Oracle Roving Edge InfrastructureはOracle Cloudテナンシーの拡張です。クラウドサービス(コンピュート、オブジェクト、およびブロックストレージ用のVMなど)を提供する物理デバイスで構成されます。単独でまたはクラスターで使用して、データが生成および消費されるクラウドワークロードを、ネットワーク接続に関係なく実行できるようになります。
Oracle Roving Edge Infrastructureを使用すると、時間的制約の厳しいアプリケーションがエッジロケーションで生成されたデータを処理できるようになり、通信インフラストラクチャの負荷が軽減され、データ送信コストが削減されて、アプリケーション全体の応答性が向上します。Oracle Roving Edge Infrastructureでは、Oracle Cloud Infrastructureテナントから必要なリソースつまり「ワークロード」を選択するだけで、それらは1つ以上のRoving Edge Device(RED)に読み込まれます。その後、これらのノードでは、エッジでまたはインターネットから切断された状態で、ワークロードの開始、接続、実行が可能になります。
Oracle Roving Edge Infrastructureの主要コンポーネントは、Roving Edge Device(RED)です。これは、コアIaaSサービスを物理的にエッジに提供する強力でポータブルなサーバーノードです。
各RED:
REDクラスターは、レイヤー2スイッチを介してネットワーク化された5〜15ノードで構成され、Roving Edge Cluster Kitの一部として提供されます。クラスターにより、追加の容量と耐久性を得られます。
Oracle Roving Edge Infrastructureを使用するには、Universal Creditsの年間契約またはFunded Allocationの契約を結んでいる必要があります。また、アカウントが良好な状態であり、契約期間が120日以上残っている必要があります。さらに、お客様(またはお客様の組織で承認された人物)が注文文書内で利用規約に同意している必要があります。
注意:GA政府のお客様は、既存のgovSKUを使用してRoving Edgeを注文することはできません。
エッジリソースへのアクセスを許可するポリシーが適用されるユーザーは、Oracle Cloud Infrastructureコンソールでワークフローを介してREDノードとクラスターをリクエストして構成できます。コンソールで、テナントからカスタム仮想マシン(VM)イメージとデータのオブジェクト・ストレージ・バケットを選択して、REDノードまたはクラスターに読み込むことができます。Oracle DatabaseやOracle Analyticsなどのアプリケーションの既存のライセンスを使用して、アプリケーションでカスタムVMを構築できます。Oracle Roving Edge Infrastructureクラウドサービスによって、選択した構成がノードまたはクラスターに適合するかどうかが確認されます。
お客様がREDの使用承認のリクエストを送信すると、オラクルはREDの使用資格を確認し、ワークロードをプロビジョニングした後、リクエストの作成時に指定された住所にREDを発送するか、指定された配送業者がOracleデータセンターから集荷できるように手配します。お客様は、コンソールまたはCLIを使用してリクエストのステータスを追跡できます。
ノードまたはクラスターを受け取ったら、デバイスの電源を入れ、ネットワーク設定を構成して、ローカルネットワークに接続するだけです。基本構成の後、REDでワークロードを実行できます。Roving Edge Infrastructureを使用すると、双方向ネットワーク接続が利用可能であれば、REDノードとOracle Cloud Infrastructureテナンシーとの間でオブジェクトストレージデータを同期することもできます。
完全に切断されているか断続的または潜在的なWAN接続があるリモートロケーションでクラウド機能が必要な場合は、Roving Edge Infrastructureの使用を検討してください。
Roving Edge Infrastructureは、ネットワークに依存せずにローカルでクラウド処理を実行するのに十分なストレージとコンピュート容量を備えたクラスターに導入すると、コマンドセンターやコントロールセンターなどのリモートロケーションで半永久的で長寿命のクラウドインストールとして機能できます。
Roving Edge Deviceは、時間的制約の厳しい要件ともとより潜在的なWAN接続の理由から、大量のストリーミングデータをローカルで処理するために使用できます。エッジにクラウドコンピュート機能を導入して、データをローカルで処理し、実質的にレイテンシーを排除できます。
Roving Edge Deviceは、イベントや異常を検出して対応する機器やセンサーによって生成される大量のデータを迅速に処理する必要がある場所でも役立ちます。個々のノードを導入して、ロケーションでほぼリアルタイムの分析を実行し、一部またはすべてのデータをOracle Cloud Infrastructureテナンシーと定期的に同期できます。この点は、インテリジェンス(航空偵察)、医用画像(モバイルCTスキャン)、石油およびガス調査、出力品質管理に大きく関連します。
Roving Edge Infrastructureを使用すると、アプリケーションとデータをクラウドで開発、導入、メンテナンスし、必要に応じてそれらをエッジに導入できます。
Roving Edge Infrastructureサービスは現在、US-Gov-Ashburn-1(RIC)、US-Gov-Phoenix-1(TUS)、US-Langley-1(LFI)、US-Luke-1(LUK)でサポートされており、今後数か月の間にその他のリージョンにも展開する予定です。
Oracle Roving Edge Infrastructureは、REDノードまたはクラスターの所有期間中、1日あたりで課金され、最低リース期間は30日です。また、所有期間中、付属のサービスとリソースを無制限に使用できます。
Roverは、Funded Allocation Model(FAM)に基づいて請求されるサブスクリプション・サービスです。請求額は、機器の所有期間中、1日あたりで計算されます。
1. Roving Edge Device(RED)- 単一ノード用:価格は1ノードにつき1日あたり$160です。
2. Roving Edge Cluster Kit - クラスター用:キットには、ノードに加えて、ネットワークスイッチおよびケーブル接続(1キットにつき1日あたり$40)が含まれます。
デバイスのリースの支払いに使用できる適格なアカウント、十分なFunded AllocationまたはUniversal Creditsがある限り、REDを所有できます。最小所有日数は30日です。
プロビジョニングにかかる時間は、転送されるデータの量とオブジェクトの数、およびREDノードの可用性によって異なります。処理待ちのRoving Edge Infrastructureデバイスの数もワークロードのプロビジョニング速度に影響する可能性があります。
Roving Edge Deviceは、ワークロードとデータの作成と管理用に豊富なコンピュートAPIとストレージAPIのセットをサポートしています。詳細については、Rover APIおよびCLIの資料を参照してください。
コマンド・ライン・インターフェイスの要件を参照してください。
クラウドテナンシーからOracle Cloud Infrastructure互換イメージをREDに読み込むことができます。Linux(Oracle Linux、Ubuntu、CentOS)とWindowsの両方のイメージがサポートされています。Solarisイメージはサポートされていません。
カスタムイメージをインポートするには、最初にRoving Edge Deviceノードまたはクラスターを作成してから、ワークロード追加のオプションを使用します。これは、オブジェクトのバケットをデバイスにインポートする方法でもあります。
各REDには、オブジェクトストレージとブロックストレージが含まれます。非構造化データにはオブジェクトストレージをお勧めします。ブロックストレージは、Oracle Enterprise Edition、Oracle GoldenGate、Oracle Analytics Serverなどの高性能のトランザクション・アプリケーションにお勧めします。各ノードのraw NVMeの容量は61 TB以上です。単一ノードの使用可能なストレージは約43 TBですが、クラスターあたりの使用可能なストレージはノードの数によって異なり、ノードあたり約35〜46 TBです。
データ境界を使用すると、クラウドバケットから選択してREDにプロビジョニングするオブジェクトのセットを制限できます。以下のパラメータを使用して、データを制限できます。
prefix - リスト・クエリでオブジェクト名の先頭との照合に使用する文字列です。
start - リスト・クエリによって返されるオブジェクト名は、このパラメータ以上である必要があります。
end - リスト・クエリによって返されるオブジェクト名は、必ずこのパラメータよりも小さい必要があります。
これらのパラメータは、オブジェクトのAPIであるListObjectsのパラメータと同じものです。
データ同期は、ホームリージョンに接続された状態のテナントとの間で、オプションで行われる、データの双方向(アップロード/ダウンロード)の同期です。Roving Edge Deviceコンソールから、データ同期タスクを作成し、同期するコンパートメントとバケットを選択します。作成したデータ同期タスクは、自動またはオンデマンドで開始でき、REDコンソールから再利用できます。
偶発的なオブジェクトの上書きを防ぐために、データ同期先のOracle Cloud Infrastructureの各バケットでオブジェクトのバージョニングを有効にすることをお勧めします。
オブジェクトがバケットにデータ同期されるとき、バケットに同じ名前のオブジェクトがすでにある場合、オブジェクトは同期に失敗し、既存のオブジェクトはそのまま残ります。オブジェクトの同期失敗に関するステータスは、サマリーレポートに記録されます。
各REDは、耐久性のあるケースに入れられ、従来の輸送の要求に対して十分な保護を実現できる特別な梱包方法で発送されます。
REDが輸送中に万一紛失した場合に備えて、Roving Edge Infrastructureに保存されているすべてのデータは常に完全に暗号化され、デバイスはロックされた状態で出荷されます。ロックを解除してデバイスを操作するには、特別なコードが必要です。
はい、単一ノード、または5~15ノード構成クラスターのいずれかをリクエストできます。一度にリクエストできるのは、1つのノードまたは1つのノードクラスターのみです。
最大5 TiBのファイルをREDにプロビジョニングできます。インポート・プロセスでは、5 TiBを超えるファイルはスキップされます。
Roving Edgeでは、Object Storageバケットへのアップロードに1,024文字までのファイル名がサポートされています。
はい。オラクルは、プロビジョニング・ワークフローにわたってRoving Edge Deviceの状態変化を厳密に記録しています。それらのステータスは、コンソールまたはOracle Cloud Infrastructure CLIを使用して確認できます。
デバイスが返却されると、オラクルは安全な消去プロセスを実行します。使用後のREDは、業界標準のプロセスを使用して安全にデータを消去した後、使用可能在庫に戻されます。この安全な消去プロセスは、NIST 800-88標準に準拠しています。デバイスを返却できず、所有期間が900日未満の場合は、返却不能に対する1回限りの料金が適用されます。
REDに保存されているすべてのデータは、AES-256暗号化を使用して完全に暗号化され、ノードはロックされた状態で出荷されます。また、指定した配送業者がOracleデータセンターからRoving Edge Deviceデバイスを集荷するように選択することもできます。
米国本土内でのRoving Edge Deviceの出荷時の送料はオラクルが負担します。オラクルへの返送時の送料はお客様の負担となります。
Roving Edge Infrastructureアプライアンスが輸送中に紛失したと思われる場合は、すぐにオラクル・サービス・リクエストを申請してください。