Oracle Enterprise Resource Planning Cloud

ERP Cloud
企業意識調査レポート
~クラウドERP戦略的活用

ITRが実施した「企業のERP製品に関する意識調査」から見えてきたERPの動向を解説したホワイトペーパー。今後のIT戦略立案の参考に、ぜひご覧ください。

米八グループ、
Oracle ERP Cloudの導入で
競争力を強化
ITR 浅利氏によるコラム連載
「これからの経営を支えるERP」
第6回(最終回)公開!

第6回 ビジネスと共に成長できるERP

 

 

これからの経営を支えるERP
第2回 これからのERPを失敗せずに選ぶには

株式会社アイ・ティ・アール
リサーチ統括ディレクター/プリンシパルアナリスト
浅利 浩一

コラムの概要と主旨: 企業ITは、まさしく今、大きな転換期の入り口に立っている。社会・産業のデジタル化の勢いは今後大きく加速し、クラウド、IoT、ビッグデータ、AI、3Dといったデジタルテクノロジが企業の競争力や製品/サービスの優位性を左右するようになっていく。

すべての経営資源を自前で所有しゼロから始めるのは、ビジネススピードやリスク回避から、すでに当たり前の選択肢ではなくなった。そして、それはこれまで企業のビジネスにとって欠かせざるテクノロジであったERPにもそのまま当てはまり、すでにその変化は始まっている。

このような時代にあたり、これからの経営を支えるERPをどのように選んでいくべきか、何を重視すべきかについて解説していく。

テクノロジの転換点

第1回の終わりに、新たなテクノロジであるクラウドへのシフトが始まりつつあり、今、まさしく大きな転換点に向き合っていると述べましたが、最初に、この点を改めて確認してみましょう。

企業は、これまでにもテクノロジの大きなパラダイムシフトを経験してきました。とりわけ、1990年前半に経験したオープン化およびクライアント/サーバ・コンピューティングへのシフトと2000年以降のインターネット/Webの爆発的な普及は、近年における大きな転換点でした(図1)。

図1 大きな転換期にある企業IT
出典:ITR

しかし、ERPなどのパッケージ・ソフトウェアの時代の幕開けから20年が経過した現在は、さらに大きなテクノロジの転換点に直面している時期といえるでしょう。クラウド、IoT、ビッグデータ、AI、3Dといったデジタルテクノロジの潮流は、これまでに経験した以上のインパクトを企業ITに及ぼそうとしており、政府も第四次産業革命と位置付けた対応を強化しています。

すなわち、「物理から仮想へ」「製品のスマート化」「モノからサービスへ」といった社会・産業のデジタル化への変革です。

経営者のマインドシフト

このようななか、ITRが毎年実施している「IT投資動向調査」の2017年度版では、 最重要視するIT戦略テーマにおいて「ビジネスへの直接貢献」が首位でした。これは3年連続首位のテーマです。次いで「業務コストの削減」「顧客サービスの質的向上」「ITコストの削減」などが、調査年度により順位が入れ替わりながらも上位に並んでいます。

ビジネスへの直接貢献とは、とりもなおさず売上増大と利益拡大への期待と言ってよいでしょう。そうしたなかで、昨今注目を集めているのは、新たなビジネス展開および成長エンジンとしてのイノベーションであり、ビジネスとITが一体化したデジタルビジネス創出への期待は、今後も高まっていくことは間違いありません。

このようなデジタルビジネスの創出において、リソースや知恵の外部活用に対する経営者のマインドシフトが顕著です(図2)。

図2 リソースと知恵の外部活用
出典:ITR

製造業においては「持たざる経営」も認知されており、ファブレス(工場や生産設備を自社で持たない)や、在庫レス、店舗レスといったモノや資産を持たない経営手法が多く見られます。

ITを含むさまざまなリソースが、クラウド(CloudとCrowd)によって必要な時に必要なだけ利用したり共有したりできるようになってきています。また、オープン・イノベーションやアイデアソン/ハッカソンによって、「知恵」に関しても外部を活用する動きも活発化しています。

スタートアップ企業だけでなく、ユニークな技術や商品を提供してきた企業も、デジタルビジネスに商機を見出そうとしており、特に既存事業を抱える企業こそ、ポートフォリオ上にどのようにデジタルを組み込んでビジネスへの直接貢献を果たすかが求められるでしょう。

そこで重要なのはアイデアを具体化した理想像であり、理想像を施策に落とし込んで実行するスピードではないでしょうか。ビジネスの施策と、それを実現するテクノロジとの同期性が勝負の分かれ目になるといっても過言ではないでしょう。

新たなテクノロジで評価すべきERP

では、先んじてクラウドERPに取り組む海外企業の動向を確認してみましょう。特にクラウドERPへの注力が鮮明な米国企業では、企業規模を問わずクラウドERPを新たなテクノロジと位置づけて、ビジネスへの直接貢献に向けていち早く刷新を進めています。

図3 海外企業事例から読むクラウドERPの活用目的
出典:ITR

グローバルビジネスでは事業や拠点数が多いことに加えて、ビジネスの再編やM&Aが頻繁に実施されるため、複雑、冗長、巨大、乱立、低性能といったシステムのレガシー化・サイロ化も速く、スピーディなオーバーホールで積年の埃を落とす必要があります。その際、むしろムダを削ぎ落としたSaaS/クラウドの外部リソースを積極的に活用するケースが増えてきました。

GE社のように、デジタル・イノベーションを推進しながら、中長期的にアプリケーション全体の7割をクラウド化すると公表している企業もあります。GE社では、経営戦略レベルで「デジタル・インダストリアル・カンパニー」へとビジネスのポートフォリオを大きく変革し、2020年までにソフトウェア事業で従来の3倍近い収益達成を目標としています。IoTや顧客のシステムと容易に連携でき、コアとなる経営情報をダイナミックかつ柔軟に利用できるクラウドERPを推進する理由がそこにあるのです。

これから選ぶべきは、古いソースコードを継承したままのパッケージ製品ではないことを明確に意識すべきです。また、ハードウェアなどのインフラをIaaSなどのプライベート・クラウドに置き換えて単に延命するだけでは、硬直化した旧世代のアーキテクチャが引きずる問題を解消することはできず、ビジネス変化に対してITの同期性を高めていくことは難しいでしょう。

これからのERPを失敗せず選んでいくためには、ベンダーのERPがオープンかつクラウドで利用することを前提に、新たに書き直されたものであることを見極めることが重要です。

ITR 浅利氏が執筆したホワイトペーパー「企業意識調査レポート~クラウドERP戦略的活用」を公開しています。ぜひ、こちらからダウンロードして、ビジネスにご活用ください。

▼次回以降のテーマは以下を予定しています。ご期待ください。

第3回 理想像を追求するアプローチへの転換 (1月26日公開)
第4回 ムダがなく完結したスイートの価値 (2月24日公開)
第5回 柔軟なデータモデルとオープン性の価値 (5月1日公開)
第6回 ビジネスと共に成長できるERP (7月6日公開)