オラクルのCloud Scaleポートフォリオにより、規模を問わず、あらゆる対象を収益化

製品マーケティング担当ディレクタ、Chantel Cary

革新的なサービスプロバイダーは今、単なる「telco(通信事業者)」から、クラウドネイティブかつプラットフォーム志向で差別化された体験を提供する「techco(テクノロジー企業)」への進化が必要であることを認識しています。

「telco」から「techco」への進化を促す要因

通信事業者は5Gの周波数取得やインフラ整備に多額の投資をしていますが、その投資回収に向けたユースケースは依然として不透明です。さらに、B2B2Xのような新しいビジネス・モデルには高い俊敏性が求められますが、多くのtelcoはこれを十分に備えていません。TM Forumの最新調査では、78%の通信サービスプロバイダーが「柔軟性とスケーラビリティ」をBSS(ビジネス支援システム)における最優先課題と考えています。telcoがtechcoへ進化するには、新しいサービスや利用体験の収益化に挑戦できる柔軟性が必要であることを、通信事業者は理解し始めています。

世界的なプロフェッショナルサービス企業であるAccentureは、techcoの展開によって7,000億ドルの新たな収益が生まれると予測しています。5Gに関連するビジネス・チャンスや潜在的な収益を最大限に活用するために、クラウドネイティブかつ高スケーラブルな事業者が注力すべきなのは、5G特有の価格設定要素(スピード、レイテンシ、QoE)を取り入れて顧客に新たな価値を提供すること、そして業界横断型ソリューションを可能にするマルチパーティ型ビジネス・モデルを構築することです。

Oracle Cloud Scale Monetizationの概要

オラクルのCloud Scale Monetizationポートフォリオは、techcoが5Gとデジタル経済の恩恵を享受できるよう、柔軟性とスケーラビリティを実現し、新たな収益源を創出することを目的としています。オラクルの課金システムは、あらゆるネットワーク、サービス、利用体験、ビジネス・モデルを対象に、ミリ秒単位の低レイテンシ、高スループット、効率的なリソース活用により、あらゆる規模の収益化が可能です。

なぜ「Cloud Scale」なのか?オラクルは、Cloud Native Compute Foundationのプラチナ・メンバーとして、クラウドに積極的に取り組んでいます。また、自社クラウド—Oracle Cloud Infrastructure (OCI)—を持つ唯一の収益化ベンダーでもあります。Cloud Scale Monetizationは、世界中の数百のサービスプロバイダーと数十億の登録者に、俊敏性、効率、スピードを提供しています。1億の登録者を対象とした最近のパフォーマンス・テストでは、超低レイテンシでの直線的なスケーリングに加え、マルチサイト対応のスケーラビリティも実証されました。

このポートフォリオは3つの完全にクラウドネイティブなソリューションで構成され、すべてがTM ForumのOpen APIに準拠しています。

  • Cloud Scale Charging and Billing:すべてのサービス、ネットワーク、利用体験、ビジネス・モデルに対応し、収益サイクル全体において事前統合されたコンバージド課金、オファー設計、請求、収益管理、アカウント管理を可能にします。これらの主要なビジネス機能の事前統合により、単一の商品カタログ、単一ソリューションによるプロビジョニング、階層構造の一括設定、迅速な収益化が可能になります。
  • Cloud Scale Charging:2G〜5Gネットワーク、サービス、支払いタイプ(前払いや後払いなど)をコンバージド課金でサポートします。
  • Cloud Scale Billing:あらゆるサービスタイプに応じた請求、請求書発行、支払い、回収、課税、売掛金管理、決済機能を提供し、割引モデルやバンドルモデルにも対応します。

オラクルのCloud Scale Monetizationには、実績ある既存製品であるOracle Billing and Revenue Management(主力製品)や、Converged Charging System(現在はCloud Scale Billing and Chargingの一部)が含まれています。この新たなポートフォリオ名称が付けられた目的は、通信サービスプロバイダーの「telco」から「techco」への転換支援の価値を伝えることです。

通信サービスプロバイダーがOracle Cloud Scale Monetizationを選ぶ10の理由

  1. 検証済みのクラウドスケールのパフォーマンスオラクルがOracle Cloud Infrastructure上で実施した1億の登録者を対象としたパフォーマンス・テストでは、90%前払い、10%後払いという業界の現実的な価格体系を使用して、2,000マイル以上離れた2地点間でも一桁ミリ秒の低レイテンシと高効率なリソース活用を記録しました。
  2. アクティブ–アクティブ課金グリッド。オラクルのインメモリ課金グリッドは、地理的冗長性とアクティブ–アクティブ型マルチサイト導入により、最高レベルの可用性を提供します。これにより、リアルタイムの通話およびセッション認証におけるビジネス継続性と回復性を得られ、カスタマー・エクスペリエンスと収益確保に貢献します。
  3. 統合課金と収益管理。オラクルの統合ソリューションは、事前統合された形で導入でき、手作業による処理や、請求と課金の不整合に伴うリスクやコストを低減します。
  4. クラウドネイティブな俊敏性。2019年以降、Oracle CommunicationsはDevOpsの俊敏性を活かしたクラウドネイティブな導入を提供し、クラウドのコンピュート資源、ネットワーク、ストレージを最大限活用できるようにしています。オラクルのお客様は、ダウンタイムの短縮、アップグレードの容易化、俊敏性の向上、効率性の強化といった恩恵を受けています。
  5. TM Forum標準への準拠。オラクルはOpen Digital ArchitectureとOpen APIに対応しており、現在はゴールド認証レベルにあります。これらの標準に準拠することで、オラクルは急速に変化する市場でお客様の競争力向上を支援しています。オラクルは、TM Forumから「Innovation」や「Best Use of Open Digital Framework」など複数のCatalyst賞を受賞しています。
  6. 2G〜5Gまでの互換性。現在注目されているのは5Gですが、多くの通信サービスプロバイダーは今後も4G、3G、さらには2Gといったレガシーネットワークを運用し続けます。オラクルはすべての通信世代に対応した統合課金を提供しており、5Gおよびレガシーネットワーク双方のROIを最大化して、課金システムの統合による運用効率向上を実現します。
  7. 柔軟なビジネス・モデル対応。techcoは、新たな5G収益源を活用するために自らを再定義しています。Cloud Scale Monetizationは、あらゆる業界を横断する新たなB2B2Xビジネス・モデルにおいて、techcoが主導的な役割を果たせるよう支援します。
  8. 前払いと後払いの統合。Cloud Scale Chargingは、オフライン課金システムのオンライン化やレガシーIN/OCSシステムの最新化、課金・収益管理全体の刷新といった革新を支える柔軟かつモジュール型のアプローチを提供します。
  9. 最新のアプリケーション体験を支える。現在のデジタルネイティブな顧客はモバイルファーストな体験を求めています。Cloud Scale Monetizationはネットワークと直接つながって、リアルタイムかつ関連性の高いコミュニケーションや、購入、チャージ、柔軟なプランの設定、パーソナライズされたプロモーションの提供を通じて、アプリにおける顧客とのエンゲージメントを高めます。
  10. エンドツーエンドのデジタル・エクスペリエンスCloud Scale Monetizationは、オラクルの統合型クラウド・ソリューションであるDigital Experience for Communicationsの一部であり、検討から購入、利用、支払い、サポートまで、顧客ライフサイクル全体にわたって、データドリブンかつパーソナライズされたつながりのある体験を提供します。

Oracle Communicationsについて:

Oracle Communicationsは、サービスプロバイダーおよび企業向けに統合型の通信およびクラウド・ソリューションを提供し、ネットワークの進化からデジタルビジネス、カスタマー・エクスペリエンスに至るまで、通信主導の世界におけるデジタル・トランスフォーメーションへの取り組みを加速させます。Oracle Communicationsの業界向けソリューションについて詳しくは、Oracle Communications LinkedInをご覧ください。