Oracle ACEってどんな人?世界基準のトップエンジニアにインタビュー
《第1回:山岸賢治氏》アウトプットが自分のスキルを磨く。
それがOracle ACEの意義だと思う。

ワールドワイドに認定される「Oracle ACE」は、日本にわずか14人しか存在しないスーパー・エンジニアだ。彼らはそれぞれ多忙な毎日を送りながら、エンジニア向けの著作、OTNやブログへ の技術記事の投稿、カンファレンスでの講演など、オラクル技術者のコミュニティをサポートする多彩な活動を行っている。本連載では、4人のOracle ACEのインタビューを紹介していく。
第1回目は山岸賢治氏。その方面では知らない者のいない"SQLスペシャリスト"にご登場いただいた。(編集部)

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Oracle ACE
山岸賢治氏
US-OTNでは「Aketi Jyuuzou」、OTN-Japanのフォーラムでは「明智重蔵」のハンドルネームで活躍中。
Oracle SQLパズル」を運営。

■論理に綻びがないSQLのおもしろさにハマる

私は、現在ソフトウェアの会社で、ソフトウェアの開発・製造を担当しています。業務としては要件のヒアリングからスケジュール管理、設計、製造、テストなどの工程を担当しています。

10年ほど前、帳票作成の仕事をまかせられることになりました。それはMicrosoft Office AccessとOracle Databaseで動いているシステムで、それがOracleとの出会いですね。わりと複雑な帳票で、Access側で処理するのでは動作が重くなってし まうことから、Oracle Databaseで作成しようということになり、SQLで処理しようということになりました。しかし、初めてのことでSQLについての技術も知識も不足し ており、いろいろ調べてみたのですが、なかなか有益な情報もなくて。

そのプロジェクト自体はなんとか終わらせることができたのですが、自分で調べたSQLに関する情報をまとめておこうと思って、プライベートで「Oracle SQLパズル」というサイトを立ち上げました。2005年9月のことです。

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 山岸氏の運営するサイト「Oracle SQLパズル」。姉妹サイトも含め、その膨大な情報量には圧倒される。

 もともとはコンテンツが10個くらいのサイトだったのですが、いろいろなサイトを見ていくと、自分の知らないものがたくさんあって、SQL自体が おもしろいなと思いはじめ、半ば趣味のようになってしまったというのが現状です。仕事で参照することもあるし、自分用のSQLに関するポータルのような位 置づけですね。US-OTNから引用しているもの多いのですが、基本的には自分で解いたものしか載せていません。

自分のためにまとめたもので、人に見てもらうことはほとんど想定していませんが、このサイトがOracle ACEに認定していただいたバックグラウンドになっていることは確かですね。

私は詰め将棋が好きで、それは王将を最短手で詰ませるという目的が明確で、論理構造に曖昧な点が一切ないところが性に合うと思っているのですが、SQLにも同じようなおもしろみを感じています。

■アウトプットを前提にした勉強は学習効率が高い

私がOracle ACEの制度を知ったのは、まだOTN-Japanでの募集が始まる前、2008年頃のことだったと思います。

SQLのサイトを運営していたし、以前からWebマガジンに技術記事を執筆したり、US-OTNやOTN-JapanなどのフォーラムでSQL関連の質 問に回答を寄せたりしていたので応募条件は満たしているだろうと。それに、あわよくばサイトの訪問者が増えるかなという邪な気持ちもあり(笑)、 Oracle USに英語でプレゼンテーションを書いて応募してみました。認定されたのは2008年6月でした。日本人としては2人目だったようです。

Oracle ACEになってよかったこと...こういう場に呼んでいただけるようになったことかな(笑)。それと、OTN-Japanに署名記事が掲載されたときに、ACEアイコンが表示されるのは、ちょっと誇らしい気持ちになりましたね、もう馴れてしまいましたが。

Oracle ACEの認定条件には「Oracleに関する情報発信に積極的なこと」というものがあります。OTNのフォーラムへの投稿や技術記事の執筆、勉強会の講師 など、情報発信にはいろいろな方法がありますが、いずれにしろ情報発信のためには、その情報をきちんと自分なりに咀嚼していることが必要不可欠です。その 意味では情報発信=アウトプットこそ、学習方法としてはもっとも効率がいいと思うんです。そんな学習法でOracleの技術が学べることがOracle ACEに認定される最高のメリットではないかと考えています。

他のOracle ACEのChen ShapiraさんのブログのLook! I'm an Oracle Ace!や、Marco GralikeさんのブログのRamblings about Mentorshipでも同じようなことを述べていらっしゃいますが、自分にとってのOracle ACEの意義とは、アウトプットのために、エンジニアとしてのスキルが磨けるということだと思います。結果として、それがOracle ACEへの認定につながっているわけです。

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■技術は興味があるうちに学ばないと身に付かない

趣味のように関わってきたSQLですが、最近はちょっと飽き気味でして、サイトの更新も滞っています。最近、興味があるのは、C#とデータベーススペ シャリスト(情報処理技術者試験)です。エンジニアとしての今後を見据えると、そういった技術にも精通しておきたいし、興味がある時に勉強しておかない と、身に付かないとも思っているんです。あとは英語。Webサイトを見る時に便利ですから、興味があるうちに学んでおこうと考えています。

若いエンジニアの人たちにアドバイスするなら...自分でもまだまだだと思っているので、おこがましいようですが、あえて、10年前の自分に言うとする なら、将来的に役立つ可能性の高いスキル、たとえばSQLや正規表現、C#,アルゴリズムと数学、それに英語などですが、そういったものを、きちんとプラ イオリティを付けて戦略的に学んで欲しいと思います。自分を顧みて、わりと行き当たりばったりで手を出してきて、遠回りしたかなという思いがあるので。

それと、早寝早起きで健康的な生活を送って欲しいですね。特に夜中のPC作業は睡眠の質を低下させるそうです。それをするなら夜は早く寝て、翌朝早起き してPCに向かった方が効率がいいということなので、自分もできるだけそうするようにしています。なかなかうまくいかないんですけどね(笑)。