日本オラクル特集記事

2018年以降、ブロックチェーンが普及する4つのシナリオ

オラクル・コーポレーション
デビッド・ハイムズ

2017年、金融およびテクノロジー業界を大きく賑わせたブロックチェーン。それがお金に関連したものであることを、誰でも一度は耳にしたことであるだろう。ブロックチェーンは、ビットコインなど仮想通貨や資産取引の中核となる分散台帳技術として注目を集めている。

しかし2018年以降、ブロックチェーン技術の用途は仮想通貨に留まらない。将来的には業務用アプリケーションに応用されるなど、日常業務の多くに、その一部として組み入れられる可能性がある。

業務アプリケーションの中でブロックチェーンを利用する以下の4つのシナリオを検討してみていただきたい。より柔軟かつ安全で効率的なビジネスプロセスが生まれ、さらには新たなビジネスモデルの実現につながるかもしれない。


仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンは、資産管理、サプライチェーン、機密情報の安全運用、製品・材料のトレースなど幅広い用途で活用することができる

1. 自律分散型マーケットプレイスの実現

ブロックチェーンによって、より安全かつ透過的でありながら、プライベートな取引の「チェーン(鎖)」のなかで、未払い債権など価値あるモノを追跡したり取引したりできるようになる。この機能により、現金管理や資産管理のスピードと柔軟性が高まる。

例えば、自社のERPアプリケーションが発行する検証済みのインボイス(請求書)を利用して必要な資金を素早く現金化したり、インボイスファクタリングの自律型マーケットプレイスで請求書を売却してキャッシュフローの動きを速めたりすることが可能になる。

その他の資産の自律型マーケットプレイスも次々に増えていくだろう。基本的にブロックチェーンをベースとする取引は、オープンフレームワークで取引に関与するすべての参加者の目に見えるようになっているため、第三者による監督業務の必要性が低減される。

複数の買い手が見込まれる「価値あるもの」を発行する際に、その「価値あるもの」が本物であり、かつ売り手が二度売りできないものと全ての買い手が信用でき、なおかつそれらが可視化されていれば、買い手の間ではオープンで透明性の高い競争となると同時、売り手はより高い価格で売却することができる。

2. サプライチェーン全体を可視化

ほとんどの組織にとって支出管理は重要な課題である。ブロックチェーンにより、企業は自社の管理下でサプライヤーやパートナーとの契約の自動化、即時決済、出荷状況の追跡などが行えるネットワークを構築でき、サプライチェーン全体を可視化することができるようになる。

例えば、冷蔵コンテナで生鮮食品を出荷する場合、トラックにIoTセンサーを設置し、コンテナ内の温度が一定の基準を超えると、ブロックチェーンでスマートコントラクトを行使することができる。これをきっかけに注文をキャンセルすると同時に、自動的に新たな発注と速やかな再出荷を行うことができる。そして、冷蔵ユニットに不具合が生じたトラックは修理のために整備工場に向かわせることも可能だ。

こうしたネットワーク上で、人が介在する余地を軽減もしくは完全に排除することによって、処理上のミスや情報の見落としを減らすことができるのだ。

3. 非公開の取引履歴を分散して安全に運用管理

従来の取引では、ファイアーウォールやアクセス権限を駆使することで共有情報のデータベースの安全性を、第三者に依存しながら確保している。情報漏えいが度々大きなニュースになっていることからもわかるように、こうしたやり方は常に理想的に働くわけではない。

ブロックチェーンの利点の1つとして、個々のデータ履歴や要素がブロックチェーンのメンバーキーによって暗号化される点が挙げられる。サイバー犯罪者が全てのブロックチェーンデータにアクセスするには、メンバーそれぞれが持つ個別のキーにアクセスしなければならない。だからといってブロックチェーンによってあらゆるデータの安全が100%守られるというわけではないが、一度の動作で大量の個人データが危険にさらされる可能性は低減できる。

従業員や学生の記録を応用し、雇用主や教育機関あるいは業界の認証機関が資格や職位などを新たにブロックチェーン上に追加していくという使い方も理にかなっている。例えば人事情報を安全なブロックチェーンに含め、従業員一人ひとりにキーを与えて自分のあらゆるデータにアクセスできるようにしたらどうだろうか?大学の成績証明書も職歴も安全に別の会社や教育機関と共有できるようになれば、信頼性が低く簡単に偽造ができてしまうファックスで送信したコピーなどに頼らなくても良くなるだろう。

4. 製品や材料の由来を追跡

ブロックチェーンによって、使用されている製品や材料の追跡や検索が簡単にできるようになり、品質や安全性の保証として役立てることができる。

例えば、自動車メーカーが部品業者、部分組立メーカー、規制関連の公的機関までを含め、品質管理を用途にしたブロックチェーンを形成すれば、欠陥部品のリコールは今よりもずっと早く進めることができるだろう。部品の不具合で年間何万人もの命が失われていることを考えれば、これは非常に大きな意味があることといえる。


オラクルは2017年10月に開催した「Oracle OpenWorld San Francisco」で、ブロックチェーンのネットワークをクラウドで提供する「Oracle Blockchain Cloud Service」を発表した

ブロックチェーンがもたらす将来の可能性

オラクルは2017年10月に「Oracle Blockchain Cloud Service」を発表した。ここに挙げた4つのシナリオは、オラクルがお客様のブロックチェーン活用方法として考える一例であり、この技術を戦略的に活用していただけるようお客様に検討を推奨している。

まず、ブロックチェーンについて学び、自社のビジネスに付加価値をもたらす可能性のある試験プロジェクトの開始を検討してみていただきたい。場合によっては新たなビジネスプロセスの構築や既存のビジネスプロセスの見直しが必要となるかもしれない。しかし、ブロックチェーンは、どのような企業にもメリットをもたらす柔軟性の高い技術である。

参考リンク:
ブロックチェーンとは何か。ビットコインとの関係性は?
非金融用途でも導入が進むブロックチェーンサービスができる6つのこと

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています:
4 Real-World Uses For Blockchain