従業員ワークスペースとは

従業員ワークスペースは、従業員が作業場所に関係なく必要なツールやサービスにアクセスするための、物理的かつデジタルな中央ハブです。会社の職場にある自分の作業スペースに出向く従業員もいますが、自宅やコーヒー・ショップで仕事をする従業員もいれば、キャンピング・カーで世界各地を旅行や探索しながら仕事をしている従業員もいます。特に、さまざまな場所にチームが分散することはニュー・ノーマルであるため、組織は、従業員がどこからでもシームレスにコラボレーションし、コミュニケーションできるようにする必要があります。


パーソナライズされた職場と従業員エクスペリエンスを提供する方法

従業員ワークスペースが重要な理由

従業員が写真、小物類、植物で物理的なワークスペースを飾る傾向があるのには理由があります。従業員は自分が組織に所属している感覚を得ることを求めているのです。さらに、仕事をうまくこなすために必要なツールにアクセスできることで、従業員は自分が評価され尊重されていると感じます。ワークスペースがニーズを満たしていると、従業員の幸福感や生産性が高まり、従業員が満足する可能性が高くなります。業務での効果や効率に関する要件は人によって異なるため、組織は、従業員が毎日業務にベストを尽くせるように、さまざまなタイプの従業員や好みにどのように対応するかを検討する必要があります。

たとえば、オフィス環境には、一部の従業員の妨げとなる可能性のある潜在的なストレス要因がいくつかあります。オープンな設計のワークスペースは、チームのコラボレーション作業のシナリオで有効な場合がありますが、個々で作業する従業員が、大きな話し声、音楽、その他のオフィスの騒音によって集中するのに苦労することがあります。クワイエット・ゾーンを設置したり、ノイズキャンセリング・ヘッドフォンを提供したりすることで、これらの従業員は手元の作業に専念できます。また、プロジェクトについて長時間話し合うときは、会議室を使用するようチームに促すのもよい方法です。また、電話を頻繁に使用する従業員を特定のエリアに配置したり、これらの従業員にドア付きのオフィスを提供したり、可能な場合はあいている会議室を使用するよう促したりすることもできます。

テクノロジーは、場所や職務に関係なく、すべての従業員にとって、従業員ワークスペースのもう1つの重要な要素です。適切なツールやサービスにアクセスできれば、タスクを慎重かつ予定どおりに完了できます。適切なツールを使用できる従業員は、エンゲージメントが高くなり、製品や顧客を適切にサポートできます。従業員がよりスマートかつ効果的に働くのを助けるテクノロジーを導入するのが他社よりも遅くなると、組織の収益が損なわれます。

チャットボットは、従業員が関連情報を24時間365日迅速に見つけることができるよう支援します。つまり、従業員は回答を探す時間を減らし、作業を進める時間を増やすことができます。同じように、対話型のガイド付きラーニング・パスは、オンボーディング・プロセスやコンプライアンス・プログラムを促進し効率化するのに役立ち、ステップバイステップのガイダンスを提供することで、従業員がすべてのフェーズを適切に完了するのを助けます。チャットボットとガイド付きラーニングの両方を活用することにより、サポート担当者への問い合わせが減り、これらの担当者は、より重要な人事イニシアチブに注力できます。

その他のより複雑なAIベースのソリューションを使用すると、組織はデータと傾向を分析して、ワークロードの増加を予測できます。これにより、組織は先を見据えて計画を立て、最も必要なときに適切にサポートを提供できます。これにより、組織は事後対応型ではなく事前対応型にシフトでき、人材不足による業務の停滞や従業員の燃え尽き症候群などの問題を防止できます。人事分析を他部門のデータと組み合わせると、組織のより深いインサイトが明らかになり、企業の利害関係者は戦略を立てイノベーションを行うことができます。これにより、組織は市場での優位性が高くなり、競争に勝つことができます。従業員ワークスペースのデジタル要素は、これらのツールに加え、従業員が自分の役割を実行するために必要なその他のツールやサービスで構成されます。

ワークスペースでのつながりとコラボレーションの促進

リモート・ワークの人気が高まり、頻度が増えるにつれて、従業員は地域や世界のチーム・メンバーと定期的にコラボレーションするようになっており、従業員のつながりを促進し、同僚がプロジェクトに参加しやすくするために、従業員ワークスペースのデジタル面は非常に重要です。複数のチームが割り当ての管理、同じデジタル・スペースでの作業、ビデオ・アプリやメッセージング・アプリを使用したコミュニケーションを実現できるツールは、それらのチームが同じオフィスにある場合でも、成功のために不可欠です。しっかりとしたデジタル従業員ワークスペースは、チームと従業員のエンゲージメントを高め、企業文化や士気の向上にプラスの影響を及ぼす可能性があります。

組織内の各従業員が、ワークフォースと呼ばれるコミュニティを形成します。従業員が互いに信頼でき、時間の経過とともに堅実な関係を築くことで、コミュニティは、より強固になります。組織とリーダーは、特に一部またはすべてのメンバーがリモートにいる場合に、従業員ワークスペースのツールを活用することで、コミュニティに参加するというソーシャルな側面を取り入れ、重要なつながりを構築するように従業員を促す必要があります。チームのお祝いなどのイベントは、完全にバーチャルで実施したり、対面とリモートの従業員が混在したチームで実施したりできます。このようなイベントは、関係構築に不可欠であり、すべての従業員を含めることが必要です。そうしたイベントが、新しい刺激的なアイデアにつながる可能性もあります。

短時間の非公式なミーティングがイノベーションを促進する場合もあります。たとえば、さまざまなチームのリーダーが、月に1度ビデオ・チャットを介して集まり、コーヒーを飲みながら、他のチームの活動に関するフィードバックを共有できます。これによって新たな視点が生まれ、プロジェクトが新しいレベルに引き上げられたり、部門を超えたコラボレーションの機会が明らかになったりする可能性があります。さまざまな立場の従業員が、冷水器のそばでの立ち話をデジタル空間で再現できます。

すべてのやりとりが奇跡的なインサイトにつながるわけではありませんが、こうしたディスカッションは情報の流れを継続させる効果があり、活気のある生産的な職場には不可欠です。このため、組織は四半期ごとに全社的なミーティングを開催し、上級リーダーからの連絡を共有して必要不可欠な情報を伝達するとともに、従業員がフィードバックを提供する機会を用意する必要があります。そうすることで、すべての従業員が優先度の高い企業目標を理解し、質問したり意見を述べたりする機会が得られるため、コミュニティ意識が促進されます。

ワークスペースに適切な装備が整っていると、従業員は同僚や企業とのより深いつながりを感じることができます。従業員の自信が深まり、従業員が各自の役割で成功する可能性が高くなり、従業員エクスペリエンスが向上します。

従業員ワークスペースがウェルビーイングに与える影響

業務に必要なツールやサービスにアクセスできないと、従業員は不満を感じることになります。その結果、ストレスや不安が生じ、従業員は組織が自分や仕事にどの程度関心を持っているかを疑問視するようになります。この状況が長く続き、何も措置が取られない場合、そのストレスと不安によって従業員が会社を去る可能性があります。従業員のために適切な物理的ワークスペースとデジタル・ワークスペースを確保することが、従業員エクスペリエンスのカギになります。それが、従業員ワークスペースの潜在的な危険を認識して排除する職場文化につながります。

これを示す事例は、レジ係やカスタマーサービス担当者をウイルスから保護するプレキシガラスから、人間工学的に設計されたオフィス機器、製造施設における安全ヘルメットの着用が必要なエリアに至るまで、さまざまな場所に見られます。それぞれの従業員グループには固有のニーズがあり、安全が確保され、効率的に作業できる、適切な従業員ワークスペースをすべての従業員に提供することが必要です。リモート・ワークやハイブリッド・ワークの文化が拡大するにつれて、これらの従業員は、他のグループにはない危険に直面する可能性があります。

さまざまなプラスの面がある一方で、バーチャルな働き方は、一部の人にとってマイナスに作用します。リモート従業員の場合、孤独を感じることがよくあります。企業は、従業員をサポートするために、コラボレーションが促進され、チームが互いを称賛し、全員が発言権を持ち、また、週次ミーティング中にマネージャーがプロジェクトの進ちょく状況を確認するだけでなく、各従業員の調子を尋ねるような雰囲気や文化を積極的に醸成する必要があります。

境界を確立することも、組織には必要です。働く場所がリモートかオフィスかにかかわらず、過度の労働は、燃え尽き症候群を増やし、従業員のうつ病、ストレス、不安、その他の有害な影響の原因になります。勤務時間後に通知をスヌーズにする、休暇を取る、ダウンタイムを利用して個人の生活に集中することで、ワークスペースとのつながりを切って、距離を置くことを従業員に推奨してください。これらは、従業員を尊重する健康的な労働文化の特徴です。このようなタイプの組織で働く人々は、回復力に優れ、職場と日常生活のどちらでも発生する可能性がある予期しない状況にうまく適応できます。

従業員ワークスペースは、従業員の総合的なウェルビーイングをサポートし、メッセージング・アプリなどのツール、サービス、従業員が仕事をする物理的な場所(デスクが本社または自宅にあるか、モバイルかを問わない)を提供します。経験豊富で非常に競争力の高い組織は、従業員ワークスペースが従業員エクスペリエンスに大きな影響を与えることを理解しています。従業員は、自分の役割で成功するために必要なアプリ、デバイス、情報をすぐに利用できることを求めています。また、従業員は、企業が従業員、従業員の時間、従業員のパフォーマンスを気にかけてくれることを望んでいます。従業員のニーズを満たすワークスペースがあることで、大きな違いをもたらします。

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