセスできません。たとえば、営業チームが収集および管理しているデータがサイロ化されると、製品開発部門、人事部門、ロジスティクス部門によるアクセスが遮断されます。
データ・サイロは、大規模な組織に悪影響を及ぼす可能性があり、チームがコラボレーションしづらくなったり、計画担当者がさまざまな業務データを分析してインサイトを獲得するのが困難になったり、ビジネス・リーダーによる監視に支障が出たりします。また、サイロはデータソースを断片化するため、ビジネス・データの品質が損なわれ、貴重な情報が失われたり、情報の取得や使用が困難になったり、時間がかかったりする可能性が高くなります。
これらのことからわかるように、データ・サイロは、組織全体のすべての部門が利用でき、頼ることができる、一元的で信頼性の高いデータ・リポジトリを正確で欠落や重複のないものにしようとしている組織にとって障害となります。業務、財務、人材要件、サプライチェーン、顧客行動などビジネスのさまざまな側面を把握するには、単一の統合データ・リポジトリが必須です。
しかし、適切なデータ管理戦略とテクノロジーがあれば、サイロの解消には、かつてほど時間とコストがかかりません。
データ・サイロは、組織内の他のシステムから切り離されたデータ・リポジトリです。この分離の原因は、アプリケーションやデータ・システムが同じ会社で使用されている他のアプリケーションやシステムと通信できるように設計されていないという技術的な問題にある可能性があります。または、異なる事業部門が相互に情報を共有するように構成されていないという組織的な問題である可能性もあります。
企業文化がしばしば原因になります。さまざまな部門の独立した運営や部門間の競争を奨励する文化が、データ・サイロの発生を促進する可能性があります。また、データ・サイロは、企業を買収した際に、その企業が独自のレガシー・システムや運用方法を持ち込むことによって生じることもよくあります。
それを作成する理由が何であっても、データ・サイロは、さまざまな形でビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。また、さまざまな部門が連携したり、計画担当者がデータドリブンの戦略を策定したり、データ・サイエンティストがビジネス・インテリジェンスを提供する最新の分析手法を適用したり、企業のリーダーが十分な情報に基づく意思決定を行うために顧客と事業の全体像を把握したりすることが困難になります。さらに、サイロが増加すると、データの重複、競合、欠落、または不完全なデータが発生する傾向があります。
AIをビジネスに活用するには、統合的なデータが不可欠です。CIOがデータ・サイロを解消したら、その取り組みを活用するAIプログラムをいよいよ立ち上げます。
データ・サイロは悪影響を及ぼしますか。
データ・サイロは、組織に悪影響を及ぼします。たとえば、さまざまな部門や部署がコラボレーションするのが難しくなったり、企業のリーダーが業務や財務について包括的に可視化できなくなったり、計画担当者が包括的なデータを分析して効果的なビジネス戦略を実施するのが困難になったりします。人事データと財務データがサイロ化されて、営業組織からアクセスできない場合、地域の営業リーダーはそのデータを簡単に使用できなくなるため、給与、コミッション、旅費、および交際費を考慮して営業担当者の生産性を適切に評価することができなくなります。また、サイロによって重複が促進されるため、データが古くなったり不正確になったりする可能性が高くなります。
データウェアハウスとデータ・サイロの違いは何ですか。
データウェアハウスは、組織がさまざまな部門や部署からデータにアクセスできるようにするために構築した、一元化されたデータ・リポジトリです。部門や部署は、このリポジトリを使用して、たとえば、分析を実行し、より十分な情報に基づく意思決定を行うことができます。データ・サイロは、分離されたリポジトリであり、組織全体でデータを共有することが困難または不可能になります。
データ・サイロの対極に位置するものは何ですか。
サイロの対極に位置するものは、部門や部署間でのデータ共有を容易にするすべてのシステム・アーキテクチャです。これらのアーキテクチャは、非構造化データを格納するデータレイクや、高度に構造化されたデータを格納するデータウェアハウスなど、一元化されたリポジトリの形式を取る可能性があります。または、異なるデータ・システムを通常リアルタイムで橋渡しするコネクタもそのようなアーキテクチャに含まれます。これらのコネクタを使用すると、データ変換の作業を簡素化でき、分析に使用するデータの適時性を確保できます。