日本オラクル特集記事

娘に伝えたいスマートフォンのプライバシー5カ条

日本オラクル 広報室
石山和美

 スマートフォンは社会のあらゆる領域に浸透しており、それは中高生たちの世界も例外ではない。LINEに代表されるメッセージアプリ、あるいはInstagramやTwitterなどのSNSを使ってコミュニケーションを図ったり、勉強の息抜きにスマートフォンでゲームをしたりするのは当たり前になりつつある。また親の立場から見ても、どこにいてもすばやく連絡ができることに加え、内蔵されたGPSを使ってどこにいるかも把握できるため、子どもの外出時にスマートフォンを持たせておくのは安心だ。

 ただスマートフォンは単に便利なだけでなく、利用に際しては注意しなければならないポイントもある。その中でも特に気になるのはプライバシーの問題だろう。使い方によっては、自分の個人情報がインターネット上にばらまかれてしまうことがあり、しかも拡散した情報は取り戻したり削除したりすることはできない。インターネット上で永遠に情報がさまよい続け、それが将来の生活にも影響を及ぼすといったことにもなりかねない。

 ここで紹介するのは、日本オラクル 法務室 プライバシー カウンセルの三島知子が娘にスマートフォンを渡すときに伝えようとしているプライバシー5か条である。すでに子どもがスマートフォンを使っている、あるいはスマートフォンをこれから買ってあげるのであれば、ぜひこの内容を伝えてあげていただきたい。なお、この内容は大人のスマートフォン利用にも当てはまるため、少しでも自分のプライバシーが気になるのであれば、自分のためにもぜひ読んでみていただきたい。

三島知子:日本オラクル 法務室所属 プライバシー カウンセル。情報プライバシー専門家資格であるCertified Information Privacy Professional(CIPP)の欧州版の資格を持つ。3児の母。(撮影:日本オラクル)

その1 個人情報にはどんなものがある?

 名前や住所、電話番号、学校名だけでなく、あなたがどこの誰かを特定できる情報はほかにもたくさんあります。例えば、スマートフォンで撮影した写真に映り込んでいる風景もあなたを特定するための情報として利用される可能性があります。特に最近ではインターネット上で画像を検索するためのサービスがあり、自分がどこかを明示していなくても、そうした画像検索サービスを使うことでどこか分かることもあるため注意しなければなりません。

 いつ、どこで、誰と、どんな行動をしたのかも、あなたを突き止めるために利用される可能性があります。たとえば「いつものあのお店で店員さんに声をかけられた」と書けば、あなたの行動範囲の中にそのお店があることが分かるでしょう。分かりやすい個人情報だけでなく、日々の行動のつぶやきからどのあたりに住んでいるのか、どこの学校に通っているのかなどが第三者に知られてしまう可能性があるのです。

 もちろんSNSなどに自撮りをアップするのも危険です。加工して顔を隠しているから大丈夫だと思っても、加工した写真を複数組み合わせれば誰か分かることもあります。分かりやすい個人情報だけでなく、思わぬ情報が自分を特定されることにつながることを覚えておきましょう。

その2 位置情報には気をつけて

 スマートフォンにはGPSと呼ばれるセンサーが組み込まれていて、これを使えば地図アプリが目的地まで導いてくれるし(方向音痴のお母さんも使っています!)、お母さんもあなたがどこにいるのかをすぐに確認できるので、とても便利で安心です。

 でも、もしスマートフォンで撮影した写真に位置情報が保存されていたらどうなるでしょう? 自宅で撮影したお気に入りのぬいぐるみの写真を入手すれば、簡単にあなたの自宅がどこにあるのかを突き止められるのです。その写真を誰でも見られる場所にアップしたり、顔も知らない大勢の人に送ってしまうことは、あなたの住所を大勢の人に公開していることと同じです。

 スマートフォンでは、カメラで撮影した画像に位置情報を保存するかどうかを設定することが可能です。もし自分で設定できなければ、お父さんやお母さんに相談して、必ず位置情報を保存しないように設定してください。

その3 共有する相手、ちゃんと選んでいますか?

 あなたは自分の住所や電話番号、個人的なことをよく知らない相手や見ず知らずの人に教えないでしょう。ネットの世界でも同じように行動してください。SNSなどでつながっている、顔の見えない、会ったこともない人たちは見ず知らずの人と同じです。

 やり取りするメッセージから「この人は信用できそうだ」と考えたとしても、会ったこともない人に個人的な情報を教えたり、自分の顔写真を送ったりしてはいけません。同い年だというのは嘘で、実は大人かもしれません。女の子だと思っていたら男だったということもありえます。

 仲間だけで共有するつもりが、知らない人にまで情報が広がっていくこともよくあります。たとえばLINEのグループで写真を投稿したら、それがインターネット上で公開されていたといったことです。自分の顔が映っていなかったとしても、「本当にこれを公開して大丈夫かな?」とよく考えてください。迷ったときは、駅前を通る知らない人たちの前で公開しても問題ないか、お父さんやお母さん、学校の先生に見せられる内容かどうかを考えるとよいでしょう。「見せられない」と思ったのなら、それは公開するべきではありません。

その4 利用するアプリはちゃんと選んでますか?

 スマートフォンで新しくアプリを利用するときは、位置情報や撮影した写真、電話帳のデータなどを利用するかどうかを確認しましょう。信頼できるアプリは、位置情報をどのように使うかがプライバシーポリシー(収集した個人情報をどのように使うかが書かれた説明書のことです)に書かれているし、データの利用を認めるかどうかを選択できる場合もあります。

 アプリによっては、プライバシーポリシーがそもそも用意されていない、あったとしてもデータの利用について正しく書かれていなかったり、もしものときの対応がきちんと記述されていなかったりすることもあります。こうしたアプリの利用には十分に注意すべきです。

 また、もし個人情報やそれにつながるデータの利用をアプリに対して許可しなければ使えないのであれば、そのアプリは使わないと判断することも大切です。ただ、どのアプリが安全かを判断するのはまだ難しいよね。だから迷ったらお母さんに相談してね。

その5 プライバシーはあなた自身がコントロールできる!

 あなたがインターネット上で、いつ、どんなWebページを閲覧したかも実は集められています。この情報を利用して、あなたが何に興味(映画やテーマパーク、ほしいものなど)を持っているかを判断し、それに合わせた広告を表示するようになっています。

 この仕組みは「クッキー(Cookie)」と呼ばれています。パソコンやスマートフォンに保存される「目印」のようなものだと考えればよいでしょう。この目印を使い、Webページにアクセスしているのはどのパソコン、あるいはスマートフォンなのかを判断し、その情報を記録することで、どんなWebページにアクセスしたのかが分かるようになっているのです。

 ただ、このクッキーの利用を認めるかどうかはあなた自身が選べます。またスマートフォンの設定で(どのWebサイトでも)「クッキーの利用を認めない」という設定にすることもできます。こうすれば、あなたがどのWebサイトにアクセスしたのかという情報が収集されることはありません。

 覚えておいてほしいのは、自分の情報を提供するかどうかの判断はあなたができるということ。つまり情報を提供して便利になるのであれば、(情報の内容にも依るけれど)提供してみてもいいかもしれません。逆にそんなにメリットがなかったり、そのサービスが信用できないというのであれば、たとえばクッキーの利用を禁止してプライバシーを守ることもできます。

 最初は難しいかもしれないけれど、メッセージアプリやSNSで公開してもいい情報かどうか、そしてアプリやWebサイトに自分のプライバシーにかかわる情報を提供できるかどうかをしっかり考えて、上手にスマートフォンを使ってね。