Press Release

統計センター、政府統計共同利用システムをOracle Cloud Infrastructureへ移行、稼働開始

「Oracle Exadata Database Service」などのOCIサービスを活用し、性能、情報セキュリティ、可用性に優れたシステムを構築し、統計データの利活用推進を支援

東京 —2023/03/07
National Statistics Center

日本オラクル株式会社(本社:東京都港区、取締役 執行役 社長:三澤 智光)は本日、独立行政法人統計センター(所在地:東京都新宿区、理事長:笹島 誉行)が運用管理を行う政府統計共同利用システムにおいて「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の「Oracle Exadata Database Service」などが採用され、2023年1月より稼働を開始したことを発表します。

政府統計共同利用システムは、統計結果を一元的に提供する政府統計総合窓口(e-Stat)、インターネットを通じて統計調査の回答を行うオンライン調査システム(e-Survey)、企業・事業所向けの統計調査の基盤となる事業所母集団データベースなど、15のサブシステムで構成され、各府省や地方公共団体そして国民・企業など多様なユーザーへサービスを提供しています。2019年にはOCI上でRDFデータの格納とSPARQLクエリをサポートする「Oracle Graph」および混合ワークロードを高速化する「Oracle Database In-Memory」を活用し、国勢調査や経済センサスなどの統計データをLinked Open Data (LOD)*として公開する「統計LOD」を「e-Stat」のサービスの一つとして構築しました。

* Linked Open Data (LOD):誰でも利用可能なデータ同士がリンクしたデータのこと。オープンデータの公開レベルが5スターで位置づけられる。「統計LOD」はオープンデータの最高ランク(5スター)であるLOD(Linked Open Data)で統計データを提供している。

政府統計共同利用システムは5年のライフサイクルで設計されており、2022年12月に運用が終了しました。この更改に際して、統計データ管理システムとして最適な情報セキュリティ、優れた柔軟性、可用性を実現するため、クラウド・サービスによるシステムの構築を検討しました。有事の際にも継続して利用できる構成とするため、国内リージョンでの災害復旧(DR)構成に加え、オンプレミス環境でもデータ・バックアップを保管でき、クラウドやネットワークの障害が発生した際にデータを即時に利用できる環境も求められていました。また、ユーザーの継続的な利便性向上を目的に、従前システムの課題に対応する機能の見直し、レスポンス時間などの向上も求められていました。

今回の政府統計共同利用システムにおいては、OCIが求められる要件を満たし、2022年6月に採用されました。「Oracle Exadata Database Service」の高い性能、「Oracle Database」のコンバージド・データベース・エンジンによるさまざまなデータ・モデルやワークロードへの対応、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門による構築支援実績が高く評価されました。

新しいシステムでは、秒単位で数万件の処理を必要とする登録システムから、繁忙期には数千万件の登録処理を4時間以内に完了させるデータベース基盤など、複数の異なる高性能要件に対応できます。「Oracle Database」のコンバージド・データベース・エンジンにより、JSON、CSV、テキスト、地理空間データ、RDFデータなどのデータが混在する15のサブシステム内で、異なるデータ形式の管理およびアプリケーション開発の複雑性を解消します。また、全ての格納データと通信を暗号化するOCIの標準機能に加え、「Oracle Cloud Guard」によるリスクある設定や行動の自動検知、「Oracle Data Safe」を活用したデータベースの構成や監査などのセキュリティ対策を自動化し、安心して利用できるサービス提供に向けたセキュリティの向上も図っています。

統計センターでは、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門の支援のもと、OCI上での新システムの本番環境、DR環境やオンプレミスのデータ・バックアップ環境の構築に着手しました。システムおよびデータの移行、テスト運用を経て、約6カ月という短期間でオンプレミス環境からのリフト&シフトおよびデータ移行を完了し、政府統計の総合窓口(e-Stat)を停止することなく2023年1月より稼働を開始しています。オンプレミスからクラウドへの移行検討のフィジビリティ・スタディにおいては、無償のクラウド移行支援サービスである「Oracle Cloud Lift Services」が活用されました。

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