このラボでは、Oracle VM VirtualBox用のOracle Solaris 11.4イメージをインストールする方法を学びます。これはOracle Solaris 11.4の運用を開始する最も簡単な方法です。

2015年4月公開
2023年5月更新

前提条件

これはOracle Solaris 11向けのラボ・シリーズの最初のラボです。このシリーズのすべてのラボに共通する前提条件は、次のとおりです。

  • オペレーティング・システム: Windows、Mac OS X、Linux、またはx86上のOracle Solaris
  • メモリ: 4GBのRAM

以下がインストールされていることを確認してから、ラボを開始してください。

また、BIOSでハードウェアの仮想化サポートを有効にしておく必要もあります。これらの機能はOracle Solarisで使用されます。

演習1: Oracle VM VirtualBox用のOracle Solaris 11 VMのダウンロード

Oracle Solaris 11.4 Oracle VM Template for Oracle VM VirtualBoxという名前のテンプレート(仮想マシン(VM))をダウンロードします。

このページには、Oracle Solarisのメイン・ダウンロード・ページからアクセスできます。

演習2: Oracle VM VirtualBoxへのOracle Solaris 11.4 VMのインポート

  1. 1. Oracle VM VirtualBoxを起動します。
  2. 2. 「ファイル」>「アプライアンス・インポート」を選択します(このラボでは、Macでのスクリーン・ショットを示しています。PCでは画面が若干異なる場合があります)。
図1. インポートするアプライアンスの選択

図1. インポートするアプライアンスの選択

Oracle Solaris 11.4 VMをダウンロードした場所に移動し、選択します。図1ではOVF形式が表示されていますが、ダウンロードされるファイルは.ovaファイルで、アーカイブ全体であることを意味します(OVF.xmlを含む)。「続ける」をクリックします。

  • 3. VMをインポートする前に、メモリ設定を確認します。
図2. アプライアンス設定画面

図2. アプライアンス設定画面

下にスクロールして、イメージに割り当てられているメモリ量を確認します。Oracle Solaris 11.4には、4GB以上のメモリが必要です。

図3. 割り当てられているメモリ量の確認

図3. 割り当てられているメモリ量の確認

  • 4. 「インポート」ボタンをクリックします。

演習3: Oracle Solaris 11.4 VMの起動

この演習では、Oracle Solaris 11を初めて実行し、その機能について基本的な理解を深めます。

  • 1. Oracle Solaris 11.4 VMを選択し、「起動」というラベルの付いた緑色の矢印をクリックします。
図4. VMの起動

図4. VMの起動

最初の起動時に、システム構成ツールが実行され、以降の手順について説明を記載した上で、システム情報を入力するよう求められます。インストール中は、VMとホストOSをアクティブに切り替える必要があることに注意してください。Oracle VM VirtualBoxでは、この操作について説明するウィンドウが開きます。VMの起動後は環境が統合されるため、マウス・ポインタをVM上に移動すると入力内容がすべてVMに送信され、マウス・ポインタをVM以外に移動すると、それ以降の入力内容はホストOSに送信されます。

図5. システム構成ツールの最初の画面

図5. システム構成ツールの最初の画面

  • 2. F2キーで画面を切り替えながら、まず次の操作を行います。
    • - リージョンを設定する
    • - 国を設定する
    • - タイム・ゾーンを設定する
  • 3. 次の画面で、システム名の入力を求められます。
  • 4. 3番目の画面では、ネットワーク設定の入力を求められます。「自動」を選択します。
  • 5. 次に、時刻を設定するための3つの画面が表示されます。
  • 6. 日付を設定します。
  • 7. キーボードを選択します。
  • 8. パスワードを設定します。ユーザー・アカウント情報とrootパスワードの両方を入力してください。このユーザー・アカウントを使ってログインします。
図6. ユーザー・アカウントとパスワード情報を入力する画面

図6. ユーザー・アカウントとパスワード情報を入力する画面

  • 9. 次に、Oracle Configuration Managerを有効化するための2つの画面(「phone home」機能)が表示されます。My Oracle Supportの認証情報(電子メール・アドレスとパスワード)を入力しない限り、このデータ収集機能はアクティブ化されません(特定のユーザー情報は収集されず、オラクルは収集されたデータをお客様の個人情報として取り扱います)。
  • 10. 最後に、サマリー・ページが表示されます。
図7. サマリー画面

図7. サマリー画面

  • 11. F2キーを押し、指定した構成を適用したら、Oracle Solarisで構成/ブート・プロセスが完了します。
  • 12. 上記のステップ8で設定したユーザー・アカウントを使用してOracle Solarisにログインします。

この例では、構成ステップ中にユーザー「demo」を作成したため、そのアカウントにログインします。

図8. ログイン画面

図8. ログイン画面

  • 13. ログインすると、ユーザーのデスクトップには背景だけが表示されます。コンピュータ画面のようなアイコン(Oracle VM VirtualBoxウィンドウの上部バー左側)をクリックして、ターミナル・ウィンドウを開きます。
図9. ターミナル・ウィンドウを開いた状態

図9. ターミナル・ウィンドウを開いた状態

  • 14. 開始するには、ターミナル・ウィンドウでコマンドpkginfo -l SUNWvboxguest を実行して、Oracle VM VirtualBoxパッケージを調査します。
図10. Oracle VM VirtualBoxパッケージの調査

図10. Oracle VM VirtualBoxパッケージの調査

Oracle Solaris Guest Additionsパッケージにより、ホストOSとOracle Solarisがより緊密に統合されます。たとえば、この2つのオペレーティング・システム間でテキストを切り取って貼り付けることができます。Oracle Solarisを全画面モードにすることもできます。これを実行するには、「マシン」>「前画面にスイッチ」を選択します。

全画面モードを終了させる最も簡単な方法は、マウス・カーソルを画面下部の中央に移動し、メニューを表示することです。

  • 15. 次に、次のコマンドを入力します。

zfs list

これにより、作成されたすべてのプールおよびサブプールに関するデータが出力されます。このシステムで使用されているプールは1つだけなので、 zpool(1M)コマンドでrpoolを確認したほうが、簡単に情報を取得できます。

zpool list rpool

図11. すべてのプールとサブプールに関するデータの一覧表示

図11. すべてのプールとサブプールに関するデータの一覧表示

  • 16. sudo(1),を定期的に使用する場合は、次のようなコマンドを入力し、demoアカウントのパスワードを入力できます。

sudo cat /etc/sudoers

これにより、rootユーザーとして実行する権限が5分間付与されます。デモ・アカウントのユーザー属性は/etc/user_attr.にあります。ファイルの内容を見ると、デモ・ユーザーの作成時にtype=root.ロールが付与されていることがわかります。そのため、root権限で操作できます。

演習4: スナップショットの作成

ご使用の環境のスナップショットを作成する方法は2つあります。1つ目は、VM向けの従来のメカニズムを使用する方法です。後で保存された状態から起動できるように、そのマシンのすべての情報をキャプチャします。これにはローカル・ファイル・システムのスナップショットが含まれます。

スナップショットを作成するには、VirtualBoxメニューから「マシン」>「スナップショットの取得」を選択します。スナップショットに名前と、任意で説明を入力します。

図12. スナップショットの作成

図12. スナップショットの作成

もう1つは、ZFSの機能を使用する方法です。これは2通りの方法があります。システム管理者用の方法とユーザー用の方法です。

システム管理者(SA)の場合

スナップショット(ブート環境 [BE] と呼ばれる)を作成するには、 beadm(1M) コマンドを使用します。BEには、Oracle Solarisの動作に必要なすべてのファイルが含まれています。

たとえば、現在のOracle Solaris環境のスナップショットを作成するには、次のコマンドを実行します。

# beadm create

スナップショットが作成されたら、SAは、新しいパッケージの追加など、Oracle Solaris環境に影響を与える何らかのアクションを実行します。万一、このアクションによって問題が発生した場合、SAはsafety-net-beを指定して再起動し、既知の動作状態に戻すことができます。

月次のサポート・リポジトリ更新のインストールなど、パッケージを更新する場合、通常はブート環境が自動的に作成され、パッチは実行中のシステムではなく、そのBEに適用されます。その場合、更新が完了すると、SAは更新済みのOracle Solaris環境を含む、作成されたばかりのBEで再起動します。テスト後にSAが更新結果に満足できない場合は、更新前の状態で簡単に再起動できます。

BE(現在のOracle Solaris環境のコピー)の作成は非常に高速なプロセスであり、ZFSの主な機能の1つを示しています。最初にコピーされるのは、データ・ブロックそのものではなく、主にファイル・システム内のデータ・ブロックへのポインタです。時間の経過とともに、現在のOracle Solaris環境が変化するにつれて、ブロックの書き換えが必要になる場合があります。以前に作成されたBEによって参照されているブロックの古いバージョンは更新されず、更新されたデータを含む新しいブロックが現在のBE用に作成されます。BEは作成が高速であるだけでなく、ストレージの観点からも非常に経済的です。これはコピー(つまり現在のBE)には、元の環境と異なるブロックのみが含まれるためです。時間の経過とともに変更が加えられ、新しいブロックが変更、追加、または削除されると、スナップショットは大きくなります。ZFSスナップショットは高速で効率的ですが、システムのOracle Solaris部分(たとえば、パッチ適用可能なもの)のスナップショットにすぎません。そのため、 /export/home などのユーザー・ディレクトリはスナップショットには含まれません。ただし、ZFSスナップショットは、システム・ソフトウェアに変更を加える際に非常に役立ちます。簡単な再起動だけで、以前の環境に戻ることができるためです。

次回の再起動時にアクティブにするBEを選択する方法や、その他の各種管理アクションについては、 beadm(1M)のmanページを参照してください。

ユーザーの場合

どのような本番環境でも、バックアップは定期的に作成されます。各ユーザーは、ユーザー・データのスナップショットを作成できる機能であるタイム・スライダを使用して、この動作を補完できます。タイム・スライダには、デスクトップから「システム」->「管理」->「時間スライダ」を選択することでアクセスできます。

まとめ

ここでは、ごく簡単な概要を示しました。これで、Oracle Solaris 11が持つ数々の優れた機能について学び始めることができる環境が整いました。また、前述のスナップショット機能によって、既知の正常な状態にいつでもロールバックできるため、失敗することを心配する必要はありません。

VMを停止する準備ができたら、画面の左上隅にある「システム」をクリックします。このメニューから、システムをシャットダウンできます。

こちらもご覧ください

Oracle Solaris 11およびこのラボで使用されているテクノロジーの詳細については、「Oracle Solaris 11に向けた最初の一歩を踏み出す」を参照してください。

著者について

Jeff McMeekinは、Oracle Solarisのプロダクト・マネージャーです。