6カ月でOCIへの移行を完了、他社クラウドでデータベース基盤を構築した場合と比べて40%コストを低減
東京—2025年5月13日日本オラクル株式会社(本社:東京都港区、取締役 執行役 社長:三澤 智光)は本日、株式会社 荏原製作所(本社:東京都大田区、代表執行役社長 CEO兼COO:細田 修吾)が、基幹業務を含む200以上のシステムで利用する「Oracle Database」とアプリケーション群を「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」に移行したことを発表しました。本プロジェクトは、荏原製作所が推進するグローバルITインフラの確立の一環であり、販売・購買管理などの基幹業務、精密・電子事業で利用される業務アプリケーションなどを対象に、安定性や柔軟性、コスト効率を高めながら、IT基盤の標準化と事業拡大への迅速な対応を実現しています。
荏原製作所は、1912年に創業された日本の産業機械メーカーであり、グローバルで約2万人の従業員を擁しています。ポンプ、送風機、冷却塔、半導体製造装置などの製造・販売を通じて、長年にわたりインフラ整備や環境保全の分野で国内外に大きく貢献してきました。海外売上高比率は66%*1に達しており、グローバル企業としての確固たる地位を確立しています。2023年から2025年までの中期経営計画[E-Plan2025]で、主力事業の競争力強化に加えて新規事業や新領域への挑戦を通じた収益基盤の拡充を図るとともに、ERPシステムの全社導入やグローバルITインフラの統合による業務の標準化・効率化を進めています。今回のOCIへの移行は、こうした経営方針の実現を支えるIT基盤強化の具体的な取り組みの一つです。
* 2024年度12月期
本プロジェクトを通じて荏原製作所が目指したのは、耐障害性に優れた信頼性の高いクラウド環境への移行に加え、スタンバイ環境の新設による高可用性の確保、定期的なパッチ適用作業など運用負荷の軽減、さらに他社クラウド環境で稼働するシステムとの連携を可能にするマルチクラウド構成の実現です。同社は、「Oracle Database」を継続利用する方針のもと、複数のクラウドサービスを比較検討しました。その結果、他社クラウドでの構築と比べてOCIではデータベース基盤のコストを約40%削減できることから、OCIの採用を決定しました。「Oracle Exadata」の高度な機能や「Oracle Real Application Clusters (RAC)」構成が利用可能であることも、選定の大きな決め手となりました。
クラウド移行にあたっては、データベース基盤はOCI上の「Oracle Exadata Database Service」、アプリケーション基盤は「OCI Compute」「Oracle Cloud VMware Solution」「Oracle WebLogic Server for OCI」を活用。既存アプリケーションの大幅な改変を行うことなく、約6カ月という短期間で移行を完了しました。クラウド上にスタンバイ環境を新設し、障害時やメンテナンス時の影響を最小限に抑える体制を整えました。また、リソース変更の柔軟性を活かし、検証環境やスタンバイ環境の確保にかかるコストを抑制。さらに、「Oracle Real Application Testing」の活用により、SQLテスト対象を98.8%削減するなど、移行プロセスの効率化も実現しました。
株式会社荏原製作所 情報通信統括部 ITアーキテクト部 インフラ・システム課 斉藤 有弘氏は次のように述べています。「OCIへの移行は、当社のグローバルITインフラを再構築し、成長に柔軟に対応できる基盤を整える大きな転機となりました。移行期間中も大きなシステム変更を伴わずに安定した業務継続ができ、日本オラクルの技術支援によりスムーズなプロジェクト遂行が可能でした。今後もOCIを活用し、さらなる業務の効率化とデジタル基盤の高度化を進めていきます。」
OCIへの移行にあたっては、オラクルの各種サービスによる支援を受けました。初期段階では、「Oracle Cloud Lift Services」によりアーキテクチャ方針を策定し、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門が、「Oracle Exadata Database Service」の構築や「Oracle Real Application Testing」の活用支援、移行作業を担当しました。さらに、「Oracle Customer Success Services」を通じて、「Oracle Advanced Monitoring and Resolution」によるシステム監視と、「Oracle Cloud Success Assurance」によるサービス・リクエスト管理体制を整備し、技術課題への迅速な対応を支援しています。
私たちのミッションは、人々が新たな方法でデータを理解し、本質を見極め、無限の可能性を解き放てるよう支援していくことです。データ・ドリブンなアプローチにより情報価値を最大化するクラウドサービス、それらの利用を支援する各種サービスを提供しています。オラクル・コーポレーションの日本法人。東証スタンダード市場上場(証券コード:4716)。URL www.oracle.com/jp
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