Oracle Construction and Engineering、日本の風力発電プロジェクトを前進

洋上風力発電所によって生み出される電力は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという日本の目標に向けて、ますます重要な役割を担うと見込まれています。

Rick Bell | 2025年11月12日


日本は、石油、天然ガス、石炭の自国資源が乏しいため、輸入化石燃料への依存度が非常に高い国です。代替手段として原子力発電が再び注目されていますが、2011年の福島第一原子力発電所事故の影響から、その将来は依然として不透明です。さらに、太陽光や陸上風力発電所を設置するための土地が限られていることも、日本がクリーンエネルギーを推進する上での課題となっています。

世界第5位のエネルギー消費国である日本は、エネルギー自立の実現と温室効果ガス削減に向けて野心的な目標を掲げています。今年初め、日本政府は第7次エネルギー基本計画を閣議決定しました。この計画では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として、2040年までに再生可能エネルギーによる電力比率を2023年時点の約23%から40%〜50%へと引き上げることを目標としています。

「オラクルのアプリケーションが選ばれた大きな理由として、その優れた機能に加え、『特定の利害関係者に所有・運用・管理されない、中立的で独立したソリューションであること』も挙げられます。」

岡本 智臣 日本オラクル、カントリーマネージャー

風力発電の活用は、この計画の重要な要素となっています。現在、日本の再生可能エネルギーに占める風力発電の割合は約1%に過ぎませんが、これを2040年までに8%に引き上げる計画です。この目標の達成に大きく貢献すると考えられているのが、洋上風力発電の拡大です。日本の風力発電の設備容量は5,840.4メガワット(MW)ですが、そのうち洋上風力による発電容量はわずか253.4MWにとどまっています(日本風力発電協会による2024年の速報値)。


浮体式洋上風力発電という新しい選択

日本には、広大な平地がほとんど残されていないため、陸上で大規模な風力発電所を建設することは容易ではありません。しかし、4つの大きな島と何千キロにも及ぶ風の強い海岸線があるため、洋上風力には大きな可能性があると、洋上風力発電業界との協業に取り組むオラクルのマスター・プリンシパル・セールス・コンサルタント、澤野 信彦は指摘します。

実際、日本政府は、2040年までに洋上風力発電の設備容量を30〜45ギガワット(GW)まで拡大することを計画しており、その一部は、海に浮かぶバージ形式の構造物に設置された風車によって発電される見込みです。規模感として、風力発電1GWは年間で75万〜100万世帯分の電力に相当します。


複雑化するプロジェクトの管理

日本政府は2021年12月から2024年12月の間にかけて、複数の洋上風力発電区域について入札を実施しました。その結果、国内外の開発事業者、投資家、その他の関係者による複数のコンソーシアムが、9か所での風力発電所開発権を獲得しました。「特別目的会社(SPC)」とも呼ばれるこれらの共同事業体は、風力発電所の開発、資金調達、建設、運営のみを目的として設立された法人です。これらの発電所は、日本の脱炭素ロードマップに沿ったスケジュールで、2028年に運転開始が予定されています。

3つのプロジェクトについては日本政府による再入札が予定されていますが、それ以外の区域のSPCは、プロジェクトを円滑に管理・推進するために、引き続きOracle Construction and Engineeringのソリューションを活用していく予定です。

洋上風力発電プロジェクトの複雑化に加え、サプライチェーンの不安定さや業界全体での人材不足が続く中、現場やオフィスの両方で高いパフォーマンスを維持することは、非常に大きな課題となっています。こうした状況を踏まえ、SPCは、プロジェクトコミュニケーション、文書管理、意思決定の基盤としてOracle Aconexを選択しました。Aconexにより、SPCは建設プロジェクトの全ライフサイクルにわたり、すべてのプロセスを一元的に管理できるようになります。

プロジェクトチームがデータを自ら保有し管理することで、チーム間のコラボレーションやデータ共有が促進され、プロジェクトの全記録を確実に残すことができます。Aconexによって生成される、改ざん不可能な監査証跡により、トラブルや意見の相違を最小限に抑え、パートナー各社がプロジェクトを予定通り、かつ仕様に沿って完了できるよう支援します。

SPCはまた、リソース調整、スケジュール可視化、リスク軽減のためにOracle Primavera Cloudも選択しています。Oracle Primavera Cloudでは最新のスケジュール情報がすべてのSPC関係者に共有されるため、スケジュール担当者やプロジェクトマネージャーが進捗状況を把握し、必要に応じて是正措置を講じることが容易になっています。

SPCがオラクルのアプリケーションを選択した大きな理由として、その優れた機能に加え、「特定の利害関係者に所有・運用・管理されない、中立的で独立したソリューションであること」も挙げられると、日本オラクルのカントリーマネージャーである岡本 智臣は述べています。


大水深洋上プロジェクトが間もなく始動

現時点で再入札の対象となっている区域に加え、次回の入札では日本の領海12海里線を越えた排他的経済水域(EEZ)内の5か所が対象となります。現行の技術の多くは、比較的浅い海域に設置された着床式洋上風力発電が中心ですが、次回の入札では、より水深の深い海域でも稼働可能な浮体式バージ型洋上風力発電システムが主な対象となる見込みです。この新たな区域での作業においても、オラクルのアプリケーションが候補として挙げられています。

「立ち上げ当初からコンソーシアムの皆様にご理解いただけるよう働きかけてきたことが、今ようやく実を結んでいます。その結果として、私たちは皆様から確かな信頼をいただいています。」と、オラクルの岡本は述べています。