データベース・パフォーマンス管理

データベースのパフォーマンス管理は、データベースのパフォーマンスを簡単かつ事前に最適化するのに役立ちます。パフォーマンスの問題を検出し、SQLを自動的にチューニングし、本番システムの変更の影響を評価するために、独自の検索、修正、検証アプローチを使用します。

データベースのパフォーマンス管理に関する概要(22:32)

データベースのパフォーマンス管理の仕組み

データベースのパフォーマンス管理機能はOracle Databaseに組み込まれており、Oracle Database環境のパフォーマンスを管理するための包括的でコスト効果が高く使いやすいソリューションを提供します。また、Oracle Diagnostics PackとOracle Tuning Packは、企業全体のパフォーマンスと可用性のレポート、一元化されたパフォーマンス・リポジトリ、自動アドバイザリ、および価値のあるシステム間パフォーマンス集計を提供し、大規模なデータベース・セットを管理する作業を大幅に簡素化します。

リアルタイムSQLモニタリング、自動診断モニター(ADDM)、Automatic Workload Repository(AWR)などのDiagnostics Pack機能を使用して、パフォーマンスの問題を検出します。SQLチューニング・アドバイザや自動SQLチューニングなどのツールセットを使用して問題を修正します。SQLパフォーマンス・アナライザ、Database Replay、ワークロード分析などのReal Application Testing機能を使用して変更を検証します。

データベースのパフォーマンス管理の顧客事例

すべてのお客様事例を見る

自動SQLチューニング

自動SQLチューニングは、最適に実行されていないSQL文を識別し、自動的にチューニングします。SQLチューニング・アドバイザを使用すると、DBAは問題のSQLを調査し、診断フェーズ中に特定された包括的なSQLチューニング推奨事項を取得できます。これにより、DBAはリアルタイムおよび履歴のパフォーマンス・データを使用して代替実行計画を特定できます。

長期間にわたるパフォーマンスの分析

ADDMスポットライトは、パフォーマンス分析のために特定の期間における各ADDMタスク実行の結果と推奨事項を集計します。これにより、問題を修正するための推奨事項が提供され、ユーザーが次のことを実行するのに役立ちます。

  • Oracle ADDMの結果と推奨事項を使用した、データベースのパフォーマンス管理の改善と標準化
  • 根本原因分析の調査のために、カスタム・ウィンドウのADDMレポートからパフォーマンスの低下を先行的に修正
  • アップグレード前後のアプリケーション・コードのパフォーマンスを比較
  • アプリケーションの高負荷の実行について通知

リアルタイムSQLモニタリング

リアルタイムSQLモニタリングでは、Oracle Database内でのSQL文の実行に関する詳細情報が提供されます。追加のステップは不要で、パフォーマンスのオーバーヘッドはありません。さらに、DBA、アプリケーション開発者およびDevOpsエンジニアは、次のユースケースに利用できます。

  • 長時間の実行およびリソース集中型のSQL(クエリ、DML、DDLなど)を自動的に監視
  • グローバル実行、計画操作およびパラレル実行レベルでの統計の監視
  • Active Reportsによるリアルタイム、履歴、オフラインの分析をサポート
  • チューニング作業をガイド

データベースのアップグレード、移行および検証

データベースのアップグレード時や移行時には、パフォーマンスの低下や低速化が発生し、そのようなアクティビティのテスト・フェーズが延長される可能性があります。Real Application Testingでは、最小限の労力で、容量計画、移行、パフォーマンス評価などのプロセス全体を効率化できます。まず移行プランナを使用して必要なリソースを特定し、移行ワークベンチで最適な移行ソリューションを特定してから、ワークロードを取得し、データベースをクローニングします。

そのうえで、テストを開始します。

  • クローン機能を使用して、テスト・データを取得します。
  • アップグレード前にSQLパフォーマンス・アナライザ(SPA)を実行してベースラインを取得します。
  • データベースをアップグレードします。
  • SQLのパフォーマンス低下を識別するためにSPAを実行します。
  • パフォーマンスが低下したSQL文をチューニング・アドバイザでチューニングするか、SQL計画ベースラインを使用して計画の安定性を確保します。
  • すべてのパフォーマンス低下を修正したら、Database Replayを実行してスループット・テストを行い、パフォーマンスの低下を特定します。

このアプローチは、ハードウェアまたはソフトウェアによるパフォーマンスの低下から生じる予期しないリスクを最小限に抑え、アップグレード後の緊急対応を削減します。

本番環境でのパフォーマンス低下の根本原因の特定

月曜日の朝に出社して、すぐに満足度の低いユーザーに遭遇するシナリオを考えてみましょう。週末に変更はありませんでしたが、アプリケーションのパフォーマンスには問題が発生しています。この場合、ワークロード分析が根本原因の特定に役立ちます。最初にしておくべきことは、データベースが期待どおりに動作しているときに、ワークロードからSQLチューニング・セットを作成することです。これがワークロードのベースラインになります。パフォーマンスの問題が発生したら、新しいSQLチューニング・セットを作成して分析を開始します。これで、ワークロード分析を使用してベースラインを現在のワークロードと比較できます。

データベースで実行される次のような文の詳細を確認できます。

  • 新しい実行計画が含まれる文とワークロードへの総合的な影響
  • ベースラインに表示されない新しい文とその影響
  • ベースラインにしか見られない欠落しているSQL文

次のステップでは、SQLチューニング・アドバイザを起動して、新しい文およびパフォーマンスが低下した文をチューニングします。このプロセスは、定期的に完全に自動化して結果を取得でき、Enterprise Managerデータベース・ホームページに表示されます。

物理データベースまたは論理データベースの移行

移行ワークベンチには、物理/論理およびオフラインのワークフロー・オプションがあり、インラインでのバージョンアップが可能です。ワークフローは、グラフィカル・ユーザー・エクスペリエンス、コマンドライン・インタフェースおよびREST APIを使用して管理できます。クラウド移行前アドバイザがワークフローに組み込まれています。

移行ワークベンチには、Oracle Databaseを移行するための2つの移行オプションがあります。

1. 論理または物理移行方法を使用するトランスポータブル表領域(TTS)
2.データ・ポンプによる論理移行方法

移行ワークベンチを使用してデータベースを移行する利点は次のとおりです。

  • クロスプラットフォームの環境を含む、すべてのリプラットフォーム・ユースケースに対応する1つのツール
  • ソースとターゲットの選択に基づく最適なデータ移動テクノロジー
  • 非マルチテナントからマルチテナントへの移行
  • リプラットフォーム中のアプリケーションのダウンタイムはほぼゼロ
  • アプリケーションの変更がないか、ほとんどない
  • アプリケーション・パフォーマンスの向上

データベースのパフォーマンス管理を始める


営業へのお問い合わせ

データベースのパフォーマンス管理の詳細をご希望ですか?当社のエキスパートにお問い合わせください。