Michael Chen |コンテンツ・ストラテジスト| 2024年6月27日
ビジネス・リーダーはデータを活用することが重要であることを認識していますが、企業はデータを効果的に活用してより適切な意思決定を推進し、業績を向上させることに苦慮しています。結局のところ、データソースは分析ではなくデータ保存向けに最適化される傾向があります。そのため、ビジネスパーソンにとってはより難解になります。一方、企業は、データサイエンティストの大規模な部チームを雇うことなく、人工知能、機械学習、自然言語処理などのテクノロジーを導入する最善の方法に頭を悩ませています。データ分析は、企業が投資すべき製品、実施すべきマーケティング・キャンペーン、ターゲットとすべき顧客など、幅広い戦略的意思決定に役立つパターン、トレンド、機会の特定を支援することができるため、有意義な取り組みです。
しかし、関連データを収集し分析するための正式な戦略と的を絞ったテクノロジーがなければ、企業は直感や思い込みに基づいて意思決定を行い、財務業績や従業員エクスペリエンスおよびカスタマー・エクスペリエンスを向上させる機会を逃すリスクがあります。
データそのものにはあまり価値がありません。重要なのは、データを分析し、チームがより正確な意思決定を行い、変化するビジネス環境に柔軟に対応できるようにすることです。データ分析のプロセスは、組織が「データドリブン」になるための中核的な要素です。しかし、データ分析戦略の策定・導入・運用には時間と労力がかかり、多くの企業がよく知られたが非常に手強い課題に直面しています。
多くの企業が直面する最大の課題の1つは、収集したデータの信頼性を保証することです。データに不正確さ、不完全さ、一貫性のなさ、重複があると、不正確なインサイトや不十分な意思決定につながる可能性があります。データの準備、重複除去、強化に利用できるツールは数多くあり、このような機能の一部が分析プラットフォームに組み込まれていることが理想的です。
たとえば、単位や通貨、日付の形式が異なる場合など、標準化されていないデータも問題になります。可能な限り早期に標準化することで、クレンジングの労力を最小限に抑え、より優れた分析を実現します。
データの検証、データ・クレンジング、適切なデータ・ガバナンスなどのソリューションを導入することで、組織はデータの正確性、一貫性、完全性、アクセスのしやすさ、セキュリティを確保することができます。こうした高品質なデータは、効果的なデータ分析の推進力となり、最終的にはより優れた意思決定につながります。
企業では、複数のシステムや部門間で、また構造化、非構造化、半構造化といった形式でデータが散在していることがよくあります。そのため、データの統合や分析が難しく、また不正使用の対象になる可能性が高まります。整理されていないデータは、分析や機械学習、AIなどのプロジェクトにおいて、多くのデータを必要とする場面で大きな障壁となります。
多くの企業にとって、部門に関係なく組織全体でデータにアクセスできるようにする民主化が目標です。不正アクセスを防止しながらこれを実現するには、企業はデータをデータレイクなどの中央リポジトリに集めるか、APIやその他の統合ツールを使用して分析アプリケーションに直接接続する必要があります。IT部門は、自動化と認証を組み込んだ効率化されたデータワークフローを構築することで、データ移動を最小限に抑え、互換性やフォーマットの問題を軽減し、情報にアクセスできるユーザーやシステムを把握できるよう努める必要があります。
データ可視化の取り組みを通じてデータをグラフやチャートに変換することで、複雑な情報を明確かつ正確な方法で提示し、理解しやすくなります。しかし、誤った可視化方法を使用していたり、データが膨大すぎる場合、誤解を招く可視化や間違った結論につながる可能性があります。また、入力ミスや簡素化しすぎた可視化によって、レポートが実際の状況を誤った形で表現する可能性もあります。
効果的なデータ分析システムは、レポート作成をサポートし、可視化に関するガイダンスを提供し、ビジネスユーザーが操作できるほど直感的です。そうでないと、準備と出力の負担がIT部門にのしかかり、可視化の品質と精度が疑問視される可能性があります。このような事態を避けるため、組織は、選択したシステムが構造化データ、非構造化データおよび半構造化データをを処理できることを確認する必要があります。
では、効果的なデータ可視化を実現するにはどうすればよいのでしょうか。次の3つの重要なコンセプトから始めます。
オーディエンスの把握:見る側の関心に合わせて可視化をカスタマイズします。専門用語や複雑なチャートは避け、表示するデータは厳選します。CEOが求める情報は、部門長とはまったく異なります。
明確な目的からの開始:データで伝えようとしているストーリーはどのような内容でしょうか。見る側に伝えたい主なメッセージとは何でしょうか。このようなことが分かれば、最適なグラフの種類を選ぶことができます。そのためには、円グラフや棒グラフだけをデフォルトにしないことです。可視化の方法はたくさんあり、それぞれ異なる目的に適しています。折れ線グラフは経時的な傾向を示し、散布図は変数間の関係を明らかにするなど、さまざまです。
シンプルに保つこと:不要な要素で可視化を煩雑にすることは避けます。読みやすくするために、ラベルやタイトルは簡潔に、色使いは最小限に抑えます。データを誤解させるような尺度、歪んだ要素、グラフの種類は避けます。
データへのアクセス制御は、データの分類だけでなく、セキュリティ・テクノロジーも必要となる永遠の課題です。
全体的には、いかなる損害が発生した場合にも、ビジネスを崩壊に追い込む可能性があるため、誰が重要なオペレーティング・システムに侵入し、データを取得することを許可されるかに細心の注意を払う必要があります。同様に、企業は、異なる部門のユーザーがダッシュボードにログインしたときに、それぞれが見るべきデータのみが表示されるようにする必要があります。企業は、強力なアクセス制御を確立し、データ収集、分析および配布プロセスのすべてのステップで、データ・ストレージおよび分析システムが安全でデータ・プライバシー規制に準拠していることを確認する必要があります。
さまざまな種類やプールのデータにアクセスできるロールを決定する前に、そのデータの内容を理解する必要があります。そのためには、データ分類システムを設定する必要があります。開始にあたり、以下のステップをご検討ください。
保有データの確認 :組織が収集、保管、処理するデータ型を特定し、機密性、情報漏えいが引き起こす可能性のある影響、HIPAAやGDPRなどの適用対象にあたる規制に基づいてラベリングします。
データ分類マトリックスの開発:公開、機密、内部使用のみなど、さまざまなカテゴリを持つスキーマを定義し、データの機密性、法的要件、企業の方針に基づいて、これらの分類をデータに適用するための基準を確立します。
アクセスを希望する人物の確認: データの分類、所有権、アクセス制御に関する役割と責任の概要を示します。たとえば、人事部門の従業員と財務部門の従業員では、持つアクセス権が異なります。
次に、分類ポリシーに基づいて、データ所有者と協力してデータを分類します。スキームが確立したら、設定したルールに基づいて自動的にデータをスキャンして分類できるデータ分類ツールを検討します。
最後に、適切なデータ・セキュリティ制御を設定し、それについて従業員にトレーニングを行い、適切なデータの取り扱いとアクセス制御の重要性を強く認識させます。
多くの企業は、膨大なデータを有用な情報に変えるために必要な人材を見つけることができずにいます。データ・アナリスト、データサイエンティスト、その他のデータ関連職務に対する要求は、複雑なデータ分析タスクを処理するのに必要なスキルを持つ有能なプロフェッショナルの供給を上回っています。この傾向は今後も続く見込みで、米国労働統計局によると、2026年までにデータサイエンスのスキルを必要とする仕事の数は28%近く増加すると予測されています。
幸いなことに、今日の多くの分析システムは、データサイエンスの経験がないビジネス・ユーザーでもアクセスできる組み込み機械学習アルゴリズムなどの高度なデータ分析機能を提供しています。特に、自動化されたデータ準備とクレンジング機能を備えたツールは、データ・アナリストがより多くの成果を達成するのに役立ちます。
企業はまた、分析力や技術的なバックグラウンドが豊富な従業員の中から、データ関連業務への転職に関心のある人材を特定し、必要なスキルを習得するための有給の研修プログラム、オンラインコース、データブートキャンプなどを提供することで、従業員のスキルアップを図ることができます。
組織がデータ分析戦略に着手すると、分析プロセスのレイヤーごとに個別のツールを購入することになるケースは珍しくありません。同様に、部門が自律的に行動している場合、機能が重複または相反するような製品を購入する可能性があり、これは企業が合併する際にも問題となります。
その結果、テクノロジーは寄せ集め状態になり、それがオンプレミスで導入されている場合は、管理する必要のあるさまざまなソフトウェアやライセンスでいっぱいのデータセンターがどこかに存在することになります。こうしたことは全体として、ビジネスに無駄が生じたり、アーキテクチャに不要な複雑さが増す可能性があります。このような事態を防ぐため、ITリーダーはデータツールに関する組織全体の戦略を策定し、さまざまな部署長と協力してそれぞれのニーズや要件を理解する必要があります。クラウドベースのさまざまなオプションを含むカタログを発行することにより、全員が標準化されたプラットフォームを利用できるように支援することができます。
データ分析には、テクノロジー、スタッフ、インフラストラクチャへの投資が必要です。しかし、組織が分析の取り組みから得られるメリットを明確にしていない場合、ITチームは取り組みを適切に導入するコストを正当化するために苦戦する可能性があります。
クラウドベースのアーキテクチャでデータ分析プラットフォームを導入することで、メンテナンス・コストを削減しながら、ほとんどの先行投資費用を不要にすることができます。また、1回限りのツールが多すぎるという問題も抑制できます。
運用面では、組織の投資利益率は、データア分析がマーケティング、業務、サプライチェーン、その他のビジネス部門を最適化するために明確化できるインサイトから生まれます。 ROIを示すには、ITチームはステークホルダーと協力して、ビジネス・ゴールに結びつく明確な成功指標を設定する必要があります。例としては、データ分析の結果による収益の10%増、顧客離れの8%減、運用効率の15%向上などが挙げられます。そうなると急に、クラウド・サービスがお買い得に思えてきます。
定量化可能なデータは重要ですが、直接測定することが困難なメリットもあるため、ITチームは単なるアイテム数以上のものを考慮する必要があります。たとえば、データ・プロジェクトによって意思決定のアジリティやカスタマー・エクスペリエンスが向上し、長期的な利益につながる可能性があります。
データ分析の状況は常に進化しており、新しいツール、手法、テクノロジーが絶えず登場しています。たとえば、現在、企業は人工知能(AI)や機械学習(ML)などの高度な機能をデータサイエンティストだけでなくビジネスユーザーにも提供できるよう競い合っています。そのためには、こうした技術を現場でも活用しやすくする新たなツールの導入が不可欠です。しかし組織によっては、新しい分析テクノロジーがレガシーシステムやプロセスと互換性がない場合があります。このため、データ統合の課題が発生し、その解決にはより大きな変換またはカスタムコーディングされたコネクタが必要になることがあります。
また、機能が進化し続けるということは、常に「自社に最適な製品は何か」を見直す必要があるということです。ここでも、クラウドベースのデータ分析ツールを使用することで、プロバイダーが常に最新バージョンを利用できるようにするため、機能や特徴のアップグレードをスムーズに行うことができます。これに対し、オンプレミスシステムでは、更新が1、2年に1回程度しか行われない場合があり、そのたびに操作習得のハードルが上がることもあります。
データ分析を適用するには、「居心地の悪い」レベルの変更が必要になることがよくあります。突然、チームはこれまで見えていなかったビジネスの現状をデータで可視化され、対応すべき選択肢も新たに提示されます。データではなく直感で運用することに慣れたリーダーにとっては、こうした変化が挑戦的に、あるいは脅威にすら感じられることがあります。
このような反発を防ぐには、ITスタッフが各部門とコラボレーションしてデータニーズを理解し、新しい分析ソフトウェアがプロセスを改善できる仕組みを伝える必要があります。導入の一環として、ITチームはデータ分析の進歩が効率的なワークフロー、より深いデータ・インサイト、そして最終的には全社での意思決定を向上させる仕組みを示すことができます。
明確なゴールと目標がなければ、プロジェクトに使用するデータソース、データ分析方法、結果の活用目的、成功の測定方法を決定することに苦労します。明確な目標の欠如は、焦点の定まらないデータ分析の取り組みにつながり、有意義なインサイトや成果をもたらさない可能性があります。これは、データ分析プロジェクトの目的と主な結果をプロジェクト開始前に定義することで軽減できます。
すでにデータ分析を導入している企業にとっても、使いやすく直感的な機械学習、セルフサービス分析、高度な可視化システムなどのテクノロジーは、競合優位性を獲得し、今後のビジネス需要を予測する新たな機会をもたらす可能性があります。そのため、ビジネス・リーダーは、人材とテクノロジーへの投資を継続してデータの活用を改善し、分析を主体とした戦略を企業文化に統合して、持続的な成長と関連性を実現する必要があります。
Oracle Analyticsは、さまざまなワークロードとデータ型にまたがるすぐに使用できる機能を備えた包括的な分析ソリューションです。専用のデーター分析プラットフォームは、データの取り込み、準備から結果の可視化、共有まで、ビジネス分析プロセス全体の管理を支援します。ユーザーは、業界をリードする人工知能と機械学習を活用して、業務上の困難な問題の解決、結果の予測、リスクの軽減を支援することができます。一方、ビジネス・リーダーは、より迅速かつ正確なインサイトを入手し、確実で十分な情報に基づく意思決定を推進することができます。
さらに、オラクルでは、あらかじめ予測可能な月額サブスクリプション・コストで、データセットの分析と、コンテキストに基づくデータ可視化を用いた組み込みのMLモデルの適用を簡単に行うことができます。
データ分析の分野では変化は避けられず、新たな課題は今後も次々と現れるでしょう。しかし、こうした戦略を採用することで、企業は変化やデータ過多への不安を乗り越え、データ分析を成長の原動力として活用し始めることができます。
AI分析プラットフォームは、2025年のビジネスの意思決定方法を変革する見込みです。その理由と、今知っておくべきさらに10の進歩をご紹介します。
データ分析の主な課題を教えてください。
データ分析に関する主な課題には、有意義なデータの収集、適切な分析ツールの選択、データの可視化、データ品質の向上、スキルの高いアナリストの確保、データドリブンな文化の構築などがあります。
データ分析で機械学習を使用する方法を教えてください。
機械学習(ML)は、タスクの自動化、隠れたパターンの発見、大規模で異なるデータセットからの予測により、データ分析において強力な役割を果たします。たとえば、データ・クリーニングやソートは、時間のかかる手動プロセスです。機械学習アルゴリズムはこれらの作業を自動化し、データ・アナリストの時間を結果の解釈やモデルの構築など、より戦略的な作業に振り向けることができます。
また、大規模なデータセットには、従来の統計手法では見逃されていた隠れたパターンやトレンドが含まれている可能性があります。機械学習アルゴリズムは、大量のデータを分析して複雑な関係を特定し、傾向の異常を発見することができます。機械学習モデルを過去の企業データでトレーニングすれば、将来の結果を予測し、顧客離れを最小限に抑え、ターゲットを絞ったマーケティング・キャンペーンを構築し、最適な価格設定水準の設定を支援することができます。