クラウド・コンピューティングにおけるAIの役割とメリット

Jeffrey Erickson | コンテンツ・ストラテジスト | 2024年6月21日

クラウド・コンピューティングに関連するAIについては、2つの考え方があります。ひとつは、クラウド・コンピューティング・プロバイダーが、自社のプラットフォームでAIを活用したかつてないほど高度なサービスやアプリケーションを利用可能にするためにしのぎを削っていることです。もうひとつは、AIと、AIが促進する自動化と迅速な意思決定が、ハイパースケール・クラウド・プラットフォームをますます現実のものにしているということです。

どちらも真実であり、クラウド・コンピューティングとAIの未来は相互に絡み合い、興味深いものとなっています。ここでは、その未来の可能性についてご説明します。

AIとは

AI(人工知能)とは、アルゴリズムとデータを使用して、音声を認識したり、プロンプトに応じて画像を作成するなど、通常人間の知能が必要となるタスクを実行するコンピューター・システムを指します。場合によっては、AIは数秒のうちに大量のデータに関わる複雑な計算や分析を極めて高い精度で実行し、異常を特定するなど、人間にはできないことを実行することもあります。

AIテクノロジーは急速に進歩しており、顧客とのコミュニケーションの改善、デジタル・メディアの作成、診断の高精度化、サイバーセキュリティの強化、さらにはビジネスの意思決定への助言など、さまざまな用途を見出しています。

「人工知能」という用語は、多くの場合、機械学習(ML)やディープラーニングなどの関連テクノロジーと同じ意味で使用されることがよくあります。その違いは、AIが研究分野を広く表現しているのに対して、機械学習システムはより狭く、取り込んだトレーニング・データに基づいて、特定の決められたタスクを実行する際の学習のような改善に焦点を当てている点です。ディープラーニングは、人間の脳の設計をシミュレーションするために設計された複雑なニューラル・ネットワーク上に構築された同様のプロセスです。この構造により、ディープラーニングシステムは複雑で非線形な関係を検出し、複雑で不正確なデータから意味を導き出すことができます。ChatGPTやCohereのような大規模言語モデル(LLM)は、ディープラーニングとキュレーションされた大量のデータを使用してトレーニングします。一度トレーニングされたLLMは、正しい回答を推論または予測することによって質問に答えることができる生成AIシステムの中核となります。その結果、質問に対する人間のような見事な言語応答が可能になります。

AIの価値を最大限に引き出すために、多くの企業がデータ・サイエンス・チームに投資を行い、自社のアプリケーション用に構築できる高度なAIモデルおよびサービスを求めています。

クラウド・コンピューティングとは

簡単に言えば、クラウド・コンピューティングでは、ITサービスを購入する代わりにレンタルすることができます。企業は、データベースとソフトウェア、設備、ハードウェアに投資する代わりに、コンピュート能力にインターネット経由でアクセスし、使用した分だけ料金を支払うという方法を選ぶことができます。クラウド・コンピューティングの主な特徴は、従量制、スケーラブル、オンデマンドで利用可能であることです。

クラウド・サービスには、サーバー、ストレージ、データベースなどのインフラストラクチャのほか、データ分析、人工知能、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)や人材管理などのビジネス機能向けアプリケーションなど、インフラストラクチャ上に構築されたサービスも含まれます。これらのアプリケーションには、AIによる機能がますます増えています。たとえば、印刷されたドキュメントをデジタル形式へと変換し、それらのドキュメントを買掛金や売掛金などの機能で分類する機能です。

主なポイント

  • AIはクラウド・コンピューティングに統合され、クラウド・サービスの自動化、意思決定、スケーラビリティを強化します。
  • クラウド・コンピューティングはAIに必要なインフラストラクチャを提供するため、ビジネスはハードウェアとソフトウェアに多額の投資をすることなくAIテクノロジーを活用することができます。
  • クラウド・コンピューティングにおけるAIは、反復的なタスクの自動化、データ分析の強化、サイバーセキュリティの向上により、ビジネス効率を向上させます。
  • AIとクラウド・コンピューティングの相乗効果により、生成AI、IoT、AIアシスト・ビジネス・インテリジェンスなどの革新的なアプリケーションが推進されます。
  • クラウド・コンピューティングにAIを導入することは、データ・プライバシーの問題、統合の問題、AIの専門知識における人材格差など、困難が伴う可能性があります。

AIとクラウド・コンピューティングの説明

AIとクラウド・コンピューティングは互いに深く関連しています。その理由のひとつは、クラウド・コンピューティング・プロバイダーが、より優れたサービスを提供するためにAIを活用する方法を考え出し、この分野にいち早く参入したことです。AI システムは、IT アーキテクチャという限られた世界で意思決定を行うことに長けているため、クラウド・コンピューティング・プロバイダーは巨大なデータセンターにおけるさまざまな運用を自動化することができます。AIはテクノロジー・サービスのプロビジョニングとスケーリング、潜在的なエラーの検出、サイバー攻撃の兆候のモニター、さまざまなユースケースにおける不正のきざしなどを検出することができます。これらは、クラウド・コンピューティング企業が何千、何百万もの顧客にハイパースケール・テクノロジー・サービスを経済的に提供することを支援する機能の増大するリストのほんの一部に過ぎません。

同様に重要なこととして、クラウドは業務アプリケーションにAIを組み込むための主要な手段になりつつあります。プロバイダーは、さまざまなAIテクノロジーによる拡張や、最近では組み込みのLLM機能を備えたソフトウェア・サービス(SaaS)アプリケーションなど、自社の提供するサービスにAIを組み込んでいます。クラウド・プロバイダーは、生成AIを業務に組み込むことを望むビジネスとも連携しています。クラウド・アーキテクチャの高度なLLMにより、ビジネスは自社のデータを使用して自社の業務に特化したAIモデルをトレーニングおよび導入でき、より一般的には、医療、ロジスティクス、法律、政府、その他の分野を問わず、既存のモデルのトレーニングを補強することができます。クラウドの顧客には、膨大な量のデータでモデルをトレーニングするために大量のコンピュートとストレージ容量を必要とするAIモデル開発者までもが含まれます。

クラウド・プロバイダーは、開発者が必要なアプリケーション機能を記述すると、AIプラットフォームが迅速にコードの最初のドラフトを作成するアプリケーション開発プラットフォームなど、非常に高度なAI支援サービスを今後ますます提供するようになります。

クラウド・コンピューティングにとってAIが重要な理由

クラウド・コンピューティング・プロバイダーは、ITサービスやSaaSアプリケーションを可能な限り低コストで確実に提供する自動化されたシステムの能力強化にAIを活用しています。AIは、ハイパースケールクラウド・システムのプロビジョニング、バッチ処理、チューニングを支援し、これらの作業に対する人間の負担を軽減します。さらに、幅広いAIサービスと急増する生成AIの機能の活用を検討する企業が増えるにつれて、クラウド・コンピューティング企業はそうした企業への対応に積極的に取り組んでいます。つまり、AI機能を活用するための最も抵抗の少ない道は、直接クラウドを経由することなのです。

また、クラウド・コンピューティングがAIにとって重要であることも事実です。というのも、LLMのような生成AIシステムのトレーニングは非常にコンピューティング集約的なため、世界の利用可能な処理能力をめぐる競争が生じているためです。ハイパースケール・クラウド・プロバイダーはこの能力をオンデマンドで提供するため、AI企業はAIワークロードの実行に必要なGPUクラスタを高いパフォーマンスと低コストでレンタルできます。

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クラウド・コンピューティングにおけるAIがビジネスに変化をもたらす仕組み

クラウドでAI支援サービスが利用できるようになったことは、AIのビジネス利用を拡大する上でカギとなっています。それは、AIモデルを構築、トレーニングし、セキュアに導入することは、大規模な組織以外が独自に試みるには、あまりに技術的に困難でコストがかかりすぎるためです。AIが支援するインフラストラクチャ・サービス、AIを組み込んだSaaS、APIを通じて利用可能なさまざまなテクノロジーの種類が増えたことで、より多くの企業がAIを利用してビジネス・プロセスの自動化、競合優位性の向上、新たなビジネス・チャンスの獲得を実現できるようになりました。

ビジネスにとってメリットは2つあります。1つ目は、AIアシスタントが請求書や依頼書の入力や分類、領収書と経費の照合などの反復的な作業を軽減し、それらの作業を手作業で行っていたチームの効率化と正確性を向上させることです。第二に、AIによる分析は、企業データから検出されたパターンに基づいて、ビジネス・プロフェッショナルに推奨やアドバイスを提供することができます。アドバイスの内容は、特定の製品をいつ追加注文するかから、営業担当者の行動と企業ニーズの複雑な分析に基づくサプライチェーンの変更の推奨まで、多岐にわたることがあります。

クラウド・コンピューティングにおけるAIのメリット

データセンターにAIを活用するクラウド・コンピューティング・プロバイダーは、目先の効率向上やコスト削減をはるかに超えるメリットを享受しています。開発したものをAIサービスとしてブランド化して顧客に提供することで、カスタマー・ロイヤルティと収益性の向上を支援することができます。

クラウド・コンピューティングにおけるAIのメリットは次のとおりです。

  • 自動化:AIにより、クラウド・プロバイダーとその顧客は、パッチ適用、保護、コンピュート容量のスケーリングなど、サービスを提供するために必要なITプロセスの多くを自動化することができます。また、企業はインテリジェントな自動化を含むAIプロセスを使用して、ドキュメント管理や工場運用などの機能のスピードと精度を高めています。
  • コスト削減:AIは、複雑なタスクを少ない人数で迅速に実行することで、コスト削減を支援することが可能です。。タスクには、ヘルプデスクの自動化などのビジネス部門だけでなく、ITやデータ・セキュリティ運用も含まれることがあります。顧客にとってAIは、自身のニーズの変化に応じてクラウド利用をスケールアップしたりスケールダウンするうえで役立てることができます。顧客自身がコスト削減を実感することで、カスタマー・ロイヤルティが向上する可能性があります。特に、請求モデルをシンプルで透明性の高いものに保つよう努めているクラウド・ベンダーにとっては顕著です。既存顧客がより多くのクラウド・サービスを利用するようになれば、新しい顧客の開拓、獲得、オンボーディングよりもプロバイダーの利益率が向上します。
  • クラウド管理:AIを使用すると、IT管理の多くの側面を自動化することで、クラウド・サービスを大規模に実行できます。たとえば、AIはサービスのプロビジョニングとスケーリング、障害の検出と予測、サイバー攻撃の撃退を、多くの場合、人間がほとんどあるいはまったく関与することなく行うことができます。サービスの利用と請求の追跡、複雑なワークロード監視および管理システムを顧客に提供することはすべて、AIのサポートによってよりシンプルでスケーラブルにすることが可能です。
  • データ管理:AIは、あらゆる組織が重要なデータをより適切かつコスト効率よく管理できるよう支援します。必要に応じてデータを移動したり、データをクレンジングしたり、ネットワークをスキャンしてデータ・セキュリティやデータ収集の問題を検出するといったタスクをAIに任せることができます。
  • 予測分析: AIは、この一般的なデータ分析を特に得意としています。ビジネスでは予測分析を使用して傾向を特定し、相関関係を見つけ、因果関係を結びつけることで、十分な情報に基づく意思決定をより迅速に行うことができます。
  • パーソナライズ: AIの鋭い観察能力とパターン・マッチング能力は、クラウド・プロバイダーを含む企業が顧客の行動と欲望をよりよく理解できるように支援します。これにより、企業はパーソナライズされたサービスやより正確な推薦事項を提供することができ、顧客維持率と収益を向上させることができます。
  • 生産性と効率性の向上:AIは、人が難しい、あるいは面倒だと感じる仕事を得意とします。AIを活用したプロセスにより、ビジネスは、ドキュメントの管理、荷物の仕分け、請求書の照合、さらには法的概要のようなドキュメントの要約といったタスクを、人間よりも迅速かつ正確に実行できます。この効率化により、従業員はより複雑で、人間的な経験と人間関係を必要とする作業を行えるようになります。
  • セキュリティと脅威検知の強化:十分に整備された データ・セキュリティ・フレームワークに組み込むことで、AIはトラブルの兆候となるパターンをスキャンしながら、ネットワークとユーザーをモニターできるようになります。人間とは異なり、AIはネットワークが作成するストリームを迅速に分析するため、大量のデータを詳細にモニターできます。
  • スケーラビリティの向上:AIは非常に多くのプロセスの自動化を支援することができるため、 クラウド・プロバイダーは人間が手動でサービスのプロビジョニングと管理を行う必要があった場合には実現不可能なレベルの柔軟なスケーラビリティを備えた大規模なデータセンターを運営することができます。これと同じ効率性がクラウドの顧客にも発揮され、マーケティング、ロジスティクス、医療、その他の分野で、より少ない人数で、より迅速に業務をスケールアップすることができます。

クラウド・コンピューティングにおけるAIの課題

クラウド・コンピューティング・プロバイダーは AI 使用への障壁を下げる努力をしていますが、データの管理および適切な専門知識を持つ人材の採用を中心に課題が残っています。

  • データ・プライバシー:データ・セキュリティとプライバシーに関して、AIは独自の課題をもたらします。たとえば、AIモデルは、トレーニングのために使用した機密データセットから詳細を「漏えい」する可能性があります。顧客は、データ・ガバナンスとセキュリティに対して強力な管理体制を提供するクラウド・ベンダーを優先します。
  • 統合: AIはクリーンで十分に組織化されたデータに基づいて実行されます。AIは、さまざまなソース・データから生成されたデータほどスマートになります。そこで課題となるのが、社内のさまざまなビジネス・部門やパートナーのサイト、さらには気象情報やオープンな政府データなどの外部ソースからデータを統合し、標準化することです。
  • 人材ギャップ:AIモデルの設計、トレーニング、導入に必要な専門知識を持つ人材の発掘には時間がかかり、採用や維持にはコストがかかります。AIモデル開発者やクラウド・サービスが基本的な構成要素を提供していても、企業がAIを活用するには経験豊富なデータ・マネージャーやデータ・サイエンティストが必要なことがよくあります。

クラウド・コンピューティングにおけるAIの活用

上記の課題を克服する動機は、AIとクラウドを組み合わせて使用することで、組織をより適切に運営し、より創造的な仕事に使える時間を確保できるようにするためのさまざまな方法から生まれます。一般的で興味深いアプリケーションには、次のものがあります。

  • チャットボット:チチャットボットは、人間のコミュニケーションをシミュレーションし、カスタマーサービスの役割を果たすように設計された最初のソフトウェア・プログラムの1つです。残念ながら、AIが登場する前は、チャットボットはあまりうまく機能せず、問題を解決するよりも顧客を困らせる可能性の方が高い存在でした。AIとクラウド・コンピューティングにより、企業はAPIを使用して大規模言語モデルを利用できるようになり、話し言葉や書き言葉を理解し、ユーザーのクエリの意図を検知できる強力なチャットボットを提供できるようになりました。
  • ビジネス・インテリジェンス(BI): クラウド・コンピューティング・プロバイダーは、ビジネスの意思決定を支援するために、社内外のソースからデータを収集、分析、解釈するBIソリューションを長年提供してきました。これらのクラウド・サービスと以前のパッケージ・ソフトウェアは、データを解析および分析するために機械学習アルゴリズムを活用していました。しかし、新しいAIモデルを使用することで、ビジネスは過去に何が起こったかを理解することから、将来の成果をより正確に予測することが可能になります。
  • IoT:IoTは、インターネットと互いに連携するデバイスで構成されています。IoTデバイスは、トラック輸送、農業、製造など多くの産業で使用されており、クラウド・データセンターではなく、管理対象のデバイスの近くに重要な意思決定機能を配置する「エッジ・コンピューティング」システムが必要となります。現在、高度なAIクラウド・サービスやSaaSアプリケーションに組み込まれたAIを使用するビジネスでは、IoTデバイスが経時的にデータと経験から学習し、その都度改善や推薦事項の提示を行うことが可能です。
  • 生成AI:クラウド・コンピューティングにより、LLMを中心とした強力な生成AIモデルをわずかAPIにだけで利用できるようになりましたビジネスは生成AIを使用して、調査の高速化、創造的なアイデアのブレーンストーミング、カスタマーサービスおよびヘルプデスク・アプリケーションの強化、その他多くの作業を行うことができます。RAGは、顧客の最新かつセキュアに保存されたエンタープライズ・データでLLMのナレッジ・ベースを補強することで、クラウド・プロバイダーが生成AIをさらに有用なものにできるよう支援します。

クラウド・コンピューティングにおけるAIの未来

人工知能は、人間のさまざまな活動において急速にその地位を確立しつつあります。その成長の多くは、強力なクラウド・コンピューティング・プラットフォーム上でAIを利用できるようになったことによりもたらされます。 内部的には、やがてクラウド・プロバイダーはAIをITインフラストラクチャの自動化やモニタリングに利用するだけでなく、アプリケーションの作成やデバッグ、ビジネス・プロセスの評価と改善、さらには非常に自律型のロボットやドローンのバックエンド・コンピューティングとエッジ・サービスの提供までも支援するAIによるサービスの提供を開始することができます。さらに将来的には、クラウド上に構築されたサービスは、AIを使用して、ビジネス課題や社会問題について深く独創的に考えることができるようになります。

オラクルを用いたクラウド・コンピューティングにおけるAIの利用開始

人工知能がビジネスを支援する方法を検討する際には、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)をご検討ください。オラクルは、包括的なAIポートフォリオを提供し、お客様が最も理にかなった方法でAIを活用できるように支援し、OCIは、他のクラウド・サービス・プロバイダーに類を見ない、OCIの分散クラウドを使用したAIのための幅広い導入オプションを提供します。たとえば、OCIでは、Oracle Fusion ApplicationにAIを組み込むことで、AI生成のインサイトを主要なビジネス部門に簡単に導入できます。自社アプリケーションにAIを組み込むために、OCIは、自社のビジネス・データを使用してカスタマイズできるモデルを備えたさまざまなAIサービスを提供しています。

OCI は、データ・サイエンティスト向けに、お気に入りのオープンソース・フレームワークを使用した機械学習モデルの構築、トレーニング、導入、管理をチームが協力して行うことを支援する機械学習サービスを提供しています。OCIは、高度なモデルの計算負荷の高いトレーニングを行う際に、クラウドの弾力性と消費ベースのコストメリットを提供しながら、カスタム・オンプレミスのコンピュート・クラスタのパフォーマンスに匹敵するか、それを上回るパフォーマンスを発揮します。

AIは、クラウド・コンピューティングなしでは今日の地位を築くことはできませんでした。クラウド・プロバイダーは、さまざまなAIモデルをトレーニングするために必要なコンピュート・アーキテクチャーを提供し、より多くのビジネスがAIの拡大する機能を活用できるようにオンランプを構築しています。ビジネスと人間関係においてAIの使用が増えていることから、AIはクラウド・コンピューティング・プラットフォーム上で実行される、またはクラウド・コンピューティング・プラットフォームを通じてアクセス可能なものになると考えられます。

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クラウド・コンピューティングにおけるAIに関するFAQ

AIはサイバーセキュリティに取って代わるのでしょうか。

サイバーセキュリティには、ユーザー・アクセス管理、ネットワーク・モニタリング、データ分析など、多くの分野が含まれます。AIは、これらすべての取り組みにおいて重要な要素となり得ます。最終的にAIがより多くの責任を担うようになることは間違いありません。しかし、AIはサイバーセキュリティやサイバーセキュリティのプロフェッショナルに取って代わるのではなく、サイバーセキュリティ・プログラムの基礎となるテクノロジーになるでしょう。

エッジ・サービスとAIの関係について教えてください。

エッジ・インフラストラクチャは、クラウド・サービスをデータが生成されるデバイスのすぐ近く、またはデバイス内に配置し、デバイスの管理にもクラウド・サービスを利用できるようにします。これにより、IoTデバイスは、インターネット接続が断続的であっても全くなくても、環境に迅速に反応するAIを実行できるようになります。自律型のドローンや自動車が、次の意思決定をする前にデータセンターに連絡を取る時間がない状況をご想像ください。

機械学習とAIの違いを教えてください。

機械学習は人工知能の下位分野のひとつです。機械学習アルゴリズムは、時間の経過とともに提示されるデータの組み合わせに基づいてタスクを実行する方法を学習および改善します。AIモデルは機械学習アルゴリズムを使用することがよくあります。

AIトレーニングとAI推論の違いを教えてください。

AIモデルには2つのパートがあります。1つはトレーニングで、もう1つは推論です。トレーニングでは、AIモデルがキュレーションされたデータを大量に取り込み、そのデータに基づいて正確に認識・予測する方法を学習します。その後、モデルは別のタイプのITインフラストラクチャに移行され、推論フェーズに入ります。ここでは、推論を行い結果を予測するための新しいデータが提示されます。