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オラクル・コーポレーション
マイケル・ヒキンズ
IT部門は業務部門からのモバイル・アプリへの要望に頭を悩ませ、その解決方法の糸口を探ろうとしている。
CIOが直面する昨今のIT予算の縮小–増えたとしても業務量に比例しない-を背景に、自社のデータセンターにアプリケーションを購入しメンテナンスするのに代わって、クラウド上でアプリケーションを稼働させるSoftware as a Service (SaaS)を活用している。
SaaS型アプリケーションが増え続ける中、CIOはPlatform as a Service (PaaS)と呼ばれるクラウド・サービスの別の階層に注目しはじめている。PaaSは、SaaSを統合したり統合し、SaaS上のアプリケーション開発を共通化したりできる。
この重要性が増している背景には、業務部門のマネージャーがモバイル・アプリのアジリティ(俊敏性)に着目し、従業員の生産性や顧客とのエンゲージメント向上に役立てられるからだ。
モバイルPaaSとはクラウド・サービスの一種で、企業がアプリケーションを開発し統合する際に、端末やOSの種類に関わらず利用できる仕組みだ。自社でシステムを運用したり、開発者やシステム担当者を雇用したりすることなく、激変するIT環境に呼応することができる。
オラクルでプロダクト・マネジメントとモバイル戦略を担当するバイスプレジデントのスハス・ウリヤは、「予測不可能なことを話しても意味がない。次世代のスマート・ウォッチについても同様だ。それだけで5種類もの異なるOSが搭載されている」と述べている。
モバイルPaaSはバックエンド業務をシンプルにする。すなわち、IT部門が「得意とすることに集中することができる」。インターフェース設計、複数のアプリケーションとの連携、分析、セキュリティなどがそれだ。
ウリヤはその重要性について、「(モバイル・アプリの開発は)車輪を付ければ、それがモバイルというわけではない。従来のアプリケーションとは全く異なる思想が必要だ」と述べ、その使われ方と連携して見ていく必要があると説明する
「モバイルはエンドユーザーに与える豊かな文脈だ。例えばGoogle Mapsや決済システム、ロケーション・ビーコンなどの複数のシステムからのデータを連携させる。また、複数のバックエンド・システムからのデータを取り込んだり、シングル・サインオンで連携させたりという要求もある」とウリヤは述べる。「企業のシステムにおけるモバイル・アプリの利用は、セキュリティ・ポリシーと連動させ、さまざまな基幹系システムとつなぐ必要がある。モバイル・アプリを企業に実装する作業の80%も占めている」
Oracle Mobile Cloud ServiceといったPaaSは、IT部門が抱える課題に解決に向かわせる。このサービスの目指すものは、モバイル・アプリの開発者がユーザーのニーズに迅速に、負担なく応えていくことだ。モバイル・アプリ開発の複雑さを解消する手段として、サーバー側のプログラミング処理を行い、バックエンドで動作するコードの冗長性を解消し、さらに事前検証済みのサービスやテンプレートを提供することだ。その結果、開発者はフロントエンドのアプリそのものアプリ開発に集中することが可能だ。また、モバイル向けの開発ツールであるOracle Mobile Application FrameworkやXamarinで複数のプラットフォーム向けアプリの開発も容易になる。
Oracle Mobile Cloud Serviceは、モバイル特有のインターフェース機能、例えば通知やオフラインのデータ同期、モバイルで生成されるデータやユーザー管設定を提供する。
重要なコンポーネントになるのがセキュリティだ。このサービス向けにゼロから設計している。「保存および使用中のデータの暗号化ポリシー、複数のデータソースにまたがるシングル・サインオンと共有認証、アプリケーションへのアクセス権限の付与」といったセキュリティを強化しているとウリヤ説明する。
注目の機能であるMobile Analyticsによって、サービス利用状況やビジネスへの影響度をはかる指標を提供する。この指標を有効活用できれば、エンドユーザーとのエンゲージメントを深め、モバイルを介した事業化を推進することも可能になる。
Oracle Mobile Cloud Serviceの本質はモバイル・アプリの開発ツールを単に提供することではない。変化する環境に応じて、適切に対応していくことだ。モバイル開発者はクラウド・サービスを使えば、モバイルのライフサイクル開発を管理しながら次期バージョンの開発へも速やかに取り組むことが可能になる。
マイケル・ヒキンズはオラクルにおいてストラテジック・コミュニケーション担当のディレクターです。以前は、Wall Street JournalのCIO Journalの編集者でした。