会計ソフトウェアは、固定資産管理、経費管理、収益管理、売掛金、買掛金、補助元帳仕訳、レポートと分析など、組織の日々の財務トランザクションを管理および記録します。包括的な会計システムでは、組織の資産、負債、収益および費用が追跡されます。これらのトランザクションにより総勘定元帳がリアルタイムで入力されるため、CFO、財務担当者、経理担当役員はリアルタイムで正確な財務データに即座にアクセスできます。また、損益計算書の責任者は、業務レベルで業績を可視化できます。
このような財務トランザクションを体系的に記録することで、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本計算書など、四半期および年次の財務諸表を作成できます。会計ソフトウェアは、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムの主要コンポーネントです。
ERPシステムは、会計、財務計画と財務分析(FP&A)、サプライチェーン、在庫管理、調達などの重要なビジネス機能を統合します。これらのアプリケーションは、共通のユーザー・インタフェースやデータ・モデルとネイティブに統合されているため、異なるシステム間を移動したり、サイロ化されたデータを統合してビジネスの異なる側面を管理する必要がありません。
会計ソフトウェアは、組織が日々のビジネス・プロセスを実行するうえで非常に重要な役割を果たします。会計ソフトウェアにより、ビジネス・リーダーは自社の財務状態を正確に把握できます。
最新の会計ソフトウェアは、仕訳入力と自動補助元帳入力の両方を総勘定元帳に自動的に入力するように設計されているため、CFOや経理担当役員は財務データをリアルタイムで確認できます。
包括的な会計ソフトウェア・ソリューションは、基本的な会計処理以上のことも行います。組織が記録の冗長性を減らし、より優れた予算編成と予測を行い、徹底的かつ適切に分類された費用管理を実現するのに役立ちます。さらに、銀行システムとシームレスに統合し、より正確な監査が可能になり、すべての資産と負債に関する詳細な追跡記録を保持します。
会計ソフトウェアの資金管理機能は、現金取引を銀行取引明細書と自動的に照合することにより、正確な資金ポジションを提供します。これらの機能により、企業は、買掛金、売掛金、給与の補助元帳、および外部取引に基づく自動現金予測を使用して、タイムリーな投資、借入、およびその他の現金決定を行うことができます。
最新の会計ソリューションは、買収、資本化、減価償却、除却など、資産の財務サイクル全体を管理するのに役立ちます。これらを完全に可視化することで、企業は資産の評価や減価償却に関連する正確な財務諸表を作成できます。
不正行為や不正アクセスに対する組織の最大の防御は、セキュリティ、リスク管理、監査制御が組み込まれた会計ソフトウェアを使用することです。このような内部統制およびセグリゲーション(SoD)は、米国サーベンス・オクスリー法(SOX)の規制に準拠し、企業にデータの安全な真の単一ソースを提供するのに役立ちます。
顧客に関係する回収の管理は、会計ソフトウェアの重要な機能です。包括的な回収管理によって、顧客のランク付け、回収戦略の確立、回収の支払管理、破産した顧客の後期回収の開始が容易になります。
会計ソフトウェアの組込み収益管理機能により、収益と収益性を最大化するための分析を使用するプロセスが自動化されます。
包括的な会計システムでは、財務トランザクションが記録されるのみでなく、レポートおよび分析機能も組み込まれています。このような組込みダッシュボードは、財務リーダーが組織の財務状態を理解し、ドリル・ダウンして詳細情報を得るのに役立ちます。このダッシュボードは、流動比率、当座比率、負債資本比率、正味運転資本、在庫回転率など、多くの重要な財務KPIをリアルタイムで測定します。
45年近く前に会計ソフトウェアが導入されて以来、オンプレミス・デプロイメント・モデルからクラウドベース・モデルへと、会計ソフトウェアは大きな進化を遂げてきました。第1世代の会計ソフトウェアはオンプレミスでデプロイされていました。つまり、ソフトウェアのハードウェアとサーバーは企業のデータセンターに置かれていました。
現在、クラウドベースの会計ソフトウェアの需要が高まっています。会計ソフトウェアが「クラウド内」にある場合、それはアプリケーションが組織のある場所ではなく、リモート・サーバーのネットワークに格納されていることを意味します。
クラウドは、運営費(OpEx)と設備投資(CapEx)の両方を低減するため、より手頃な代替手段を会計ソフトウェアにもたらします。クラウドでは、企業がハードウェアを購入する必要や、追加のITスタッフを採用する必要がなくなるためです。サポートに費用のかかるインフラストラクチャがないため、リソースはイノベーションの機会に投資でき、従業員はITの管理ではなく、より戦略的な活動に集中できます。
会計ソフトウェアのオンプレミスからクラウドへの移行を推進するうえでコアとなる運用概念が4つあります。そのコンセプトとは、以下の通りです。
維持の排除 | レガシー・ソフトウェア・システムでは、スタッフやコンサルタントによる多くのメンテナンスが必要です。レガシー・システムでは、bug修正、パッチの適用、アップグレード、保守料金が継続的に必要になります。クラウドベースの会計ソフトウェアを使用すると、追跡、診断、インストール、テストに伴う手間が、顧客からベンダーへと移行します。システムの修正するための継続的な作業は、システムが代わりに行います。 |
高額なメンテナンスの回避 | オンプレミス・ソフトウェアを稼働させるためには、膨大な時間と労力、資金が必要です。クラウドベースの会計システムでは、アップグレード、障害時リカバリ、ハードウェアの更新、バックアップがすべて、サービスの一部として処理されます。 |
リアルタイムの正確な財務データ | 過去の会計ソフトウェア・ソリューションは、多くの場合、補助元帳から総勘定元帳にトランザクションを「バッチ転送」するように設計されていました。クラウドベースの会計ソフトウェアは、すべてのトランザクションを総勘定元帳に自動的に転記するため、総勘定元帳には常にリアルタイム・データが含まれます。 |
無駄な追加ソフトウェアは購入不要 | 将来のユーザーや潜在的なプロジェクトのために追加のライセンスを購入するという古い慣習は、最新の会計ソフトウェアによって終わりを告げました。クラウドのSaaSサブスクリプション・モデルによって、企業は必要なライセンスを使用し、成長するにつれてユーザーや製品を追加できます。 |
会計ソフトウェアはデジタルの世界の需要を満たすように進化しており、クラウドはこの変革の鍵となっています。クラウドによって、バックオフィスの会計ソフトウェアがイノベーション向けに設計された包括的でミッション・クリティカルな統合ソリューションに進化していきました。企業が新たな破壊的要因と競争圧力に直面しても、このような俊敏で適応性の高いクラウド会計システムで、将来に向けた財務の強化を実現できます。
最新のクラウドベースの会計ソフトウェア・ソリューションは、企業がデジタル経済における競争力を高めるのに役立ちます。この包括的なソリューションには、次の機能が含まれます。
高度なレポートと分析 | デフォルトの指標を用いて過去の傾向や差異分析を行うことで、組織の財務パフォーマンスを包括的に把握し、収益性、コスト、売上をよりよく理解することができます。 |
次世代テクノロジー | クラウドベースの最新の会計アプリケーションには、多くの場合、人工知能(AI)、ブロックチェーン、機械学習(ML)、デジタル・アシスタントなどの次世代テクノロジーが組み込まれています。 |
自動化 | 勘定科目照合とトランザクション照合が組み込まれているため、決算処理を劇的に高速化できます。Oracleがわずか9暦でS&P 500で最速の決算を達成した方法をご覧ください。 |
総所有コスト(TCO)の抑制 | クラウドにより、企業はハードウェア、メンテナンス、シェルフウェア、アップグレードに投資する必要がなくなります。SaaSがもたらすスピードと規模のおかげで、クラウド会計ソフトウェアを使用する組織は、オンプレミスの顧客と比較して総所有コストを最大52%削減(PDF)できます。 |
卓越したスケーラビリティ | 財務管理ソフトウェアは、企業の成長に合わせて、市場、地域、製品を問わず、迅速で簡単に拡張できる機能を備えている必要があります。クラウド会計ソフトウェア・プロバイダのデータ・センターは、比類のない速度、パフォーマンス、セキュリティ、規模を提供するように設計されています。 |
どこからでも作業 | クラウド会計ソフトウェアを使用すると、会計担当者、経理担当役員、財務担当者、CFOは、ラップトップからスマートフォンまで、インターネット接続が可能なあらゆるモバイル・デバイスからアプリケーションにアクセスでき、財務部門はいつでもどこでも、どのデバイスからでも安全に作業できます。 |
年4回のアップデート・サイクル | オラクルのソフトウェアは四半期ごとに自動更新されるため、お客様は90日ごとに、強化した自動化と追加機能を利用できるようになります。 |
包括的な財務管理スイート | オラクルでは、主な会計と財務、危機管理、直接的および間接的調達、プロジェクト・ポートフォリオ管理(PPM)用のアプリケーションを備えた、最も包括的な財務ソリューションを提供しています。 |
障害時リカバリ | クラウド会計ソフトウェアに組み込まれているセキュリティ・プロトコルは、オンプレミス・システムよりもはるかに広範で最新です。クラウド・プロバイダは定期的に複数の場所のサーバーにデータをバックアップするため、火災や自然災害によってシステムのインスタンスと情報が危険にさらされるリスクが軽減されます。 |
コンプライアンス標準 | 今日の組織では、スプレッドシートを使った、いわゆる経理のデジタル版以上のものが必要とされています。クラウドベースの会計ソフトウェアは、トランザクションを記録するだけでなく、財務チームが信用管理を維持し、会計エラーを減らし、請求サイクルを短縮化すること、また、常に変化する税法や規制要件に準拠し、キャッシュ・フローを最適化することに役立ちます。 |
危機管理 | 組織全体で資金を追跡・管理するため、会計システムは、重要なデータを盗難、詐欺、その他の犯罪から保護する必要があります。クラウドベースの財務管理ソリューションにリスクとコンプライアンスの管理機能が含まれていれば、企業は監査証跡やエラー・チェックだけでなく、このような機能を活用して企業全体でセグリゲーション(SoD)や責任に対する役割のマッピングなども行うことができるようになります。 |
クラウド会計システムはもはや未来の話ではなく、競争上不利な状態での事業運営を避けるために企業が今すぐ採用する必要があるものです。クラウド会計ソフトウェアの利点は他のクラウド・アプリケーションと似ていますが、ビジネスのあらゆる基盤は財務であるため、さらに高い重要性を持ちます。正確でリアルタイムの財務情報なしで企業を運営するのは、速度計や燃料ゲージなしで車を運転するようなものです。そのため、クラウドベースの会計システムは今日のビジネスにとって非常に重要な投資となります。