新入社員の皆さん、ご入社おめでとうございます。
今年は日本オラクル創業40周年、東京証券取引所への上場から25周年という、大きな節目の年です。この記念すべき年に皆さんを新しい仲間として迎えることができ、心から嬉しく思います。
日本オラクルは現在、「日本のためのクラウド」と「お客様のためのAI」の2つの方針を柱として、お客様と社会の持続的な成長を支援しています。こうした取り組みをさらに進めるために、昨年4月、今後10年間で日本国内に累計80億ドル以上を投資することを発表しました。この投資を通じて国内のクラウド・AI事業を拡大し、サポートや運用体制を強化することで、お客様やパートナー企業がデジタル主権要件にしっかり対応できるよう支援していきます。
具体的な取り組みとして、まず「日本のためのクラウド」については、日本のデータ主権・運用主権の要件に対応する専用クラウドサービス「Oracle Alloy」があります。これは、「クラウドサービスはどこに設置されていても同じ技術的な価値を提供すべき」という考えのもとに開発されたクラウドサービスです。
また、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」は、政府・自治体システムのモダナイゼーションを目的としたデジタル庁のガバメントクラウドの対象サービスです。和歌山市様、愛媛県宇和島市様がOCIの採用を決定、群馬県富岡市様は基幹システム群を、OCIを基盤としたガバメントクラウド上で稼働しています。クラウドの提供にとどまらず、政府・地方公共団体の職員や支援パートナーを対象としたリスキリングや人材育成プログラムを国内で展開しています。
一方、「お客様のためのAI」の取り組みでは、AI技術が急速に進化する中、企業は新たなビジネスチャンスを掴んでいます。しかし、AIを自由に活用できる企業は、まだ一部の大手企業に限られているのが現状です。オラクルは、多くの企業がAIを簡単に導入・活用できるよう、企業ごとのデータやビジネスプロセスに最適なAIソリューションを提供しています。また、生成AIの導入により、従来は数年かかっていた新機能の開発を数週間で行えるようになり、お客様のビジネススピードを飛躍的に向上させています。
生成AIの時代だからこそ、新入社員の皆さんには柔軟な発想力と豊かな想像力を発揮し、AI技術を最大限に活用して、日本のグローバルな存在感を高める新たな価値を生み出していくことを期待しています。
さらに、オラクルが重視しているのは環境や社会への持続的な貢献です。私たちの事業は単にビジネスの成果を出すことにとどまらず、環境保護、持続可能な経済成長、社会課題の解決にも積極的に関わっています。オラクルのテクノロジーは、お客様が環境負荷を軽減し、循環型経済を促進し、社会的価値を創出するための支援となっています。
最後に、私が毎年、新入社員の皆さんに伝えているメッセージを紹介します。それは、オラクルの創業者ラリー・エリソンの言葉です。「新しい技術への挑戦というリスクを取らない方が、実はリスクは大きい。何もしないことこそが一番大きなリスクになる」。そして、「絶えず変化する世界で重要なのは、動き続ける目標(ムービング・ターゲット)を持ち続けることだ。実験を繰り返し、挑戦を恐れず、常識や現状に疑問を持ち続ける勇気が大切だ」。皆さんも、ぜひ新しい挑戦に積極的に取り組み、自分自身の可能性を広げてください。
これからの日本オラクルを創り、未来をリードしていくのは、まさに皆さんです。共に挑戦し、共に成長し、お客様から信頼される「真のテクノロジー・アドバイザー」として、日本オラクルをさらに発展させていきましょう。