日本オラクル特集記事

オラクルのクラウド収益が再び急増

オラクルのCEOであるサフラ・キャッツは、「当社がクラウド分野で拡大するにつれて、その成長スピードも早くなっている」と述べ、2017年度(FY17)第2四半期のSoftware as a Service(SaaS)およびPlatform as a Service(PaaS)を合わせた収益が、対前年同期比81パーセント増の8億7,800万ドルになったと発表した。オラクルのSaaSおよびPaaSのクラウド収益の成長率は、これで4四半期連続の上昇となった。

Infrastructure as a Service(IaaS)も含めたクラウド収益の合計は、第2四半期に62パーセント増加し、初めて10億ドルを突破して10億5,000万ドルとなった。キャッツによると、オラクルの競合相手であるSalesforce.comは、10億ドルの節目を迎えたとき(2014年度第3四半期)までに、収益成長率が36パーセントに鈍化していた。

最近のIDCのレポートによると、オラクルは現在、従業員1,000人以上の企業に対する売上という点で最大のSaaSベンダーであり、Salesforceを上回っている。オラクルのCEOであるマーク・ハードは、「当社はNetSuiteの買収によって、従業員1,000人未満の企業に関しても、No.1のクラウド・アプリケーション・サービス・プロバイダーとなる予定だ」と述べている。

オラクルは約90億ドルでNetSuiteを買収し、11月7日に手続きを完了した。この買収によって、主に大企業向けのERPクラウド・アプリケーションのトップ・プロバイダーと、中小企業向けのERPクラウド・アプリケーションのトップ・プロバイダーが1つになる。NetSuiteは、オラクルによる買収が完了する直近の四半期には2億4,390万ドルの収益を上げていたが、親会社となったオラクルの11月30日を期末とする第2四半期には、オラクルの収益に約5,000万ドルのみ計上している。

SaaSの顧客は2万5,000社

「Oracle ERP Cloud」はすでにオラクルで最も成長の著しい「柱」の1つとなっており、第2四半期におけるクラウドベースの金融、製造、サプライチェーンといった基幹業務アプリケーションの収益は前期比102パーセント増となった。ハードによると、「Oracle ERP Cloud」の収益が前期比で50パーセントを超える伸びを示したのは、これで8期連続である。NetSuiteを除くと、オラクルは第2四半期中、Canon、Deutsche Telekom、Dick’s Sporting Goods、FedEx、Hasbro、Skanska、Texas Instrumentsなど532社のERPクラウドの新規顧客を獲得したほか、91社の契約を拡充した。こうしたERPクラウドの新規顧客の半数以上は、これまで一度もオラクルのアプリケーションを購入したことがないとハードは述べている。

「Oracle HCM Cloud」部門は、採用、入社手続き、人材管理といったHR機能のアプリケーションを取り扱っており、第2四半期には「Oracle Fusion HCM」の収益が前年同期比131パーセント増と、ライバルであるWorkdayの成長率の約4倍となり、大きな成果を収めたとハードは語っている。第2四半期に獲得したHCMクラウドの新規顧客は、Berkshire Hathaway、Cummins、Dubai Airport、Siemens、Skanska、Sonic Automotiveなど224社に上り、さらに212社との契約を拡充した。

ハードによると、第2四半期における他のSaaS事業は、カスタマー・エクスペリエンス関連のクラウド・アプリケーション本体の収益が15パーセント増、顧客サービス関連のクラウド・アプリケーションの収益が24パーセント増、Data as a Service製品の収益は71パーセント増となった。全体としては、第2四半期にはSaaSの新規顧客を1,082社獲得し、810社との契約を拡充した。アクティブなSaaSのインストールベースの顧客総数は約1万3,000社で、NetSuiteを含めると2万5,000社になるとハードは述べている。

PaaSは1万2,000社超、IaaSは9,000社超の顧客

オラクルは第2四半期に、クラウドで提供するデータベース、アプリケーション開発、ビジネス・インテリジェンス、インテグレーションなどのPaaSの新規顧客を2,225社獲得し、収益は約600パーセント増加した。PaaSの主力はDatabase as a Service事業であり、第2四半期の収益は700パーセントを超える成長を遂げて約1億ドルに達したとハードは語っている。PaaS顧客のインストールベースは現在、合計で1万2,168社である。

オラクルの3つの主要クラウド事業のうち最も新しいIaaSには、コンピューティング、ストレージ、およびネットワーキング・サービスが含まれており、第2四半期の収益は6パーセント増の1億7,500万ドルであった。第2四半期に獲得したIaaSの新規顧客は2,148社で、IaaSのインストールベースの顧客総数は9,051社となった(ハードによると、オラクルではPaaSとIaaSの顧客を、使用中の個々のサービスに対して集計している。SaaSとPaaSの収益を個別に分けているわけではない)。

オラクルはIaaS分野では、Amazon Web Services(AWS)の後を追っているが、オラクルの経営執行役会長兼CTOであるラリー・エリソンは9月に開催されたOracle OpenWorldで、次世代のインフラストラクチャ・サービスを発表し、AWSの同等サービスと比べて2倍のコンピューティング能力、2倍のメモリ、4倍のストレージ、10倍の入出力速度を実現すると述べた。「インフラストラクチャとデータベースにおける当社の目標は、IaaS上のクラウド内でのデータベース・ワークロード実行に関してナンバーワンになることだ」と、第2四半期の収支報告でエリソンは語っている。

エリソンは競合他社に関しては、アプリケーション分野におけるオラクルの主要ライバルがSAPからSalesforceに替わったと述べている。またオラクルは、Salesforceよりも先にクラウド収益100億ドルに到達する可能性があり、「ただし接戦になるだろう」とエリソンは語っている。エリソンによると、オラクルのクラウド収益はSalesforceよりも急速に伸びており、「当社の今年の年間クラウド売上は、Salesforce.comをはるかに上回り、20億ドルを超える見込みだ。当社はSalesforce.comに追い付き、素早く捕らえつつある。」

エリソンによるとデータベース市場では、オラクルの主要な競合相手はIBMからAWSに替わっている。「Oracle Database」はすでに、技術面および市場シェアの面でAWS RedshiftおよびAuroraデータベースをはるかに上回っているが、より重要なことは、オラクルのIaaSが「Oracle Database」のワークロードを、AmazonのIaaSよりも「はるかに高い速度と信頼性で、なおかつ大幅に低いコストで」実行できる点だとエリソンは語る。

上昇を続けるSaaS、PaaSの利益率

オラクルの第2四半期の総収益は90億4,000万ドルと、前年同期比で横ばいであった。しかし、総収益と非GAAPベースの希薄化後1株あたり利益はいずれも、業績予想の中間点を上回ったとキャッツは述べている。

オラクルの総収益に占めるクラウドの割合が以前よりも拡大しているため、同社の収益とキャッシュフローは向上する見込みだとキャッツは述べ、2018年度は非GAAPベースで2桁の増益が期待できるという予測を改めて表明した。

SaaSとPaaS事業を合計した第2四半期の売上高総利益率は59パーセントと、前年よりも大幅に上昇した。キャッツによると、この利益率は今年度も上昇を続け、最終的には同社の目標である80パーセントに近づくものと思われる。

利益率の上昇には、主に2つの理由がある。1つ目は、オンプレミスのソフトウェア・ライセンスのように売上のほとんどが販売時に一括計上されるのではなく、契約期間に比例して収益が計上されることである。2つ目は、オラクルがこれまで行ってきた膨大な先行設備投資の負担が、今後は徐々に軽減されるため、費用の増加ペースが収益の成長ペースよりも遅くなるからだ。

IaaS事業の第2四半期の利益率は37パーセントであった。オラクルは比較的初期にあるこの事業に投資することから、今後数四半期、利益率は下降を続け、20パーセント程度にまで下がるとキャッツは予想している。しかしキャッツによると、SaaSおよびPaaS事業の場合と同様に、増収が続いて当該事業への設備投資が徐々に減れば、IaaSの利益率は上昇に転じ、長期的には向上すると見られる。

キャッツによると、2017年度の設備支出は約20億ドル程度になり、その半分以上がクラウド以外の不動産投資で、次年度は発生しない見込みである。

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています:
http://www.forbes.com/sites/oracle/2016/12/16/oracle-cloud-revenues-surge-again/