Oracle Data Platform for Manufacturing

Drive manufacturing operational efficiency and performance

高度な分析による、生産量、品質、サステナビリティの向上

運用効率とパフォーマンスを向上させるためのデータ活用は、コンピュータ数値制御インフラストラクチャ、サプライチェーンと倉庫システム、ロジスティクスとテストシステムなど、あらゆる種類の製造生産システムに適用できるユース・ケースであるため、特に製造業に適しています。

メーカーは従来、過去の記述的および診断的メトリックに重点を置いてきましたが、現在では高度な分析、機械学習、データ・サイエンスを使用してパフォーマンス向上を測定し、先行的、予測的、処方的な提案事項を策定し始めています。

このユース・ケースは、設備、ライン、プラントの運用効率やパフォーマンス・メトリクスを測定するための製造実行システム(MES)、倉庫管理システム(WHMS)、コンピュータ・メンテナンス管理システム(CMMS)、メンテナンス・システムにより生成されたデータの取り込み、保存、管理、インサイトの取得に必要なデータ・プラットフォーム・アーキテクチャに焦点を当てています。

生産プロセスやパフォーマンスに関するデータを取り込み、キュレート、分析することで、メーカーはボトルネックや非効率を特定および排除し、生産スケジュールを最適化して生産量を増やすことができます。製品の品質に関するデータにも同じアプローチを適用することで、メーカーは欠陥のパターンや根本原因を特定することができ、より効果的な品質管理対策の実施に役立てています。さらにメーカーは、エネルギー消費に関するデータを含めることで、コスト削減とサステナビリティ向上を目的としたエネルギーの効率化を推進できる分野を特定することが可能です。

包括的なデータ・プラットフォームによる予測メンテナンスの最適化とコスト削減

ここで紹介するアーキテクチャは、オラクルの推奨コンポーネントを組み合わせて、発見からアクション、測定まで、データ分析のライフサイクル全体をカバーし、上記のような幅広いビジネス上のメリットをもたらす分析アーキテクチャを構築する方法を示しています。

運用効率とパフォーマンスを向上させる方法の図と説明

この図は、製造業向けOracle Data Platformを使用して、運用効率とパフォーマンスをサポートする方法を示しています。このプラットフォームは、以下の5つの柱を掲げています。

  1. 1 データソース、検出
  2. 2 取込み、変換
  3. 3 永続化、キュレーション、構築
  4. 4 分析、学習、予測
  5. 5 測定、実行

Data Sources、Discoveryの柱には、3つのカテゴリーのデータが含まれます。

  1. 1. Oracle Appのデータは、Fusion SaaS、Oracle E-Business Suite、CXのデータから構成
  2. 2. ビジネス・レコード(ファーストパーティ・データ)CRM、トランザクション、アカウント情報、収益、マージン
  3. 3. サードパーティー・データは、外国為替レート、マーケット・フィード、商品価格から構成

取込み、変換の柱は、4つの機能で構成されます。

  1. 1. バッチ取り込みには、OCI Data Integration、Oracle Data Integrator、DBツールなどを使用します。
  2. 2. 一括転送には、OCI FastConnect、OCI Data Transfer、MFT、OCI CLIを使用します。
  3. 3. 変更データ取得にはOCI GoldenGateを使用します。
  4. 4. ストリーミング取り込みには、OCI Streaming Kafka Connectを使用します。

4つの機能はすべて、永続化、キュレーション、構築の柱の中で、サービング・データ・ストアとクラウド・ストレージに一方向に接続されます。

さらに、ストリーミングの取り込みは、分析、学習、予測の柱の中で、ストリーム処理に接続されます。

永続化、キュレーション、構築の柱は、5つの機能で構成されます。

  1. 1. サービング・データストアには、Oracle Autonomous Data WarehouseとExadata Cloud Serviceを使用します。
  2. 2. クラウド・ストレージには、OCI Object Storageを使用します。
  3. 3. マネージドHadoopには、Oracle Big Data Serviceを使用します
  4. 4. バッチ処理には、OCI Data Flowを使用します。
  5. 5. ガバナンスには、OCI Data Catalogを使用します。

こうした機能は、柱の中で接続されています。クラウド・ストレージは、サービス・データストアには一方向に接続され、バッチ処理には双方向に接続されています。

2つの機能は、分析、学習、予測の柱につながります。サービング・データストアは、分析機能と可視化機能、そしてデータ製品とAPI機能の両方に接続します。クラウド・ストレージは、機械学習機能に接続します。

分析、学習、予測の柱は、2つの機能で構成されます。

  1. 1. 分析、可視化は、Oracle Analytics Cloud、GraphStudio、およびISVを使用します。
  2. 2. 機械学習には、Oracle Machine Learningを使用します。

測定、行動の柱は、人とパートナーによるデータ分析の利用方法を捉えます。

人とパートナーは、運用効率(処理時間、エラー率、リソース使用率)、プロセス・ボトルネックの特定、顧客生涯価値、市場および競合分析、パフォーマンス評価で構成されます。

3つの中心的な柱である、取り込み、変換と永続化、キュレーション、構築と分析、学習、予測は、インフラ、ネットワーク、セキュリティ、IAMでサポートされています。



データの接続、取込み、変換

オラクルのソリューションは、それぞれが特定のデータ・プラットフォーム機能をサポートする3つの柱で構成されます。最初の柱は、データの接続、取り込み、変換の機能を提供します。

メーカーが運用効率とパフォーマンスを向上させるために、アーキテクチャにデータを注入する方法は主に4つあります。

  • プロセスを開始するために、オペレーション・トランザクション・データの一括転送を有効にします。一括転送サービスは、大量のデータを初めてOracle Cloud Infrastructure(OCI)に移動させる必要がある場合に使用します。具体的にどのような一括転送サービスを利用するかは、データの保存場所や転送頻度によって決まります。例えば、過去の計画やデータウェアハウス・リポジトリから大量のオンプレミス・データをロードするためには、OCI Data TransferサービスやOCI Data Transfer Applianceを使用することがあります。大量のデータを継続的に移動させる必要がある場合は、お客様のデータセンターとOCIの間を広帯域の専用プライベート・ネットワークで接続するOCI FastConnectの利用を推奨しています。
  • 通常、リアルタイムまたはほぼリアルタイムの抽出が頻繁に必要とされ、OCI GoldenGateを使用して倉庫管理、スケジューリング、受注管理システムから定期的にデータを取り込みます。OCI GoldenGateは、変更データの取得を使用して、サービスが必要なシステムの基本構造の変更イベント(たとえば、新しいコンポーネントの追加、メンテナンス作業の完了、天候の変化など)を検出し、そのデータを永続性レイヤーやストリーミング・レイヤーにリアルタイムで送信します。
  • 製造業にとって、複数のソースからのリアルタイムでデータ分析を行うことは、業務効率や全体的なパフォーマンスに関する貴重なインサイトの提供につながります。このユース・ケースでは、ストリーミングの取り込みを使用して、IoTやマシン間通信などを通じてセンサーから読み取ったデータをすべて取り込みます。データ・ストリームをリアルタイムで取得し、分析する機能は、メーカーが資産の予測メンテナンスを行う上で極めて重要です。ストリームは、監視制御およびデータ取得(SCADA)システム、プログラマブル・ロジック・コントロール、バッチ・オートメーション・システムなど、複数のISA-95レベル2システムからの発信が可能です。データ(イベント)が取り込まれ、OCIオブジェクト・ストレージに保存される前に、基本的な変換と集計がいくつか行われることになります。相関するイベントを特定するために追加のストリーミング分析を利用することが可能であり、特定されたパターンは、OCI Data Scienceを用いた生データの調査のために(手動で)フィードバックすることができます。
  • この高頻度なストリーミング・データをリアルタイムに分析するために、ストリーミング処理を使用して高度な分析を実現します。従来の分析ツールが保存されているデータから情報を抽出する一方で、ストリーミング分析は稼働中つまりリアルタイムのデータの価値を評価します。そして、メリットはそれだけではありません。ストリーミング分析は高度に自動化できるため、メーカーの運用コスト削減に役立つ可能性があります。例えば、ストリーミング分析により、電気や水道などの基本的な光熱費のデータをリアルタイムで提供することができます。工場やプラントはそこで、自動ストリーミング分析ツールを使用し、エネルギー・コスト削減のために最適化できる分野に関するインサイトに即座にアクセスし、人工知能を用いた特定のオペレーション・イベントへの適切な対応をとることができます。ストリーミング分析は、今後の機器のメンテナンスの必要性をリアルタイムで予測することも可能で、企業が今後の修理や定期的なメンテナンスに十分に備える上で役立ちます。
  • リアルタイムのニーズは進化していますが、ERP、計画、倉庫管理、輸送管理システムからの抽出は、ETLプロセスにを用いたなんらかのバッチ取り込み が最も一般的です。バッチ取り込みは、データ・ストリーミングをサポートできないシステム(たとえば、古いSCADAや保守管理システム)からデータをインポートするために使用します。こうした抽出は、10分や15分といった頻度で行うことができますが、個々のトランザクションではなく、トランザクションのグループを抽出して処理するため、性質的にはあくまでバッチ処理です。OCIは、ネイティブのOCI Data Integrationサービスや、OCI Computeインスタンス上で動作するOracle Data Integratorなど、バッチ取り込みを処理するさまざまなサービスを提供しています。サービスの選択は、主に技術的な要件よりもお客様の嗜好に基づいて行われることになります。

データの維持、処理、キュレート

データの永続化と加工は、3つの(オプションとしては4つの)コンポーネントの上に構築されています。お客さまによっては、そのすべてを使用する場合も、サブセットで使用する場合もあります。データの量や種類によっては、オブジェクト・ストレージにロードしたり、構造化されたリレーショナル・データベースに直接ロードして永続的に保存することが可能です。データ・サイエンス機能の適用を想定する場合は、データ・ソースから生の状態(未処理のネイティブ・ファイルや抽出物)で取得したデータをトランザクション・システムからクラウド・ストレージにロードすることがより一般的です。

  • クラウド・ストレージは、オラクルのデータ・プラットフォームで最も一般的なデータ永続性レイヤーです。構造化データと非構造化データの両方に使用することができます。OCI Object Storage、OCI Data Flow、Oracle Autonomous Data Warehouseが基本的な構成要素です。データソースから生の状態で取得したデータを取り込み、OCI Object Storageにロードします。OCI Object Storageはプライマリ・データ永続性層で、OCI Data FlowのSparkはプライマリ・バッチ処理エンジンです。バッチ処理には、基本的なノイズ処理、欠損データ管理、定義されたアウトバウンド・データセットに基づくフィルタリングなど、複数の作業が含まれます。結果は、必要な処理と使用されたデータ・タイプに基づいて、さまざまな層のオブジェクト・ストレージまたは永続的なリレーショナル・リポジトリに書き戻されます。
  • Oracle Big Data Service for Hadoop(マネージドHadoop )は、OCI Object Storage および OCI Data Flow構成に代わるものです。2つの構成は、製品またはスキルの観点から、お客様およびHadoopエコシステムに既存の投資があるかどうかに応じて組み合せて使用することもできます。Hadoopの下で(Hadoop Distributed File Systemではなく)オブジェクト・ストレージをすでにご使用中のお客様は、この構成をOracle Big Data Serviceに移行できます。お客様がどのような可視化ツールやデータ・サイエンス・ツールを使用しているか、または使用しようとしているかによってはHiveといったHadoop環境内の他のコンポーネントも使用可能となり、Big Data Serviceの使用を促進することができます。このアーキテクチャは、オラクルが提供するすべてサービスの概要を示しているものの、お客様は既存のコンポーネント、特にすでに導入している可視化ツールやデータ・サイエンス・ツールの一部を引き続き使用することが可能です。
  • ここでは、サービング・データストアを使用して、クエリのパフォーマンスのために最適化された形でキュレートされたデータを保持します。サービング・データストアは、質の高いキュレートされたデータをSQLベースのツールでエンド・ユーザーに直接提供するために使用される、永続的なリレーショナル・データ層です。このソリューションでは、Oracle Autonomous Data Warehouseは、エンタープライズ・データウェアハウスと、必要に応じてより専門的なドメイン・レベルのデータマートのためのサービング・データストアとしてインスタンス化されます。また、データ・サイエンス・プロジェクトのデータソースや、Oracle Machine Learningに必要なリポジトリとなることもあります。サービング・データストアは、Oracle MySQL HeatWave、Oracle Database Exadata Cloud Service、Oracle Exadata Cloud@Customerなど複数ある形式のいずれかを取ることができます。

データの分析、予測、行動

分析、予測、行動をする機能は、3つのテクノロジー・アプローチにより促進されます。

  • 高度な分析機能は、メンテナンスとパフォーマンスの最適化に不可欠です。このお客様事例では、分析と可視性を提供するために、Oracle Analytics Cloudを活用します。これにより、組織は記述的分析(ヒストグラムやチャートで現在の傾向を説明)、予測分析(将来のイベントを予測し、傾向を特定し、不確実な結果の確率を決定)、処方的分析(最適な意思決定をサポートするために適切な行動を提案)を使用することができます。
  • 高度な分析に加えて、データ・サイエンス、機械学習、人工知能が異常の検出、故障の発生箇所の予測、ソーシングプロセスの最適化に活用されることが増えています。データベースには、OCI Data Science、OCI AI Services、Oracle Machine Learningを使用することができます。機械学習とデータ・サイエンスの手法を用いて、予測メンテナンス・モデルを構築およびトレーニングしています。これらの機械学習モデルはその後、APIを介してスコアリング用に導入したり、OCI GoldenGateストリーム分析パイプラインの一部として組み込むことができます。場合によっては、Oracle Machine Learning Services REST APIを使用して、これらのモデルをデータベースに導入することも可能です(これを行うには、モデルがOpen Neural Network Exchange形式であることが必要です)。さらに、Jupyterや Python中心のノートブック用のOCI Data Scienceや、Zeppelinノートブックおよび機械学習アルゴリズム用のOracle Machine Learningを、サービング・データストアまたはトランザクション・データトア内に導入することができます。同様に、Oracle Machine LearningとOCI Data Scienceを単体または組み合わせて、推奨および決定モデルを開発することができます。これらのモデルはサービスとして導入することができるので、OCI API Gatewayの背後に導入して「データ製品」や「サービス」として提供することが可能です。最後に、構築された機械学習モデルは、分散制御システムの一部であるアプリケーションへの導入(許可されている場合)や、Oracle Roving Edge Deviceなどを介したエッジへの導入が可能です。

データサイエンスと機械学習で特定したパターンを組み合わせて作成した複数のモデルは、AIサービスが提供する応答システムや意思決定システムに適用することができます。

  • OCI Anomaly Detectionは、サプライチェーンのパフォーマンス指標(例えば、原材料の在庫、生産スループット、仕掛品、通過時間、在庫回転率など)をリアルタイムで監視し、混乱を特定し対処する上で役立ちます。複雑なサプライチェーンにおいて、特定された異常の重大度スコアは、観測されたビジネスの障害に優先順位をつけて対処する上で役立ちます。
  • OCI Forecastingは、需要、供給、リソース容量などのサプライチェーンの指標を予測し、事前に準備するための適切なアクションを取る上で役立ちます。
  • OCI VisionとOCI Languageは、発送する製品の品質レポートや製品欠陥レポートなどのドキュメントを理解し、サプライチェーンのデータを充実させる上で役立ちます。

最後に重要な要素として、データ・ガバナンスがあります。これは、データ・プラットフォーム・エコシステム内のすべてのデータ・ソースに対して、データ・ガバナンスとメタデータ管理(技術メタデータとビジネス・メタデータの両方)を提供する無料サービスであるOCI Data Catalogによって実現されます。また、OCI Data Catalogは、Oracle Autonomous Data WarehouseからOCI Object Storageへのクエリにおいて、保存方法に関係なくデータを迅速に検出する方法を提供する極めて重要なコンポーネントです。これにより、エンド・ユーザー、開発者、データ・サイエンティストは、アーキテクチャ内のすべての永続データストアで共通のアクセス言語(SQL)を使用することができます。

運用効率とパフォーマンスを向上させるデータ活用のメリット

ビジネスの迅速化と競争の激化に伴い、重要なオペレーティング・データの提供に使用されていたレガシー・システムでは対応しきれなくなっています。このようなシステムでは、断片的でサイロ化されたデータを照合、統合し、レポートを作成するために多くの手作業が必要なため、情報の入手が遅すぎてビジネスに必要な利益を得ることができません。

生産リソースを最大限に活用することは、製造業務を最適化する上で非常に重要です。誤った製品を生産したり、適切な製品を非効率的に生産したりすることに費やす1分1秒は、コストや無駄を増やすだけでなく、顧客が必要とするものを提供する妨げにもなります。業務の最適化とパフォーマンスの向上は、メーカーに次のような数多くのメリットをもたらすことがあります。

  • 効率化、生産時間とコストの削減、生産量の増加、生産性の向上
  • 不良品の減少、製品の品質向上、顧客満足度の向上
  • 安全リスクと危険の迅速な特定による安全対策の改善と労働災害の減少
  • 無駄の削減、サプライチェーンの効率化、在庫水準の最適化
  • 価格、品質、革新性の面での競争力の向上による、企業の市場 における競合優位性の獲得
  • 廃棄物の削減、エネルギー効率の向上、製造工程における環境への影響の最小化によるサステナビリティの向上

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