Oracle ACEってどんな人?世界基準のトップエンジニアにインタビュー
《第6回:松下雅氏》オラクルの技術/製品とお客様をつなぐ"ハブ"になりたい。

現在、国内にわずか15人しか存在しないオラクル公認のトップ・エンジニア「Oracle ACE」。そのインタビュー・シリーズの第6弾では、コーソルでOracleサービスグループのマネジャーを務める松下雅氏にご登場いただく。学生時代か ら続くOracle Databaseとの付き合いはすでに13年になるという松下氏は、システム開発や若手の育成にどのような思いであたっているのだろうか。(編集部)

110903-01_01.jpegOracle ACE
松下雅氏
オラクル製品を得意とするベンチャー企業で、システム構築や障害対策にあたっている。









110903-01_02.jpeg書籍「プロとしてのOracle入門 Oracle現場主義」
初級者に向け、Oracle Databaseのキホンを現場視点も交えて丁寧に解説している。











■Oracle Databaseとは13年の付き合い

現在、勤める会社では、Oracle Databaseを利用したシステム開発事業やサポート事業を展開しています。その中で、私はシステム開発事業を担うOracleサービスグループのマネ ジャーを務めています。客先に伺ってシステム構築を行ったり、スポットで障害対策を行ったりするのがメインの仕事です。

学生時代は、技術専門学校で3年間、プログラミングやデータベースについて学びました。加えて、システムの構築方法やプロジェクトの進め方な ど、SEに要求されるスキルの習得に努めました。その学校で教材として使っていたのが「Oracle 7」で、以来、一貫してOracle Databaseを使っています。Oracle Databaseとの付き合いは、もう13年くらいになりますね。

執筆活動を始めたのは、今の会社に入ったときです。当時は創業直後というタイミングだったこともあり、会社のプロモーションになると思い執筆活 動を開始しました。ブログやWebメディアへの寄稿、Oracle Databaseの入門書などの執筆というかたちで情報発信を始めたわけです。そうした活動を行う中でOracle ACEという制度の存在を知り、「会社名を露出する機会が増えるかもしれない!」と思って応募を決意しました。不純な動機ですみません(笑) Oracle ACEに選ばれたのは数年前のことで、当時は日本で4人目だったそうです。

■基本を押さえることの重要性を訴えたい


私は執筆する記事の中で、「まずは基本事項をしっかり押さえよう」ということを訴えるようにしています。これまでのシステム開発の経験の中で、ネットワークやデータベースのベーシックなところで開発がつまづくケースを何度か見てきたためです。

私は特にオラクル製品を得意としていますが、システムを構築する際には当然、オラクル製品以外に、OSやストレージ、スイッチといったインフラ も必要になります。お客様と話をする際には、そうしたインフラに関するチェック・ポイントも極力口にするよう心掛けています。そうすると、お客様側のイン フラ系エンジニアの方に、「コイツはオラクル製品以外のことも多少は知っているんだな」と少しずつ信頼を得られるようになります。結果として、いろいろな ご相談をいただけるようになるのが嬉しいのです。こうしてお客様側のエンジニアとオラクルをつなぐ"ハブ"のような存在になりたいというのがOracle ACEとしての私の思いです。

オラクル製品の中で最も経験が長いのは、「Real Application Clusters(RAC)」ですね。また、ストレージ管理機能の「Automatic Storage Management(ASM)」は凄い発明だと思いますよ。Oracle Database 9iのときのRACにはASMがなく、高価なサードパーティのクラスタ・ファイルシステムを使わない場合はRaw Deviceで組むしかありませんでした。しかし、その特性上、柔軟性に欠けており、設計には職人技的なスキルが必要とされていました。それが、ASMで はほぼ不要になったのです。ディスク領域の拡張や追加などにかかる作業工数は、Raw Deviceと比べて大幅に削減されましたね。これが登場したことで、私たちの仕事のやり方も変わってくるかもしれませんし、ASMという新しいアーキテ クチャを習得する必要がありますが、今後はASMの特性を生かした設計などを提案するかたちで、お客様がこの機能のメリットを最大限に享受できるようお手 伝いしていきたいと思います。

■成長したければ何にでも首を突っ込め!

今は会社の新人を指導する立場でもあるのですが、彼らには、事あるごとに「何にでも首を突っ込め!」とアドバイスしています。些細なことでもよ いのです。例えば、オフィスで「プリンタでうまく印刷できない」とか「コンピュータ・ウイルスに感染した」とかいったトラブルが起きたとします。そんなと きは、とにかくそのトラブルに首を突っ込むべきです。そうすると、「OSってこんな風に動いてるんだ」、「ネットワークってこんな構成になってるんだ」、 「プリンタとドライバはこんな関係にあるんだ」といった具合に少しずつ知識が増えていきます。そうした経験を積み重ね、さらに実務の中でOSやネットワー ク、データベースなどにかかわっていくと、実際のシステムやアプリケーションでハードウェア・リソースをどう使うべきかといったことが実感としてわかって きます。今後はさらに、若手のエンジニアがそれぞれの領域で活躍できるよう、製品知識やプロジェクトの進め方なども教えていきたいですね。

自分自身も、新しいことにどんどん首を突っ込んでいきたいと考えています。例えば、実際の業務では枯れた技術を使ってシステムを構築することが 多いのですが、Oracle Databaseの新機能や「Oracle Exadata」のような新しいコンセプトの製品にも少しずつ取り組んでいきたいですね。まずは自分自身がそれらの新技術/製品に精通して、それをお客様 の要件を適切に満たすかたちで積極的に提案し、最新の技術/製品のメリットを享受してもらう――そうしたかたちでも、オラクルとお客様を結ぶハブとして機 能していきたいと思っています。
 
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得意分野はOracle Database全般だが、特にRAC、そしてASMに惚れ込んでいる。