Oracle ACEってどんな人?世界基準のトップエンジニアにインタビュー
《第5回:矢木覚氏》「この技術が面白い!」という感動をエンジニア同士で分かち合いたい。

現在、国内にわずか15人しか存在しないオラクル公認のトップ・エンジニア「Oracle ACE」。本サイトではこれまで、第1弾として4名のOracle ACEを紹介してきたが、好評につきその他のOracle ACEにも続々とご登場いただこう。今回取り上げる矢木覚氏は、25歳で「ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 10g」を取得し、28歳にしてOracle ACEの称号を得た逸材だ。Oracle Databaseに魅せられてデータベースの世界に入り込んだ矢木氏は、エンジニアの立場から情報発信を行うことに、どのような意義を感じているのだろう か?(編集部)
 
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Oracle ACE
米国オラクルのエンジニアらとも交流しながら、日米OTNなどでオラクル製品に関する技術情報を活発に発信している。
 
 
 

 
 
 
 
 
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Oracle Database 11g Release 2はベータ版の段階から評価に取り組み、その結果をホワイト・ペーパー「Effective resource utilization by In-Memory, Parallel Execution in Oracle Real Application Clusters 11g Release 2」として米国OTNで公開した。
 
 
 
 
 
 
 

■Oracle Databaseの実装技術に魅せられて
 
 私は学生時代からコンピュータ・サイエンスの世界に入り、C言語でのプログラミングに加えて、データベースやネットワークについ て勉強していました。その中で一番興味が湧いたのがデータベースで、特に最初に出会った「Oracle Database」にはまりました。と言うのも、それまでも"SQLライク"なプログラムをC言語で書いており、直積や結合といったレベルなら自分でも組 めたのですが、商用DBMSに備わる行レベル・ロックのような機能までは実現できませんでした。そのため、「この機能はどうやって実装すればよいのだろ う?」という興味から、Oracle Databaseに魅了されていったのです。
 
 その後、大学を卒業してシステム・インテグレーター会社に入社し、データベース・エンジニアとしてのキャリアをスタートしました。これまで7 年間くらい、データベースの仕事に携わってきたことになります。特に「Oracle 9i」の時代に「Oracle RAC(Real Application Clusters)」を使う案件に携わってからは、ミッション・クリティカル・システムのデータベース周りの仕事に従事してきました。
 
■最先端の技術をいち早くミッション・クリティカル・システムに適用する醍醐味
 
 オラクル製品の最大の特徴は、DBMSとしての基本機能からオプション機能まで、商用DBMSとして必要な機能をきっちりと押さ えている点です。最近はオプション機能もいろいろと追加されていますが、その背景にあるのは、基本的なアーキテクチャがしっかりしているということだと思 います。バージョンが上がるにつれてどんどん改善が進んでいるのも、最初の思想がきちんとしているからでしょう。
 
 私がオラクル製品の中で一番好きなのは、Oracle RACですね。ほかのオラクル製品と同様に基本的な作り込みがしっかりしていることに加えて、Oracle RACは数あるデータベース製品の中でも独自のアーキテクチャを備えています。また、データベース/サーバの統合(コンソリデーション)やグリッド・コン ピューティングの用途でも使えるものとして進化を続けているのは、しっかりとした開発ロードマップが組まれているからです。エンジニアとしては、それを追 いかけるのが楽しいのです。
 
 Oracle RACを使った案件で印象に残っているのは、4年ほど前に手掛けた銀行の合併に伴うシステム統合です。このとき、真にミッション・クリティカルなシステム での利用に堪えるものは、Oracle RAC以外にないことを痛感しました。またその後、楽天証券の事例では、データベース・マシン「Oracle Exadata」を導入したりと、最先端の技術をいち早くミッション・クリティカルなシステムに適用してきました。こうした案件に携われたことが、エンジ ニアとしての私の糧となっています。
■エンジニア同士で、面白い、凄い技術への思いを共有したい
 
 社会人になって4年目くらいから、米国に出張してさまざまな企業を回るようになりました。オラクルの米国本社もそのうちの1社で す。また、楽天証券のような大きな案件では、オラクル本社の開発部門のエンジニアも深くかかわることが多く、そうした機会に製品開発に関する最新情報を入 手したり、逆にこちらが問題と感じたことをフィードバックしたりといった具合に、オラクル本社のエンジニアとは活発に交流を続けています。
 
 エンジニアとして情報発信したいと思ったきっかけの1つは、オラクル本社の開発部門の人から開発エピソードやOracle RACのアーキテクチャについての話を聞かせてもらったことです。その内容にも感銘を受けたのですが、エンジニア同士で情報を分かち合うこと自体に大きな 喜びを感じました。例えば、「この製品のここが面白い」とか、「こんな理由で、ぜひこの機能を使ってみたい」とかいった思いを発信することで、自分も世界 中のエンジニアに感銘を与えることができればいいなと思ったのです。今では、自分の好きな技術やプロダクトに関するナレッジをエンジニア同士で分かち合え ることが、エンジニアとしての醍醐味の1つだと思っています。
 
 Oracle ACEに選ばれたきっかけとなったのは、「Oracle Database 11g Release 2」のホワイト・ペーパーを書いたことでした。この製品についてはベータ版の段階から新機能の検証を行っていたのですが、その検証結果についてオラクル本 社のプロダクト・マネジャーと話をする中で、これを技術資料として公開したらどうかと勧められたのです。グローバルに情報発信ができたことは、単純にうれ しかったですね(笑)
国内でも、ユーザー目線で技術情報を伝えるために精力的に記事執筆活動を展開。その活動が評価され、Oracle ACEに選出された。
●技術資料「Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のキモ〜Cache Fusionに注目する〜」
 Oracle ACEになってからは、これまでに自分が経験してきた技術に関する情報を公開することで、世の中に貢献できていると感じています。今後も、Oracle ACEとしてオラクルの技術について情報を発信していきますが、自分が「面白い」、「凄い」と思った技術について世の中のエンジニアと共感し合いたい、自 分が凄いと思ったことを皆に知って欲しい......自分の中では、ただただそうした気持ちがあるだけです。

 オラクルに対しては、現在提唱している「ハードウェアとソフトウェアの融合」を高いレベルで実現してくれることを期待しています。近年、ハー ドウェアはもの凄いスピードで進歩していますが、そのポテンシャルを生かしきるにはソフトウェアと融合するしかないと思っています。ソフトウェアによって ハードウェアをうまくコントロールして良いものを作り上げていくことが、エンジニアとしての楽しみですね。その中で、データベース・エンジニアとして、 データベースの新たな価値を見出していきたい。もちろん、見出した新たな価値は、Oracle ACEとして皆さんと共有していきたいと思っています。

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最近は楽天証券のOracle Exadataによるシステム構築を担当。最先端の技術を用いたミッション・クリティカル・システム案件に携わることに喜びを感じている。