2011年5月期期末配当に関するFAQ/よくあるご質問

平成23年5月期の期末配当に関して

当社の平成23年5月期の期末配当(平成23年8月26日お支払い)に関して、株主の皆様から多数ご質問をいただいております。その中から特に多いご質問について以下にご回答申し上げます。なお、以下の内容は主に個人の株主様を対象としており、法人株主様は取り扱いが異なる場合がございますので、顧問税理士等に確認をお願いいたします。

目次

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    • なぜ取得価額の調整が必要なのか? なぜ取得価額が下がるのか?

      今回の配当の原資の一部が資本剰余金であるため、税法に基づき、純資産に対する資本剰余金の減少割合分を取得価額から減少いただく必要があるためです。

      資本剰余金は株主様からの払込み(出資金)としての性質をもっております。当社は、株主総会の決議により、資本剰余金と利益準備金を減少し、それぞれを「その他資本剰余金」「その他利益剰余金」に振り替え、これらを原資として期末配当を実施いたしました。

      このうち「その他資本剰余金」に振り替えられた「資本剰余金」を原資とする配当は税法上、株主様からの出資金の払戻しとみなされ、株主様が保有する当社株式の一部を弊社に譲渡したものとみなされます。実際に譲渡はなく、また、株主様の保有株式数が減少することもございませんが「譲渡が行われたとみなされる」ため、これを「みなし譲渡」と呼びます。「みなし譲渡」では、株主様が保有されている当社株式の取得価額を純資産減少割合相当分調整いただく必要がございます。

      なお、資本剰余金は上記のとおり減少しておりますが、資本金は減少しておりませんので、いわゆる「減資」というものではありません。

    • 取得価額の調整はどのように行うのか?

      取得価額の調整額、調整後の取得価額は次の計算式で算出できます。

      取得価額の調整額 = 従前の取得価額の合計 × 純資産減少割合(0.313)
      調整後の取得価額 = 従前の取得価額の合計 - 取得価額の調整額

      取得価額の調整額 500,000円×0.313=156,500円
      調整後の取得価額 500,000円-156,500円=343,500円
      (調整後の1株あたりの取得価格 3,435円)
    • 取得価額の調整は自分で行わなければならないのか?

      一般的には、特定口座であれば取得価額の調整は特定口座内で行われ、配当支払日以降、口座の残高通知等には調整された取得価額が表示され、株主様が計算をする必要は無いとのことです。ただし、証券会社により取り扱いが異なる可能性もございますので、お取引の証券会社に確認をお願いいたします。

      一般口座では取得価額の調整は行われませんので、株主様にて計算を行っていただく必要がございます。

    • 株式を売却するときの損益はどう計算されるのか?

      売却時の損益は「調整後の取得価額」に基づいて計算されます。

      「取得価額の調整はどのように行うのか?」記載の例であれば、売却額から調整後の取得価額(343,500円、1株あたり3,435円)を引いた額が譲渡損益となります。  なお、「みなし譲渡損益」(「みなし配当以外」の総額から「取得価額の調整額」を引いた額)がマイナスであれば、これを「みなし譲渡損失」として、通常の株式取引における損失と同様、他の上場株式等の取引により生じた利益および上場株式等の配当金や公募株式投資信託の分配金との損益通算、確定申告による損失繰越ができます。

      「みなし譲渡損益」の計算方法と例は「みなし譲渡損益とは何か?みなし譲渡損益はどう計算するのか?」を、確定申告については「私は確定申告をしなければならないのか?」「特定口座ではみなし譲渡損益まで計算されるのか?また、確定申告は必要ないのか?」を参照下さい。

    • みなし譲渡損益とは何か?みなし譲渡損益はどう計算するのか?

      「みなし配当以外」の受け取り額から、みなし譲渡により発生する「取得価額の調整額」を引き、算出された損益を「株式等の譲渡による損益とみなす」ものです。

      みなし譲渡損益は「株式等に係る譲渡所得等」として、通常の株式取引で生ずる損益と同等に取り扱われます。

      (例)1株5,000円で取得し100株保有されている場合のみなし譲渡損益の計算

      (従前の取得価額: 5,000×100株=500,000円)

      ①収入金額と見なされる金額
      「みなし配当以外」の総額 124.59円 × 100株 = 12,459円
      ②取得価額
      純資産減少割合に基づく取得価額の調整額 500,000円 × 0.313 = 156,500円
      ③みなし譲渡損益
      収入金額と見なされる金額」から「取得価額」を引いた額 12,459円 - 156,500円 = -144,041円
      (マイナスなので「みなし譲渡損」となります。)

      (平成23年8月25日付「配当金に関するご案内(PDF)」2ページ下段「(2)みなし譲渡損益について」にも計算方法を記載しております。)

    • 「みなし配当」と「みなし配当以外」とは何か?

      平成23年5月期の期末配当は、利益剰余金と資本剰余金を原資としております。 税法上、資本剰余金からの配当は「資本の払戻し」とされ、税金の取り扱いは利益剰余金からの配当と同様に扱われる「みなし配当」とそれ以外の「みなし配当以外」とに区分され、以下のとおりとなります。

      みなし配当 源泉徴収の対象となる
      みなし配当以外 配当所得ではないため、源泉徴収されない

      具体的には以下のとおりとなります。

      平成23年5月期 期末配当 1株あたり390円
      源泉徴収の対象となる配当 1株あたり265円41銭
      内訳
      利益剰余金からの配当  169円
      みなし配当  96円41銭
      源泉徴収されない配当
      (みなし配当以外)
      1株あたり124円59銭

      (例)100株を保有している場合の期末配当の手取額

      税引き前の配当金総額 39,000円(390円×100株)
      源泉徴収の対象となる配当 26,541円(265.41円×100株)
      源泉徴収税額 2,654円(265.41円×100株×10%)
      源泉徴収されない配当
      (みなし配当以外)
      12,459円(124.59円×100株)
      手取額 36,346円

      *証券会社からの通知において、みなし配当額は「配当等とみなす金額」「配当等とみなされる金額」と記載されていることがあります。

    • 私は確定申告をしなければならないのか?

      一般的に「株式投資等で利益が生じた」「株式投資等で生じた損失を翌年以降に繰り越す」「株式投資等で生じた損失と配当所得を通算する」等の場合は確定申告が必要です。また、特定口座か一般口座かでも異なります。

      例として、「1社の証券会社の特定口座のみで取引を行い、そこで源泉徴収まで済ませている」場合であれば、通常は確定申告の必要はございません。ただし、損失を繰り越す場合は確定申告が必要です。

      詳しくはお取引の証券会社、税務署あるいは税理士にご確認いただくか、国税庁のタックスアンサー「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」をご参照ください

    • 特定口座ではみなし譲渡損益まで計算されるのか?また、確定申告は必要ないのか?

      一般的には以下のとおりとなりますが、証券会社により異なる場合がございますので、お取引の証券会社にご確認をお願いいたします。 また、譲渡損失を繰り越 す場合は、口座の種類にかかわらず確定申告が必要となります。

      イ. 特定口座(比例配分方式で配当金を受領)
      取得価額 調整されています
      みなし譲渡損益 計算されています
      確定申告は不要ですが、特定口座の損失を繰り越す場合は確定申告が必要であり、「年間取引報告書」および「繰越の付表」を提出する必要があります。
       
      ロ. 特定口座(比例配分方式以外の方法で配当を受領)
      取得価額 調整されています
      みなし譲渡損益 株主様にて計算が必要です

      みなし譲渡損益は株主様ご自身で計算いただく必要がございます。その上で、
      ①みなし譲渡益が発生している場合は、原則、確定申告が必要。
      ②みなし譲渡損が発生し、その損失を繰り越す場合は確定申告が必要。
      また、①の場合は他の株式取引の損失と、②の場合は他の株式取引の利益と相殺が可能です。

      損失を繰り越す場合
      「株式等の譲渡所得等に係る金額の計算明細書」と「繰越の付表」を提出する必要があります。

      *「比例配分方式以外の方法」とは、配当金を銀行や郵貯口座への振込、配当金領収証による郵便局窓口で受け取られている場合を指します。

       
      ハ. 一般口座の場合

      取得価額の調整およびみなし譲渡損益は株主様ご自身で計算いただく必要がございます。その上で、
      ①みなし譲渡益が発生している場合は、原則、確定申告が必要。
      ②みなし譲渡損が発生し、その損失を繰り越す場合は確定申告が必要。
      また、①の場合は他の株式取引の損失と、②の場合は他の株式取引の利益と相殺が可能です。

      損失を繰り越す場合

      「株式等の譲渡所得等に係る金額の計算明細書」と「繰越の付表」を提出する必要があります。

    • みなし譲渡損益を申告する場合、確定申告書類の記入項目には何を記入したら良いのか?

      みなし譲渡損益は「株式等に係る譲渡所得等」として、通常の株式取引で生ずる損益と同等に取り扱われますので、通常の株式取引で生じた損益の申告と同様です。

      みなし譲渡損益とは何か?みなし譲渡損益はどう計算するのか?」の計算例の「収入金額と見なされる金額」が「株式等の譲渡所得等に係る金額の計算明細書」の「譲渡による収入金額①」に含める金額に、また「取得価額」が「取得費(取得価額)④」に含める金額に該当します。

      また、「株式等の譲渡所得等に係る金額の計算明細書」2面の「【参考】その他の譲渡した主な株式等の明細」を記入する場合は、「譲渡年月日」は配当支払日(平成23年8月26日)に、「譲渡による収入金額」は上記の「収入金額と見なされる金額」となります。

      また、損失を繰り越す場合は「繰越の付表」(「平成xx年分の所得税の確定申告付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」)等への記入も必要となります。

      具体的な記入方法は、税務署または税理士にご確認・ご相談をお願いします。

    • 確定申告の際に申告書とともに提出しなければならない書類は何か?

      口座が特定口座か一般口座か、他の株式取引や申告する所得等の有無によって異なりますが、一般的には、「みなし配当額がわかる書類」を添付することが必要です。

      • 配当等とみなす金額に関する支払通知書(比例配分方式で配当を受け取っている場合は証券会社が発行)
      • みなし配当金額が記載されている期末配当金計算書(株主名簿管理人が発行)

      このほか、純資産減少割合がわかる書類(弊社の「配当金に関するご案内」)や当初の取得価額がわかる書類(証券会社が発行する取引報告書等)の添付が必要なこともございます。

      必要書類につきましては、お取引の証券会社、税務署または税理士にご確認・ご相談をお願いします。また、書類の紛失等による再発行は、お取引の証券会社または株主名簿管理人(三菱UFJ信託銀行) にお問い合わせ願います。

    • 税務署の窓口を知りたい、確定申告の書類等を入手したい。

      お住まいの地区を管轄する税務署窓口は国税庁の「税についての相談窓口」でご確認ください。電話窓口および聴覚障害者用ファックスのご案内がございます。

      国税庁「税についての相談窓口」http://www.nta.go.jp/shiraberu/sodan/sodanshitsu/9200.htm

      確定申告書の作成、申告書類の入手

      国税庁「所得税(確定申告書等作成コーナー)」
      http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kakutei.htm

    • 受け取った配当額が取得価額の調整額より少ない理由は?

      取得価額の調整は、純資産額に対して減少した純資産額の割合で計算されることによるものです。純資産減少割合は以下に基づき算出されております。

      税務上の純資産額 ① 89,875,420,965円
      減少した純資産額 ②
      (資本準備金の減少額)
      28,087,450,456円
      純資産減少割合(②÷①) 0.313

      *純資産減少割合の算出に利用される純資産額は税務上の純資産額であるため、会社法上の純資産額とは異なります。

    • 私は配当の権利をとった株式と権利落ちしてから取得した株式を保有している。取得価額の調整はどう計算するのか?

      取得価額の調整は、資本の払い戻しの基準日(=配当基準日、平成23年5月31日)時点で保有していた株式数(=配当の権利を有する株式数)に対して適用されます。

      調整前の取得単価(従前の取得価額)は、配当の効力発生日(支払日、平成23年8月26日)時点で保有している株式の平均取得単価になります。

      具体的には以下の例を参照ください。
      (前提)

      配当の権利を取った株式の取得単価:4,000円(200株保有)

      配当の権利落ち後に取得した株式の取得単価:2,800円(100株保有)

      上記の平均単価:3,600円(300株)

      みなし譲渡損益に対する取得価額:
      (3,600円《300株の平均単価》×200株《権利を取った株式》)×0.313=225,360円

      新取得単価:
      《200株×{3,600円-(3,600円×0.313)}+100株×3,600円》÷300株=2,848.8⇒2,849円(円未満切上げ)

      新取得価額:2,849円×300株=854,700円

      上記例は、国税庁が公表している「個人株主に対して資本の払戻し(資本剰余金の額の減少)があった場合における株式等に係る譲渡所得等の金額、取得価額の調整等について(情報)」の「ケース4」に該当するものです。

    • 提出した確定申告の修正はできるのか? 提出してない年の確定申告はいつまで提出可能か?

      提出した確定申告の修正

      今回のみなし譲渡損失は平成23年8月の特別配当支払により発生していますので、申告は平成23年分の確定申告で行う必要があります。平成23年分の確定申告を提出済みの株主様で、みなし譲渡損失を申告に含めていなかった場合は「所得税の更正の請求手続」により申告書を訂正できます。詳細は国税庁の「所得税の更正の請求手続をご覧いただくか、最寄りの税務署にご相談ください。更正請求は法定申告期限(平成23年分の申告は平成29年12月31日まで)に行う必要があります。

      (国税庁 還付申告ができる期間と提出先)

      ただし、損失繰越は損失が発生した年の翌年から3年間ですのでご注意ください(例、平成23年の損失の繰越ができるのは平成26年12月31日まで)。

      平成23年分の確定申告を行っていない場合の申告期限

      平成23年分の申告は平成29年12月31日まで申告可能です。ただし、損失繰越は損失が発生した年の翌年から3年間ですのでご注意ください(例、平成23年の損失の繰越ができるのは平成26年12月31日まで。)。

      国税庁 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除