Oracle Cloud 顧客事例

受注件数前年比40%増を達成
ある企業が導入した
「顧客創出ツール」の強化策

 

環境変化の激しい昨今、その動きに左右されやすい研修サービス市場において、毎年20%前後という驚異的な右肩上がりの成長を続けているインソース。そこにはどんな秘密が隠されているのだろうか。根底にあるのは、創業当時からの徹底したIT活用だ。ゼロから顧客を獲得し、取引を拡大していく「Plants(プランツ)」と呼ばれる営業活動支援ツールを自ら開発。そこにマーケティング・オートメーションの仕組みを融合しながら、さらなる進化を図っている。

急成長の背景にある三つの“理由”とは

インソースの研修はワークショップ型だ

 日本の企業向け研修サービス市場は、企業における人材の採用意欲の回復やダイバーシティへの対応といった背景から、「新人研修」「ダイバーシティ関連研修」の伸びは顕著であるものの、全体としては微増となっている。また、それ以前についても、景気浮沈の影響を常に強く受けてきたのが実情だ。同様に将来についても楽観視してはいられない。少子高齢化による働き手の減少、企業の国内活動の空洞化などにより、研修サービス市場も縮小していく恐れがある。

 そうした厳しい情勢の中で2003年1月の事業開始以来、売上ベースで毎年20%前後という驚異的な右肩上がりの成長を続けているのがインソースだ。年間の研修実施回数は1万2283回(2014年10月1日~2015年9月30日)、延べ受講者数は32万8179人(同)に達する。

 急成長を続けるインソースの秘密はどこにあるのだろうか。同社 デジタルマーケティンググループのグループ長である市川紀子氏が示すのは、次の三つの“理由”だ。

 まずは「商品開発力」。研修で使用する様々なコンテンツを、インソースはすべて自社開発している。「時代のニーズをとらえて年間100種類以上の新作コンテンツを開発し、従来とは異なる手法を取り入れた最先端の研修を最速で提供しています」と市川氏。例えば、LGBT(性的マイノリティー)研修や外国人管理職向け研修といったプログラムについても、いつでも提供可能な体制を既に整えているという。

 そして、第二の理由は、「ITを活用した営業推進策と全国展開」だ。全国規模で研修サービスを展開する企業がほとんどない中で、インソースは早い段階から全国に営業拠点を開設し(現在14カ所)、望みの研修を1名から受けられるサービス体制を整えてきた。

 また、いち早くネットワークを駆使した営業活動を推進し、その一環として研修コンテンツの詳細内容やグループワークの進め方といったノウハウを惜しむことなくWebに公開してきた。「情報は隠すのではなく “拡散”させることで、より大きな効果を生み出します。Webサイトを見て興味を持たれたお客様からの問い合わせをきっかけに、取引を拡大してきました」と市川氏は強調する。

自社開発ツールで顧客創出のための活動をサポート

 そして三つ目が、上記二つのポイントを包括した「プロセスのIT化」である。「研修の提案・受注から研修コンテンツの企画・制作、そして研修の実施まで一連のプロセスをシステムで管理することにより、少人数で効率的に研修運営を行う仕組みを確立しました」と市川氏は語る。システム開発は自社で行っており、外販もしている。「私たちは研修サービス会社の皮をかぶったIT企業なのです」(市川氏)というように、インソースはシステム開発力にも強い自信を持っている。

 上記のような三つの強みを持つインソースだが、「営業」に対する姿勢もユニークだ。営業を支えるツールは、自社開発した「Plants」と呼ばれる顧客自動創出システムを活用している。

 世にあるSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)のほとんどは、既に顧客が存在していることを前提に営業活動を支援する仕組みが作られている。これに対して「Plants」は、まったくのゼロから顧客を獲得し、取引を拡大していく営業活動を支援するツールとして作られている。「お客様に関するデータが何もない状態からでも、例えば代表電話番号さえ分かれば、そこからお客様を開拓し、獲得していけます」と市川氏は説明する。

 この「Plants」をさらに強化すべく、インソースは次の一手に打って出た。それは、マーケティング・オートメーションを支援するオラクルのクラウド「Oracle Marketing Cloud」との連携である。これによってインソースへの問い合わせ件数は、2015年1~3月期から16年1~3月期を比較すると165%にもなった。その結果として、研修受注件数を40%アップさせることに成功したのである。

マーケティング・オートメーションとの融合による成果

 「大量データに対応できる」「全国各地のニーズに合わせてセグメントを細かく設定できる」といった「Oracle Marketing Cloud」の特長が、「Plants」との高いシナジー効果を生み出した。「一部の専門家しか使いこなせないマーケティングツールと違って『Oracle Marketing Cloud』は実務重視で設計されており、営業現場のメンバーが抵抗感なく利用できたことが、予想以上の効果をもたらしました」と市川氏は振り返る。

 特に高く評価しているのが、「Oracle Marketing Cloud」の大量のメールを処理できる性能と、メールの到達率だ。正当なメールの送信元としてのレピュテーション(信頼度)を高めるIPウォーミングと呼ばれる機能を効果的に活用することで、到達率を高めたのである。

 詳しく説明すると、インソースは約5万件の顧客リストを保有しているのだが、実際にメールが送信到達した顧客は約3万件であった。メールを送信しているが到達していない顧客に対し「Oracle Marketing Cloud」からメールを送り、さらに顧客リストにはあるがメールを送信していない顧客に対しオプトインメールを送った結果、メールの到達数は約4万5千件と劇的な改善を見せたのである。

 さらには、顧客リストを細かく絞り込み、ターゲットを明確にしたうえで、営業現場のメンバーが自ら作成したメールを送付していったのである。

 こうした取り組みの結果として、先に述べた問い合わせ件数や受注件数の向上がもたらされたわけだ。

 引き続きインソースでは「Oracle Marketing Cloud」によるスコアリングをより高度に活用し、メールの開封状況、Webサイトの訪問状況、送付後の拒否状況、更新された顧客属性、営業担当者による接触状況など、多様な顧客情報とマーケティング戦略の連携を強化し、アップセルやクロスセルを促すリコメンドにつなげていく考えだ。

 例えば、「Oracle Marketing Cloud」のスコアリングやプロファイラーといった機能を活用し、顧客ごとのランクや取引状況に応じたアプローチを自動化する予定だ。「一定以上のお取引をいただいているにもかかわらず、メールの反応やWebサイトへのアクセス頻度が低いといったギャップを持つお客様を見える化できるので、容易に検索できるようになります」と市川氏は説明する。こうした顧客をそのままにしておくと離れていってしまう可能性がある。顧客への働きかけが足りないのか、あるいは発信している情報が顧客のニーズに合っていないのか、いずれにしても早急に手を打つ必要があることを「Oracle Marketing Cloud」が示してくれる。

 そして、オラクルのクラウド「Oracle Marketing Cloud」との連携で飛躍的な進化を遂げたこの顧客開拓システムを「Plants-E」と名付けて2016年10月にリリースし、幅広い企業に向けて研修サービスと併せて提供していく計画だ。

 もはやインソースのビジネスを、単なる研修サービスという枠で括ることはできない。ますます拡大していくITソリューションやコンテンツで、顧客の「こうありたい」という思いを実現していくであろう。

「Plants」と「Oracle Marketing Cloud」が連携した「Plants-E」
「Plants-E」の画面イメージ
【関連情報】
>> オラクルのマーケティング活動支援クラウド(Oracle Marketing Cloud)
>> デジタル・マーケティングの複雑性を解消

※インソースはOracle Marketing Cloudの「Oracle Eloqua」を採用しています。
※本記事は、nikkei BPnet特番サイト「Digital Transformation」に掲載された記事です。

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