データ侵害が日々増え続け、データ保護やプライバシーに関する一連の規制が進化し続けている中で、ビジネスの機密データと規制対象データを保護することは不可欠です。しかしながらほとんどの組織が、データベースはセキュアに構成されているのか、どのようなユーザーがそのデータベースにアクセスできるのか、また機密の個人データはどこに保存されているのかを把握しきれずにいます。オラクルの多層防御機能の一部であるOracle Database Security Assessment Tool(DBSAT)は、データベースの構成、運用、実装の領域でリスクを招く恐れがある部分を特定し、リスクを緩和するために必要な変更や制御方法を提案します。
Oracle Database Security Assessment Tool(DBSAT)は、広く使用されているコマンドライン・ツールで、データベースの構成、運用、実装の領域でリスクを招く恐れがある部分を特定し、リスクを緩和するために必要な変更や制御方法を提案します。DBSATは、データベースがどの程度セキュアに設定されているかを評価し、ユーザーおよびその権限を決定し、機密データがデータベース内のどこに存在するかを特定するのに役立ちます。
最新のDBSAT 2.2.2では、オンプレミスのOracle Database、Autonomous Databases (共有および専用)、DBCSを区別できるようになりました。DBSATは、データベース・ターゲット・タイプに応じて、異なるチェックを行い、ターゲットに特化した指摘を行います。DBSAT 2.2.2では、新しいチェック項目の追加、既存のチェック項目の精度向上、いくつかの指摘事項の明確化も行っています。
DBSATは追加費用なしで提供されており、次の情報をすばやく確認することができます。
以下の図は、サンプル・データベースのセキュリティ状態をまとめたものであり、評価結果をリスク・レベルで分類しています。
DBSATはデータベースとリスナーの構成に関する情報を分析し、不必要にリスクを招く可能性がある構成設定を特定します。また、簡単な構成チェックが行われるだけでなく、ユーザー・アカウント、付与されている権限およびロール、認可制御、職務の分離、緻密なアクセス制御、データ暗号化、鍵の管理、監査ポリシー、OSファイルの・アクセス権も調査されます。DBSATではルールを適用してデータベースの現在のセキュリティ・ステータスを迅速に評価し、上記の全領域で検出されたリスク箇所を出力します。そして、それぞれのリスク箇所について、リスクを削減または緩和するために必要な修正措置を、ベストプラクティスに沿った形で提案します。
以下の評価結果は、どのユーザーが強力なDBAロールを有しているか、およびそのロールはどのように取得されたか(直接付与、他のロールを介した付与)を示しています。
また、DBSATは、カスタマイズ可能な正規表現パターンを使用してデータベースをスキャンして機密データを検索し、見つかった機密データの量と種類をレポートします。機密データは、英語のデータ・ディクショナリ(列名およびコメント)を使用して検索できるほか、ヨーロッパの主要言語(オランダ語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語など)でも検索できます。これにより、保有している機密データの量とその存在場所についてより詳しく把握できるため、アクセス制御、監査、マスキング、暗号化を適切に実施してデータベースを保護できます。以下の図は、データベース・メタデータのスキャンを基に作成されたサマリー・レポートです。
DBSATは現在のセキュリティ体勢を評価し、機密データの保存場所を特定します。また、さまざまな対象ユーザーおよび用途向けに複数の形式でレポートを生成します。DBSATは使い方が簡単で、要約情報と詳細情報、優先順位が付けられた推奨事項が記載された実用的なレポートを提供します。
セキュリティ構成を調査し機密データの保存場所を把握することは、規制遵守の重要な要素であり、EU一般データ保護規則(EU GDPR)、クレジット・カード業界のデータ・セキュリティ基準(PCI DSS)、米国サーベンス・オクスリー法(SOX)、HIPAA/HITECH、多数のデータ・プライバシー法に不可欠です。DBSATが提示する推奨事項は、リスクの最小化、セキュリティ体勢全体の強化、コンプライアンスの早期確立(PDF)に役立ちます。