日本オラクル特集記事

2018年のHR最大のテーマはAIによる面接

オラクル・コーポレーション
HCMプロダクト・マーケティング担当シニア・バイスプレジデント
エミリー・ホー

新たに2018年度を迎え、企業の人事を取り巻く環境に、2つの相反する力が影響を及ぼすことが明確になりつつあります。社会とビジネスにおける急激な変化の結果、ますます複雑なビジネス環境になっている一方で、従業員は、業務アプリケーションに、シンプルで、エンゲージメントを高めることができ、かつ人間らしさも感じられる体験を求めています。人事組織がその存在を強化していくには、人工知能(AI)、機械学習、ロボット、チャットボットなどの先進技術を活用して、ビジネスの急速な変化に対応しつつ、従業員にとって、より心地良い体験を提供する必要があります。

さまざまなテクノロジーによる破壊的なイノベーション(デジタル・ディスラプション)はいたる所で起きています――交通業界におけるUber、旅行・宿泊業界でのAirbnb、小売業でのAmazonなどが分かりやすい例です。今までにない勢いで変化している環境のなかで、企業が生き残っていくためには、市場の変化、顧客需要、技術革新の急速な変化にうまく適応する必要があります。それには、人材についての考え方を根本から変えることが必要です。単に従業員を雇用するというだけでなく、インテリジェントな自動化が可能な業務と、人の介在が求められる業務を組み合わせることで、人事業務の生産性を最大化することが重要になってきます。

自動化技術の活用により9%の雇用が失われると予測。その一方で・・・

2018年、人事担当者はAI、RPA (Robotic Process Automation)、カスタマー・セルフサービスといった一連の自動化技術の活用により、従業員の生産性を向上すべく、各事業部門と協力して取り組んでいくことになりそうです。Forresterの『2018 Predictions Report』によると、自動化により米国の雇用の9%が失われる一方で、「自動化によって生まれる経済」をサポートする雇用が2%生まれると予想されます。人事担当者はビジネスリーダーと協力して、業務の自動化により新しい職務・スキル・プロセスに与える影響を考慮したうえで、将来の働き方を策定し、雇用・人材配置計画を見直すことになるでしょう。また、文脈的なデータとワークフォース・モデリング(将来の働き方のモデル策定を支援するテクノロジー)を利用することで、従業員の自然減や離職などの問題を回避しつつ、人材マーケットについて正確に把握し、より円滑に効果的な採用活動を行うことが可能になります。

ビジネスにおいて、企業は記憶に残る体験を顧客に提供することの重要性を、認識していると思います。ミレニアル世代やZ世代が世界の労働力の多数を占めるようになると、人事はビジネスと同様、いかに他とは異なる従業員体験を提供できるかということを考え、従業員との関わりや彼らの高い生産性を維持しようとする企業が増えることでしょう。この考え方の中心にあるのは、企業が従業員を仕事に対する意義、価値、会社や他者とのつながり、評価、個人的成長を求めている人として総体的にとらえることです。また、従業員が消費者として当たり前に得られている体験――直感的な操作性、迅速な対応、リアルタイムな情報へのアクセスなど――と同様のものが職場においても求められています。

2018年には、仕事をより楽しく、シンプルで魅力的なものにするために、AI、チャットボット、機械学習、モバイル・ソリューション、ソーシャル・プラットフォームの利用が飛躍的に増えると見込まれます。チャットボット、対話型ユーザ-・インターフェイス、顔認識といった知的エージェント・ツールの導入が急速に進み、給付手続きや求人などの人事業務プロセスが急速に変わっていくことになると、Forresterでは見ています。同社の予測によると、2021年には、過半数の企業で、ボットやチャットボットへの投資が、従来のモバイル・アプリの開発コストを上回ることになりそうです。

グローバル企業の20%が採用にチャットボットを導入

企業による人材争奪戦は、顧客の獲得をめぐる争いと同様に熾烈を極めています。職場に対する従業員の期待が高まるなか、優秀な人材を確保し、また働き続けてもらうことが重要になります。Forresterの調査によると、2018年はこの人材争奪戦において、デジタル化の恩恵を受ける企業とそうでない企業との格差が拡大していきます。また、希少な人材の確保に躍起になる組織では、最大で相場を20%上回る投資が必要になると予測されます。

2018年の人事関連システムの最大のテーマは、「AIによる採用」となりそうです。先進的な企業の採用担当者は、AIを活用して人材市場におけるより深い洞察を得て、候補者をどこでどのように採用すべきかを判断し、履歴書の選別といった業務の工数を減らし、多数の応募者のなかから適切な候補者を選定することに注力できるようになると予想されます。Forresterの『2018 Predictions Report』によると、2020年には、大手グローバル企業の20%で、チャットボットによる応募者とのやり取りを経て、実際の面接が行われるようになると見られています。世界中の人事組織で、自然言語処理技術を搭載した採用バーチャル・アシスタントの導入が進むことになりそうです。これによって、応募者と瞬時にやり取りし、職務要件ごとに文脈に沿った質問を投げかけ、応募者ごとにパーソナライズされた最新情報の提供・フィードバック・提案を行えるようになります。

2018年は、ビジネスのさらなる成功を目指すだけでなく、人間らしい職場を取り戻すために、人とテクノロジーが融合される年になることでしょう。

本記事は2018年2月5日にTLNTに掲載された記事です:
https://www.tlnt.com/how-hr-will-be-different-this-year/