OCI Application Performance Monitoring(APM)は、アプリケーションのパフォーマンスについて詳細な可視性を提供するサービスです。これによってDevOpsのプロフェッショナルは問題を迅速に診断し、一貫したレベルのサービスを提供できるようになります。組織はコアビジネスプロセスをサポートするため、アプリケーションに依存しています。こうした組織は、オンラインの顧客が確実に情報にアクセスしてトランザクションをタイムリに完了できるように、プロアクティブなステップを取る必要があります。APMを使用することで、顧客に対するアプリケーションのパフォーマンス障害が90%*削減され、労力とコストも削減できました。
Oracle Application Performance Monitoringの概要を紹介します。
APMは、分散トレーシングシステムを堅牢なサービスとして実装したものです。これによりDevOpsチームは、OCIやオンプレミス、その他のパブリッククラウドで実行されている新しいアプリケーションと従来のアプリケーションのすべてのトランザクションを追跡できます(サンプリングも集計も行われません)。このサービスは、マイクロサービス・ベースのアプリケーションにもレガシーの多層アプリケーションにも、効果的なモニタリングを提供します。
このサービスでは、OpenTracingやOpenTelemetryなどのオープン・スタンダードを使用して、すべての共通プログラミング言語をモニタリングできます。専用Javaエージェントが従来のJ2EEアプリケーションまでカバーするため、ハイブリッド環境向けのエンドツーエンドのトランザクション・トレースが可能です。これらの機能をLogging Analyticsと組み合わせて使用することで、開発者およびIT運用スタッフは次のような操作を実行できます。
個々のトランザクションをトレースするインスタンスレベル観測によって豊富な一連のメトリックが提供され、それに基づいてパフォーマンス、可用性、負荷分析の自動アラートを受け取ることができます。
インスタンスレベルの包括的な診断により、すべてのトランザクションの正確な実行詳細をリアルタイムまたは長期にわたって検索できます。分散トレーシングは、ZipkinやJaegerなどのOpenTracing/OpenTelemetryと互換性があります。
柔軟な問合せ言語を使用して、アプリケーションの動作に関するインサイトを取得できます。トレースデータは、即時利用可能なディメンションやカスタム・ディメンションを使用してフィルタおよびクラスタ化され、包括的な分析を可能にします。
優れたエンドユーザー・エクスペリエンスを提供することは、あらゆるアプリケーション・マネージャにとって難しい仕事です。APMは、アプリケーションへのアクセス場所やアクセス方法にかかわらず、各エンドユーザーの実際のエクスペリエンスを常時追跡するためのモニタリングを提供し、担当者の負荷を軽減します。
ブラウザからアプリケーションにデータを収集し、エンドツーエンドの実際のユーザー・エクスペリエンスを測定できます。
各ユーザーセッションをエンドツーエンドでトレースし、診断します。ヘルプデスク担当者はこの機能を使用して、他の方法では再現が難しい問題を文書化できます。
個々のエンドユーザーのアクションをバックエンドトレースに接続し、ユーザーに発生する問題を迅速に解決できるようにします。また、DevOpsスタッフはバックエンドの問題の影響を分析し、多数のエンドユーザー・グループに影響する問題を優先順位付けできます。
プロアクティブ・モニタリングは、開発者とオペレータが、ユーザーに影響する問題を事前に防止するのに役立ちます。合成モニタリングでは、アプリケーションの可用性を確保するため、スケジュールされたスクリプト化モニターを実行できます。
単一のURLをモニタリングするか、Selenium IDEでスクリプト(.sideファイル)を作成してAPM内で実行することで、HTTPアーカイブ(HAR)ファイルとスクリーンショットを収集・取得し、潜在的な問題を可視化してフローを把握できます。
単一のREST APIをモニタリングするか、Postmanでスクリプト(JavaScriptファイル)を作成して一連の依存関係APIインタラクションを実行することで、カスタム・アプリケーション、SaaSサービス統合、サードパーティ・アプリケーションで使用されているAPIをモニタリングできます。
各モニター実行のアクションはバックエンドトレースに接続され、テスト実行で発生した問題を迅速に解決できます。また、DevOpsはバックエンドの問題の影響を分析し、多数のエンドユーザー・グループに影響するサービスやネットワークの問題を優先順位付けできます。
すべてのOCIデータセンターで利用可能な複数の場所(バンテージポイント)からモニターを実行します。
任意のコンポーネントからメトリックを引き出し、クラウドネイティブ・メトリックを大規模に収集します。既存のPrometheusエクスポータを利用したり、カスタム・メトリック・ソースを作成したりして、最適なモニタリングに必要となる正確なメトリックを取得できます。
Java仮想マシン(JVM)からメトリックを収集します。TomcatやOracle WebLogic Server、その他の一般的なアプリケーション・サーバーの即時利用可能な構成を拡張して、任意のJava Management Extensions(JMX)データを収集できます。
アラームおよび通知にはOCI Monitoringサービスを使用します。OCI Logging Analyticsとの統合により、問題が発生しているアプリケーションの関連ログにドリルダウンできます。すぐに使用できるダッシュボードや作成したカスタム・ダッシュボードで、モニタリングサービスによるログデータやその他のデータソースとともに、APM収集データ(サーバーメトリックとトレースデータに基づくメトリック)を表示できます。
オラクル、プリンシパル・クラウド・アーキテクチャ(インフラストラクチャ)担当、Venugopal Naik
OCI Application Performance Monitoringは、アプリケーションのパフォーマンスについて詳細な可視性を提供します。これによって問題を迅速に診断し、一貫したレベルのサービスを提供できるようになります。APIおよびベンダーに依存しないインストルメント化フレームワークであるOpenTracingをサポートしているため、アプリケーション開発者はアプリケーション・コードをインストルメント化して、OCI Application Performance Monitoringでトレース・データを分析できます。この例では、Zipkinトレーサを使用してPython FlaskベースのWebアプリケーションをインストゥルメント化します。
全文を読むオラクルの統合型可観測性および管理プラットフォームの中心であるApplication Performance Monitoringは、他の可観測性サービスとともに、機械学習および高度なビジュアライゼーションを使用して複数層コーディング問題を迅速にデバッグできます。
デモ:Oracle Cloud Observability and Management Platformによるパフォーマンス問題の迅速な診断(6:00)
APMは、実際のユーザーモニタリングに加えて、包括的なアプリケーション・パフォーマンス・モニタリング・ソリューションを実現する合成モニタリングを提供します。合成モニタリングを使用すると、IT運用チームは、アプリケーションの可用性をプロアクティブにモニタリングし、ユーザー・エクスペリエンスやアクティビティに関係なく、問題を早期に検出できます。
製品 |
比較価格(/vCPU)* |
単価 |
単位 |
Application Performance Monitoring Service - Tracing Data |
$0.00 | 1,000イベント/時間 | |
Application Performance Monitoring Service - Tracing Data* |
$0.65 | 100,000イベント/時間 | |
Application Performance Monitoring Service - Synthetic Usage** |
$0.02 | 10モニター実行/時間 | |
Application Performance Monitoring Service - Stack Monitoring - 10 Monitored Resources Per Hour |
$0.075 | 10のモニター対象リソース/時間 |
*1つ以上の有料のAPMドメインが定義されているかぎり、テナント/リージョンごとに1つ以上のユニットが課金対象になります。
**Application Performance Monitoring Service - Tracing Dataが1ユニット以上必要です。
*「オラクルとローンスター大学、オンライン教育を変革」ローンスター大学副学長Longin Gogu氏