サブスクリプション・ベースのビジネス・モデルの課題

オラクル、産業戦略グループ、ディレクタ、Aniello Pepe

サブスクリプション・ベースのビジネス・モデルは、多くの業界で驚くほど急速に普及しています。通信会社が道を開き、音楽・動画のストリーミング企業がそれに続きました。現在は、ミールキットから自動車、プリンタ、さらには洗濯機(CandyのWashPassなど)まで、さまざまなビジネスでAnything-as-a-Serviceアプローチが採用されています。事実上、あらゆる製品やサービスをサブスクリプション・ベースのモデルで販売することが可能であり、近い将来にはそれが実現すると予想されます。

この新しいビジネス・モデルが市場で広く受け入れられているのには、いくつかの理由があります。

  • 商品の取得より使用を優先する、所有権という新しい視点
  • 事前取得コストを削減しようとする財務上の傾向
  • 使用または消費した分だけ支払いたいという考え方(サービスの最適化)
  • 老朽化や修理コストを回避し、補充やアップグレードを容易にしようとする動き

製品やサービスの提供には複雑な規則や条件が伴い、企業はこれらに基づいて、繰り返し発生する使用量ベースの請求を処理しなければなりません。請求・収益管理とサブスクリプション管理を行う第1世代のビジネス・アプリケーションを早期に導入した企業は、このような複雑さに対処できるようになりました。一方で、核心的な問題への対処に苦慮している企業も少なくありません。つまり、サブスクリプション・ベースのモデルの持続可能と収益性を引き出すには、まったく新しい運用ビジネス・モデルが必要になるのです。

実際に、初期のアプリケーションを導入した企業は収益性の確保に苦労し、新しいサブスクリプション・サービスを適切に収益化するため苦戦していました。サブスクリプション・ベースのモデルに関する初期の試みの多くは、市場のテストやブランドの販売促進を目的としていました。しかしサブスクリプション・ベースのモデルが主流になりつつある現在では、以前のようなアプローチでは不十分です。主にサブスクリプション・モデルを利用している企業と、ビジネスの大部分をこの新しいモデルに移行することを検討している企業は、業務を管理するための新しいアプローチが必要であることを認識しています。このアプローチを実現するのが、Subscription Management 2.0です。

Subscription Management 2.0は、定義上、多角的なアプローチに分類されます。サービス構成、販売、プロビジョニング、請求といった基本的な業務は、全体的な課題のほんの一部に過ぎません。Subscription Management 2.0を採用している企業は、以下のような多くの疑問に適切に対処する必要に迫られています。

  • 既存顧客と新規顧客からの予測される経常収益と、既に顧客に確約しているサービス・レベルの提供のために発生する固定と変動のサービス・コストを考えたときに、自社のビジネスは持続可能で、収益性の高いものになるだろうか?
  • 自社が現在、または将来提供する追加サービスに対して、顧客はどの程度の価格を支払うだろうか?
  • 顧客によるサービスの消費量を増加させ、ロイヤルティを高め、継続的な更新を実現するには、顧客への働きかけをどのように改善すればよいか?
  • 市場シェアを獲得し、競合他社に勝つためには、どのような新しい製品やサービスをバンドルして提供する必要があるか?
  • 保守やサポート業務がサブスクリプション・モデルの一部として組み込まれた今、自社製品を大規模にサポートするにはどうすればよいか?

このようなサブスクリプション・モデルに伴うビジネス上の課題は、Subscription Management 2.0の包括的なプラットフォームが必要であることを示しています。この包括的なプラットフォームは、サブスクリプション管理だけでなく、顧客管理、財務プランニングとパフォーマンス管理、予測分析、シミュレーション・ツールと最適化ツール、新しいオファリングの設計と導入、カスタマー・サポートとサービス管理にも対応することが必要です。

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