Oracle ACEってどんな人?世界基準のトップエンジニアにインタビュー
《第4回:諸橋渉氏》自分にできることを、
サポートエンジニアとしてやり続ける。

日本にわずか14人しか存在しない「Oracle ACE」へのインタビューシリーズ。最終回となる第4弾は、日本HPのサポートエンジニアとして活躍する諸橋渉氏にご登場いただいた。サポートエンジニア である自分がOracle ACEに認定された意味を、実に深く考え、行動に移している諸橋氏。その姿にサポートという仕事へのプライドを感じずにはいられない。(編集部)

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Oracle ACE
諸橋 渉氏
OTNのフォーラムなどではwmo6hashのIDで活動中。自身のブログ「wmo6hash::blog」でも積極的にOracle製品の技術関連情報を発信している。

■一度は辞退していたOracle ACEへの推薦

私は現在、お客さまに対して Oracle製品を使ったシステムのサポートを担当しています。いわゆるサポートセンターでサポートサービスを提供することが日常業務です。

プログラマーとしてこの業界に入り、サポートエンジニアとして転職した最初のうちはOSのサポートを担当していましたが、前職でOracle Databaseを用いたソフトウエアの開発にも携わっていたことから、1997年頃にOracle Databaseの製品サポートも行うようになり、しだいにそれが業務の大半を占めるようになっていきました。業務とはいえ様々な技術と関わる人たちから 学ぶことや教えられることの繰り返しです。実は昨日も今日も新しい技術の研修で、朝からオラクル青山センターに缶詰になっていました(笑)。

このような日常業務とは少し離れた行動とその成果を知る方々や、様々な行動の支えになってくださっている方々から、Oracle ACEへの推薦はわりと早い段階で打診されていました。日本人のOracle ACEが、まだ山岸さんと 当時日本オラクルの社員だった方の2名だけの頃です。その頃は遠慮させていただきました。当時お二人の存在感は圧倒的でした。誰かがわからないことがあっ てOTN-Japanの掲示板に行ってみると、必ずいらっしゃるようなすごい人達と比べたら、自分はまだ何もやってないと思っていたのです。また「サポー トはあまり表に出るべきではない」とも思っていました。

■サポートエンジニアは「答え」を作る

問いに対する「答え」を作るのがサポートエンジニアの主な仕事です。当然その「答え」を作るために新しいことへも先んじて取り組む必要があります。たと えば技術情報を作成して用意することや理解しておくこと。そのためには、製品を使って失敗を重ね、あらかじめ誰かが同じような失敗をしないようにするため にはどうしたら良いのか考えたりしています。

ところが、実際に接点があるのは問いが生じてからが多いために、技術情報は他の誰かが作っていて、サポートエンジニアは用意された文章を探して読んでい るだけだと思われることがあります。このような印象を持たれることは不思議ではありません。しかし、このような印象しか持たれないことに対して何かできな いだろうかと考えていました。そして、少なくとも自らが行動を変える必要があると思い、些細なことでもいいから何かはじめてみようと思いました。まずはそ れまで行っていなかったOTN-Japanの掲示板で発言をしたり、ブログをはじめたりしました。

特にOracle OpenWorld 2008が開催された時に、私も参加して世界中のさまざまなエンジニアと交流したのですが、そこでお互いを尊重し対等に扱う世界があることを再確認できま した。できればこちらの世界にも身を置きたいと思い、彼らから得たヒントを活かして行動を変えていきました。IDのwmo6hashを使い出したのはこの 頃のことです。

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 翌年のOracle OpenWorld Tokyo 2009では自らアンカンファレンスのオーガナイザーをしました。大トリを務めることになるとは思いませんでしたし、大きなイベントで大勢のエンジニアを 前にして発表することは初めての経験でした。参加していただいた多くの素晴らしいエンジニアの方々と交流ができるきっかけになり、思い切ってやってみてよ かったなと思います。こんな行動を続けていく過程で、改めて推薦したいというお話しをいただいたのが、Oracle ACEに認定された経緯です。

私自身にとってOracle ACEというのは、自分になりにいろいろと考えて、実際に行動を重ねてきたことへの、ちょっとしたご褒美のようなものだと思っています。また、続けていくことへのお墨付きをいただいたと思っています。

■できることを淡々と、これからも続けていく

今、私が注力しているのは、OTNとMy Oracle Support Community(以下MOSC)を連携していくことです。MOSCはMy Oracle Support(以下MOS)のサービスメニューのひとつとして展開されている技術者のコミュニティです。

まだMOSCが立ち上がる前の2008年に書かれたOTN-Japanのオフィシャルブログの記事「"My Oracle Support"の手引き」 の中に、「どのようにすれば、OTNとMy Oracle Supportの効果的なコラボレーションができるでしょうか?そのために私たちはどうすべきだと思いますか?」という問いかけがありました。それを見 て、サポートエンジニアという職種はその答えを出すのに最適だし、また自ら答えを出してみたいと思いました。このことも先に述べた行動を変えようと思った 動機のひとつでした。

このMOSCはサポート契約を結んでいる人が利用する場のため、どうしても閉鎖的になってしまいがちなところを、私なりの方法で開かれた場にしていきた い。MOSCで初期のころに投稿した話題は、今でも活発な議論がなされており、最も参照数が多いディスカッションになっています。また、ブログに書いた記 事の続きをドキュメントにしてMOSCに置き、MOSCに置いたドキュメントを元にブログに記事を書き、MOSCに置いたドキュメントを見た方からブログ にコメントをいただいたりしています。私のブログはOTNやOTN-Japanでもたまに取り上げていただいているので、わずかではありますがコラボレー ションは形になってきています。もちろんこれから違うこともしていくつもりです。

MOSやMOSCに限らず有益な技術情報は多くあります。散在しているものをまとめ直すだけでも貴重な情報源になりうるものがたくさんあって、見る人が 見れば非常に価値の高い技術情報になる。なければ自らが作ることができる。それを多くのエンジニアに見てもらい、お互いが役立てるための道筋が少しでも作 れたらいいなと思っています。

こんなことを既にしている人がいるとわかれば、エンジニア同士の交流もさらに広がっていくのではないかと思っています。私がOracle ACEに認定された意味とは、こんなことにもあるのではと思っています。

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