Oracle E-Business SuiteからOracle Infrastructureへの移行

Oracle E-Business Suiteは、あらゆる規模の組織が、人事、財務、サプライチェーン、在庫など、グローバルなビジネス環境の複雑性を管理できるよう支援します。クラウドへの移行を検討している組織に朗報です。これまでのE-Business Suiteを維持しながら、クラウドの運用面およびコスト面でのメリットを活用できます。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)は、E-Business Suiteを含むすべてのアプリケーションの移行をよりシンプルに実現するように設計されています。オラクルの第2世代のクラウド・プラットフォームでは、アプリケーションのパフォーマンスと可用性を低コストで向上できます。

E-Business Suite on OCI: 主要なユースケース

  • 新しいモジュールと機能の詳細

    E-Business Suiteビジョンのデモ・システムを迅速にプロビジョニングします。

    • より多くのE-Business Suiteモジュールの導入を詳細に検討するため
    • 新しいリリースの新しい機能と特長を評価するため
  • 開発環境とテスト環境の容易な導入

    • カスタマイズの開発とテスト
    • パッチのテストと検証
    • コンテナやカスタム・コードのCI/CDなど、クラウドネイティブなテクノロジーとフレームワークのテスト
  • ビジネスクリティカルな本番ワークロードの最適化

    • 業界をリードするコストパフォーマンスの実現
    • 複数の可用性ドメイン、ロード・バランサ、Oracle Real Application Clusters(RAC)を使用した高可用性の実現
  • バックアップとディザスタ・リカバリ

    • 組み込みストレージの耐障害性、可用性、セキュリティの活用
    • 自動化を活用した、重要ファイルのバックアップとリストア、および頻繁にアクセスしないファイルのアーカイブ

OCI上のOracle E-Business Suite— 柔軟な導入オプション


柔軟な導入オプション
この図は、OCI上にE-Business Suiteを導入するための3つの選択肢を説明しています。左から順に、コンピュート・モデルのシングル・ノードでは、アプリケーション層とデータベース層の両方が単一のVMに格納されています。この導入モデルは、デモ、サンドボックス、トレーニング、または新しいE-Business Suite機能を調査する場合に最適です。コンピュート・モデルのマルチ・ノードでは、アプリケーション層がデータベース層から分離されており、必要な数のアプリケーション層を追加することができます。このモデルは、開発、テスト、(一部のお客様にとっては)本番向けの一般的なオプションです。右側のコンピュートおよびデータベース・サービス上のマルチノード・モデルでは、他の2つのモデルのようにコンピュート上でデータベースを実行するのではなく、Oracle Database Cloud Service、Exadata Cloud Service、またはOracle Autonomous Databaseを介してサービスとしてデータベースを使用します。高可用性、スケーラビリティ、管理容易性が求められるミッションクリティカルなワークロードに最適であるため、E-Business Suiteのお客様のほとんどがこのモデルを使用しています。

  • デモ、サンドボックス、トレーニング、E-Business Suiteの新しい機能の調査に最適です。
  • アプリケーション層とデータベース層の両方が単一のVMに組み込まれています。
  • Oracle Cloud Marketplace上のE-Business Suiteデモでシンプルにプロビジョニングします。
  • 開発、テスト、および一部のお客様にとっては本番環境向けの一般的なオプションです。
  • アプリケーション層はデータベース層から分離されており、ユーザー数に応じて必要な数のアプリケーション層を追加できます。
  • ほとんどのE-Business Suiteのお客様がこのモデルを使用しています。
  • 高可用性、スケーラビリティ、管理容易性が求められるミッション・クリティカルなワークロードに最適です。
  • このモデルでは、(モデル1および2のように)コンピュート上でデータベースを実行する代わりに、Oracle Database Cloud Service、Exadata Cloud Service、またはOracle Autonomous Databaseを介したサービスとしてデータベースを活用します。

移行方法

E-Business Suiteの導入は、構成、統合、またはビジネス・プロセスの大幅な変更を必要とすることなく、OCIで実行するように簡単に移行できます。OCIでのみ利用可能なOracle E-Business Suite Cloud Managerは、新しい環境のプロビジョニング、オンプレミスからの環境の移行、それらの環境でのライフサイクル・アクティビティの実行など、すべての主要な自動化フローを推進するWebベースのツールです。Oracle E-Business Suiteの管理者が毎日実行するさまざまなタスクを簡素化するように設計されています。また、OCIテナント、コンパートメント、ネットワーク、セキュリティ、およびグループの準備構成後に、Oracle Cloud Marketplaceイメージ経由で導入されます。

Oracle Cloud Lift Servicesを使用することで、クラウドでの迅速な稼動開始が可能になります。オラクルの優秀なエンジニアリング人材による専用グループが、ビジネスケースの開発からアーキテクチャ設計、稼動まで、ワークロードのOCIへの迅速な移行を支援します。

特徴

独自の移行ソリューション

E-Business Suiteの導入は、構成、統合、またはビジネス・プロセスの大幅な変更を必要とすることなく、OCIで実行するように簡単に移行できます。OCIでのみ利用可能なOracle E-Business Suite Cloud Managerは、新しい環境のプロビジョニング、オンプレミスからの環境の移行、そうした環境のライフサイクル・アクティビティの実行など、すべての主要な自動化フローを推進するWebベースのツールです。Oracle E-Business Suiteの管理者が毎日実行するさまざまなタスクを簡素化するように設計されています。また、OCIテナント、コンパートメント、ネットワーク、セキュリティ、およびグループの準備構成後に、Oracle Cloud Marketplaceイメージ経由で導入されます。

Oracle Cloud Lift Servicesを使用することで、クラウドでの迅速な稼動開始が可能になります。オラクルの優秀なエンジニアリング人材による専用グループが、ビジネスケースの開発からアーキテクチャ設計、稼動まで、ワークロードのOCIへの迅速な移行を支援します。

リソース

パフォーマンスとTCO

簡単な移行、容易な管理、スケーラビリティの向上だけでなく、OCIに移行することで、TCOを30%以上削減できます。

Oracle Cloud Infrastructureは、E-Business Suiteなどのエンタープライズ・ワークロードをサポートするように特別に設計されています。Oracle Cloud Infrastructure上のE-Business Suiteには、他のクラウド・ベンダーでは利用できない専用のテスト、認定資格、自動化など、単一ベンダーによるサポートという利点があります。Oracle Cloud Infrastructureは、オンプレミスや他のクラウド・ベンダーと比べてより低い運用コストで、より高いパフォーマンスのコンピュート、ストレージ、ネットワーキング、およびマネージド・データベース・インスタンスを提供します。また、Oracle Database with RACおよびExadata Cloud Services(いずれもE-Business Suiteのお客様がよく使用する)は、Oracle Cloud Infrastructureでのみ提供され、他のクラウドはそれほど堅牢ではない構成に限定されます。

リソース

統合サービス

Oracle Cloud Infrastructureの統合サービスは、すべてのアプリケーションとデータソースを接続して、エンドツーエンドのプロセスを自動化し、集中管理を実行します。デフォルトのアダプタとローコードのカスタマイズによる幅広い統合により、E-Business Suite環境のクラウド移行を簡素化し、ハイブリッド・クラウド運用を効率化します。 開発者とクラウド・アーキテクトは、視覚的な開発エクスペリエンス、構築済みの統合、組み込み済みのベストプラクティスによって、SaaS、E-Business Suite、およびオンプレミス・アプリケーションを6倍速く連携させることができます。Oracle Integrationは、Oracle Cloud ERP、HCM、CXのイベントにネイティブにアクセスできます。アプリケーションが固有に持つサイロ化された分析を連携させ、購買依頼から領収書、リードから請求書、その他の重要なプロセスを簡素化します。

リソース

組み込みのセキュリティ

オラクルのセキュリティは基礎から構築されており、管理レイヤーを統一し、お客様が管理する内容の複雑さを軽減する同じフルスタック・アプローチを使用して、インフラストラクチャ・レイヤー、データ・レイヤー、アプリケーション・レイヤーの全体にわたる課題に対処します。OCIは、Fortinet、Palo Alto Networks、Check Point、Ciscoなどの業界をリードするネットワーク・セキュリティ・ベンダーと提携して、E-Business Suiteのワークロードを保護する検証済みリファレンス・アーキテクチャを提供しています。

Autonomous Databaseでは、オラクルは自己パッチ適用データベースを提供し、セキュリティ・ポリシーを最新の状態に、またデータをセキュアに保ちます。同時に、OCI上にあるワークロードは、分離されたネットワーク仮想化、ハードウェアのルート・オブ・トラスト、保存中および移動中のデータの暗号化など、セキュリティファーストのクラウド・アーキテクチャのメリットを享受できます。Oracle Cloud Guardの規範的レシピとOracle Security Zoneにおけるポリシー適用により、OCI導入全体にわたる強力なポリシーの適用を支援します。最後に、Oracle Identity and Access Managementでは、ロール・ベースの適用により、すべてのユーザーの構成エラーを最小限に抑えます。

リソース

ハイブリッドおよびマルチクラウド戦略の完全なサポート

ほとんどのE-Business Suiteワークロードはクラウドに移行できますが、オンプレミス環境のリソースを必要とするものもあります。オラクルの製品は特殊なデプロイ、非接続型と断続的接続型の運用、低レイテンシ、および高パフォーマンスだけでなく、データ局所性およびセキュリティの顧客要件に対応しています。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)Dedicated Regionは、パブリック・クラウドのすべての機能をデータセンター内に提供するため、アプリケーションをオンプレミスに導入し、時間をかけてパブリック・クラウドに移行することができます。

オラクルは、オープン・プラットフォーム・エコシステム、およびさまざまなクラウド・プロバイダーまたはオンプレミス・データセンターに接続するための多様なオプションも提供しています。低コストのデータ・エグレス料金により、IT環境をクラウドに拡張しながらコストを大幅に削減できます。Oracle Interconnect for Microsoft Azureは、お客様がオラクルとMicrosoftのテクノロジーを最適に選択し、投資収益率を最大限に向上できるように支援します。

リソース

よりスマートなアプリ

Oracle Digital Assistantは、E-Business Suiteに含まれ、他のアプリケーション全体で実行される情報やプロセスへの対話型アクセスを実現する包括的なAIプラットフォームを提供します。これにより、主要なタスクへの24時間365日の容易なデジタル・アクセス、自動化された承認ルーティング、通常従業員、ベンダー、顧客から頻繁に寄せられるクエリの管理が実現します。バックエンドのE-Business Suite(およびその他のアプリケーション)のデータとプロセスへの自動化されたテキストおよび音声アクセスを可能にすることで、AIによる自動化されたアシスタントが日々のクエリ、定型のタスク、承認ルーティングに関する作業の大部分を引き受けることができます。買掛金の期間クローズ、請求書管理、購買依頼の承認ルーティング、出荷追跡リクエストなどの主要なプロセスはデジタル・アシスタントで行うことができ、従業員は例外処理にのみ時間を費やすことができます。

リソース

インサイトとビジュアライゼーション

データ取り込みとモデリング、データ準備とエンリッチメント、可視化とコラボレーションなどの分析プロセス全体を、セキュリティとガバナンスを損なうことなく処理するクラウドネイティブなサービスであるOracle Analyticsを使用することで、E-Business Suiteおよびその他のアプリケーション全体で、データ分析へのセルフサービス・アクセスが可能になります。組込みの機械学習および自然言語処理テクノロジーによって、生産性を向上し、分析主導型の文化を組織で構築します。

リソース

OCI上のOracle E-Business Suiteの実行: サイズ設定の例

シェイプ名 パーツ番号 数量 コスト ($)
Oracle Cloud Infrastructure - ロードバランサ・ベース B93030 1.0 (LBH) $0
Oracle Cloud Infrastructure - Object Storage - Storage B91628 5000.0 (GB) $1,530
Oracle Cloud Infrastructure - Block Volume B91961 23172.0 (GB) $7,091
Oracle Cloud Infrastructure - コンピュート - Standard - E4 B93113 14.0 (OCPU) $3,125
Oracle Base Database Service - Enterprise - E4 Flex B90570 12.0 (OCPU) $46,079
Oracle Cloud Infrastructure - Block Volumeのパフォーマンス B91962 10.0 (VPU) $2,353
Oracle Cloud Infrastructure - ネットワーク B87062 3.0 GB/月 $0
Oracle Cloud Infrastructure - 100 Mbpのロード・バランサ B88319 1.0 (LBH) $190
Oracle Cloud Infrastructure - ロードバランサ帯域幅 B93031 10.0 (1時間あたりのMbps) $0
Oracle Cloud Infrastructure - File Storage B89057 500.0 (GB) $1,800
Oracle Cloud Infrastructure - コンピュート - Standard - E4 - メモリ B93114 146.0 (GB) $1,955
合計年間コスト $64,123

*BYOL WebLogic Suiteライセンス
シェイプ名 パーツ番号 数量 コスト ($)
Oracle Cloud Infrastructure - ロードバランサ・ベース B93030 1.0 (LBH) $0
Oracle Cloud Infrastructure - Object Storage - Storage B91628 15000.0 (GB) $4,590
Oracle Cloud Infrastructure - Block Volume B91961 51010.0 (GB) $15,609
Oracle Cloud Infrastructure - コンピュート - Standard - E4 B93113 16.0 (OCPU) $3,571
Oracle Base Database Service - Enterprise - E4 Flex B90570 31.0 (OCPU) $119,038
Oracle Cloud Infrastructure - Block Volumeのパフォーマンス B91962 10.0 (VPU) $8,356
Oracle Cloud Infrastructure - File Storage B89057 500.0 (GB) $1,800
Oracle Cloud Infrastructure - ロードバランサ帯域幅 B93031 10.0 (1時間あたりのMbps) $0
Oracle Cloud Infrastructure - ネットワーク B87062 3.0 GB/月 $0
Oracle Cloud Infrastructure - コンピュート - Standard - E4 - メモリ B93114 220.0 (GB) $2,946
合計年間コスト $155,910

*BYOL WebLogic Suiteライセンス
シェイプ名 パーツ番号 数量 コスト ($)
Oracle Cloud Infrastructure - Object Storage - Storage B91628 2550000.0 (GB) $780,300
Oracle Exadata Cloud Infrastructure X9M - データベース・サーバー B93381 19.0 (サーバー) $492,476
Oracle Cloud Infrastructure - ネットワーク B87062 2.0 GB/月 $0
10TB/月以上 B88327 200000.0 GB/月 $19,380
Oracle Cloud Infrastructure - ベア・メタルDens I/O 2.52 B88515 52.0 (OCPU) $59,193
Oracle Cloud Infrastructure - ロードバランサ・ベース B93030 1.0 (LBH) $0
Oracle Cloud Infrastructure - Block Volume B91961 100.0 (GB) $31
Oracle Exadata Cloud Infrastructure X9M - ストレージ・セル B93382 27.0 (セル) $699,840
Oracle Cloud Infrastructure - ロードバランサ帯域幅 B93031 10.0 (1時間あたりのMbps) $0
Oracle Cloud Infrastructure - File Storage B89057 500.0 (GB) $1,800
Oracle Cloud Infrastructure - Virtual Machine Dense I/O 2.16 B88516 16.0 (OCPU) $18,213
Oracle Exadata Cloud Infrastructure X9M - クォーター・ラック B93380 1.0 (ラック) $129,601
Oracle Exadata Cloud Infrastructure X9M - 追加のOCPU B88592 28.0 (OCPU) $336,003
合計年間コスト $2,536,837

*BYOL WebLogic Suiteライセンス

Oracle Cloudコスト試算ツール

Oracle Cloud Infrastructureを使用した場合のプロジェクト・コストを見積もることができます。

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