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Oracle Cloudを使ったデジタルトランスフォーメーションのイメージを伝えるべく、約2年前からオラクルで始まったのが「WEDO(ウィドゥ)」と呼ばれる取り組みである。「私たちはやる、できる」が名前の由来であるWEDOは、ロボットやミニカー、ドローンといった目に見えるデバイスを使いながら、顧客と共に新たな発想を具現化して行くアプローチだ。すでにホテルのおもてなし、自動運転や車両管理など、さまざまなデモを開発している。
このWEDOとして開発されたデモの1つに「製造出荷プロセスにおけるブロックチェーンの活用」がある。今回、アクセンチュアのイノベーション創出拠点である「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」内において、このデモを含む「Liquid Studio for Oracle」を新たに展開することになった。この取り組みについて、アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 Oracleビジネスグループ日本統括 マネジング・ディレクターの池田淳氏と、日本オラクル 執行役員 クラウドプラットフォーム戦略統括の竹爪慎治が対談した。
ディスラプションを起こすようなアイデアをお客さまと一緒に考える
竹爪 まず、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京のコンセプトを教えていただけますか。
池田 この場はお客さまと共にソリューションを作り上げていくスペースとしてデザインしています。中央にはお客さまにイメージを作っていただくことを目的としたデモスペースがあり、さらに我々とお客さまが一緒になってワークショップを実施するためのエリアもあります。必要に応じて同じビル内で働くアクセンチュアのエンジニアも参加し、プロトタイピングまで実施することが可能です。
竹爪 その中に、我々のWEDOの取り組みを「Liquid Studio for Oracle」というかたちで新たに展開するわけですね。このLiquid Studioとはどういった取り組みなのでしょうか。
池田 Liquid Studioという考え方の取り組みはグローバル全体で行っています。デザインシンキングを採り入れ、ディスラプションを起こすようなアイデアをお客さまと一緒に作り上げる。そしてプロトタイピングから効果測定を行うまでをスコープとしています。
プロトタイピングはカスタム開発で行うこともあれば、すでに提供されているソリューションを用いることもあります。今回、新たにLiquid Studio for Oracleを立ち上げることにより、オラクルのソリューションを活用して、より迅速にお客さまの考えるユースケースを具現化するプロトタイピングができるのではないかと期待しています。
WEDOのデモを起点にお客さまとのディスカッションにつなげる
竹爪 私たちから提供するWEDOのソリューションデモセットは、お話いただいたLiquid Studioのコンセプトに非常にマッチするのではないかと思います。私たちがWEDOのような取り組みを始めた背景にも、こうしたデモを起点としてお客さまとのディスカッションにつなげていきたいという考えがあるからです。
お客さまに何をやりたいですかと聞いても、アイデアがまとまっていなかったり、やるべきことに気づいていなかったりするため、なかなか答えは返ってこないでしょう。しかし、こういったデモを見れば、触発されてやりたいことのイメージが沸いたり、新しいアイデアが生まれたりするのではないでしょうか。それを種として、お客さまとのディスカッションにつなげていければうれしいですね。
池田 WEDOのデモンストレーションは、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京に置いてあるデモの中でも、もっとも包括的なユースケースをリアライズしたものの1つだと考えています。スマートフォンを使った購買から始まり、製造から流通までがあり、さらには工場内でのIoTの活用など、さまざまな要素が含まれている。これをお客さまに見ていただくことにより、より具体的なイメージが沸いてくるでしょうし、それによってお客さまのユースケースにあったものを提供できるようにしていきたいと思います。
オラクルと一緒になってお客さまのアイデアを具現化していく
竹爪 現在はデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みが活発になっていますが、その点におけるお客さまの状況をどのようにご覧になっていますか。
池田 やはりお客さまの熱量は高く、危機感を持っている企業は多いと感じています。一方で日本企業の場合は、旧来の考え方がやや足かせとなっている部分があるのではないでしょうか。たとえば個人情報をクラウドに保存してもよいのか、あるいはアジャイルで開発するにしても品質をどう担保するのかといった議論がある。そうした旧来の考え方が捨て切れないため、遅れを取ってしまっているケースが多いのではないかと感じています。
竹爪 まさにその通りだと思います。それと同時に、既存の資産が課題となっている面もあるように思います。デジタルトランスフォーメーションを推進するのは基本的にビジネスユニット側だと思いますが、ただIT部門とも連携する必要があるでしょう。そのとき、IT部門は既存の資産をどう維持するのか、そういった部分にすごく縛られている点があり、それが欧米と比べて少し遅れている原因ではないでしょうか。
私たちオラクルとしては、既存の資産については簡単に管理できるような仕組みを整えて負荷を減らし、新しい領域に時間やリソースを使えるようにしていきたい。そうした点について、ぜひアクセンチュア様のようなパートナーの方々とお付き合いしながら、お客さまを支援していくことが非常に重要であると考えています。
池田さんには米国サンフランシスコで10月22日から25日に開催した「Oracle OpenWorld 2018」にも来場していただきました。今年は、セキュアな単一クラウドプラットフォームである「Oracle Gen 2 Cloud」、最新のAI・機械学習を用いた「Oracle Autonomous Database」、広範な業務アプリケーション領域でのAI適用などをアピールしました。我々が発表したものの中で印象に残ったものはありましたか。
池田 様々な発表から、オラクルがイノベーションを推進するテクノロジー企業であることを改めて実感しました。そのなかで、2019年に、日本を含むグローバル全体でオラクルがデータセンターを開設すると発表したことです。オラクルが提供するクラウドサービスに対する期待値は徐々に高まっていると感じていますし、社内からもオラクルの勉強会を実施して欲しいといったリクエストが上がっています。日本にデータセンターができれば、こうした動きはさらに加速していくでしょう。そのオラクルのクラウドサービスを使ってお客さまにどういった価値を提供できるのか、我々としても議論を深めていきたいですね。
アクセンチュアとオラクルの連携でお客さまのデジタルトランスフォーメーションを推進
竹爪 今回Liquid Studio for Oracleを活用し、デジタルトランスフォーメーションを含めた領域において、お客さまをどのように支援したいと考えていらっしゃいますか。
池田 オラクルと一緒になって、お客さまのアイデアを具現化していく、そうしたアクティビティを立ち上げていきたいですね。WEDOのデモを見ていただく、あるいはPoCをさせていただいてオポチュニティを作り上げ、そこからLiquid Studio for Oracleを通じて要望を具現化し、それをさらに広げていければといいですね。
竹爪 その観点で言えば、アクセンチュアとオラクルの組み合わせは非常にいいのではないかと思っているんですね。僕たちは基本的にはテクノロジーベンダーであり、さまざまなサービスを展開しています。ただ、それをどのようにお客さまのビジネスの中に適切な形で入れ込むかという部分まではカバーできないところがあります。
その点について、アクセンチュアが取り組まれている、デザインシンキング的なアプローチでお客さまのデジタルトランスフォーメーションを推進していく、その中で我々のソリューションを活用していただく。そういった組み合わせでお客さまに貢献できるのではないかと考えています。
池田 私としても、オラクルのテクノロジーをベースにして、お客さまと一緒に新しいビジネスを考えてプロトタイピングしていきたいと思っています。お客さまが持っている資産やデータを活用して新しいアイデアを実現していく、その際にLiquid Studio for Oracleの仕組みを使って、お客さまと一緒になってプロトタイピングを行い、アイデアを実現していきたいですね。
竹爪 お客さまから見ると、こうしたデモをオラクルが作ったということは驚かれる部分があるでしょうし、これは何だろうって興味を持つきっかけにもなると思います。それによって生まれた新たなアイデアの実現を、アクセンチュアと連携しながらサポートしていきたいですね。
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。